補助金バブルが終わる、これから中小企業診断士はどう生きていくのか?問われるような気がします

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補助金バブルが終わる補助金バブルが終わろうとしています。
コロナ禍で消費構造が大きく変容したことにより窮地に陥った中小企業者を支援するための大型補助金がここ数年続いていますね。事業再構築補助金は2023年度も継続されるようです。
しかしこれらの大型補助金は今年が最後ではないかと感じています。同様のことを支援機関の方も意見していました。異常な補助金の大判振る舞いはいつまでも続くはずがありません。
今年で補助金バブルが終わる、という前提で取り組みたいと思います。

補助金バブルは終わる

主要な補助金や助成金の一覧

まずは、人気の補助金・給付金および助成金を紹介しておきます。

▼中小企業向け補助金・総合支援サイト(ミラサポプラス)
https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/

・事業再構築補助金
・ものづくり補助金
・IT導入補助金
・小規模事業者持続化補助金
など

▼各種助成金・奨励金等の制度(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/joseikin_shoureikin/

・雇用関係の助成金ポータルサイトが近々にオープン予定
・事業主に対する労働条件等関係助成金のご案内
・事業主団体に対する各種助成制度
など

すでに協力金や助成金は絞られています

飲食店向けの休業協力金はすでに終わっています。雇用調整助成金のコロナ特例は令和5年3月31日までは明示されていましたが、延長があるかどうかはわかりません。

ところで、助成金と補助金の違い、わかりますか?

補助金が助成金と大きく違うところは事前に申請をし審査を受けて採択されないと受給されないということです。

どもどもカフェ75回めは、補助金と助成金の違いについてまで話題が広がりました
8月になりました。あいかわらず暑いです。8月1日というのは、気象データの統計では一年で一番暑い日ですから暑いのは当たり前ですけどね。 さて、どもどもカフェ75回めは7人参加でまったりと実施しました。毎回参加してくれる人がいてありがたい限りです。参加者のみなさんから近況をおうかがいして話題をピックアップしました。

協力金や助成金は条件さえ満たせばもらうことができますが、不正受給事件が多発したこともあり、審査が厳格化しています。

この点で補助金は助成金よりも監視の目が効きやすいので不正が起きにくい構造といえます。

一方で、補助金の金額が大きくなり申請書類の書き方の難易度が上がったことは間違いありません。そこで、補助金申請を支援するという「補助金ビジネス」が一気に盛り上がったわけですね。

補助金バブル診断士とはどういうことか?

補助金申請支援ビジネスの主役になったのは中小企業診断士だと言われています。

もちろん、中小企業診断士だけではありません。コロナ禍の数年間は、行政書士など他の士業や民間コンサルタント、中堅大手のコンサルタント会社も含め、コンサルタント業界全体が補助金ビジネスに少なからず関与してきました。

それでも、中小企業診断士の補助金支援が目立ったようです。

「事業再構築補助金」や「ものづくり補助金」などは、補助金の金額が数千万規模と増額されていることもあり、補助金申請書の内容もかなり難易度が高くなっています。中小企業経営者が申請書を書くために中小企業診断士を使う、というような流れになったわけです。

Googleの検索画面にはサジェストという機能があり、よく検索されているキーワードが候補として表示されます。「補助金バブル」のサジェスト一覧には、「補助金バブル 診断士」「飲食店 補助金バブル」「コロナ 補助金バブル」という3つが並んでいます。

補助金バブルが終わる

「補助金バブル 診断士」というサジェストが表示されたことには正直いって悲しい気持ちになりました。なんだか、診断士が社会的に悪いことをしているような存在になってしまったのかという印象を受けたからです。

実際に、企業内診断士の方が補助金ブローカーからの依頼で多数の申請書を作成し採択されているというような話を聞くたびに、違和感が湧き上がっていました。

企業内診断士が副業でコンサルをするというのは大賛成なのですが、補助金申請書を書くだけで使われているのはどうなのかな…と。

中小企業診断士の本業は補助金申請書を書くことではない

中小企業診断士の本業は補助金申請書を書くことではありません。少なくとも、私はそのような考えを持っています。

ですから、私は補助金申請のための書類作成に関する案件はすべて辞退してきました。これからも補助金申請を目的としたような案件にはかかわりません。

・直接契約している中小企業者をコンサル支援する(年間またはスポット契約)
・公的機関の専門家派遣制度などを使い経営支援をする

ということを中心にしています。

ただし、直接契約している支援先の中小企業が改革の手段として補助金申請をすることがあり、そのさいは補助金申請書のほうも支援することがあります。

ここで言いたいのは、「補助金は手段であり目的ではない」ということです。

補助金との付き合い方を考える

ある農業者が「補助金はモルヒネ」と公言していて、その言葉に強く共感したことがあります。補助金漬けと言われている農業界にそのような経営者がいて光を感じました。

「自助努力で遂行し解決すべきなのが経営課題。痛みが伴う改革部分を少し和らげてくれるためには多少のおくすりを使うこともやむをえない。しかし必要以上におくすりを使うと危険だから頼ってはだめですよ」という考え方なんでしょうね。

おくすりを使い続けると副作用が大きくなります。このおくすりがモルヒネであり、補助金であるという示唆かと思います。

コロナ禍の数年間は、おくすりを使い過ぎました。過剰です。これから絞っていくと禁断症状のようなものが出るかもしれません。

その禁断症状に苦しむのは、中小企業経営者だけでなく、補助金ビジネスに明け暮れた中小企業診断士も含まれるかもしれません。

潮時でしょう。

補助金は単純に「お金がもらえる」ということではありません。

補助金は目的ではなくて手段ですから、そこを取り違えると間違えます。

補助金バブルが終わる

これからの中小企業診断士像

これから、中小企業診断士はどのような道を目指すべきなのでしょうか。

最近、話題の新BINGくんに聞いてみました。

AIの回答
AIの回答

中小企業診断士が補助金申請を支援するビジネスは、コロナ禍で大膨張したと言われています。
しかし、補助金事業の予算が減少したり、不祥事が多発したりすると、ビジネスの継続性に影響が出る可能性があります。アフターコロナに向けて、中小企業診断士は他のサービスや価値提供にも注力する必要があるかもしれません。

どもども遠田
どもども遠田

なるほど、中小企業診断士の補助金ビジネスは方向転換する時期にきているという指摘ですね。ありがとうございます。

では、これから中小企業診断士はどのようなことを意識しなにに注力すべきですか?

AIの回答
AIの回答

中小企業診断士が注力すべきことは、時代の変化に対応した経営課題の把握と解決策の提案です。例えば、以下のようなテーマが挙げられます。

 

・デジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)による中小企業の経営革新
・コロナ禍での中小企業の事業継続や新規事業開発
・人口減少や高齢化に伴う中小企業の人材確保や育成
・地域経済や社会貢献に関わる中小企業の役割と価値

 

これらのテーマに対して、中小企業診断士は、最新の知識や情報を取り入れながら、中小企業に合った診断・助言を行う必要があります。

新BINGくんはなかなか鋭い回答をしてくれますね。

中小企業診断士は学び続ける存在

シンギュラリティが間近に迫っています。これから社会構造はますます大きく変容することが予想されますので、自分自身のリスキリングをしながら中小企業者をご支援できるように磨いていきたいと思います。

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リスキリングとは、リ・スキリングです。リスク(危険)の管理ではありません(笑) リスキリングは英語だと「Re-skilling」なので、和訳すると「学び直し」とか「再教育」的な意味になります。 実は世界的に「Re-skilling」が注目されています。きっかけは2020年のダボス会議で「リスキリング革命(Reskilling Revolution)」が提唱されたからです。第4次産業革命に伴う技術の...

人はいくつになっても学ぶ続けることが大事です。環境変化に対応するためには学ぶ続けることです。

中小企業診断士は「学び続ける存在である」であってほしいです。少なくとも自分自身はそのように生きていきたいと考えています。