企業診断ニュースの2008年年末号に農商工連携がテーマになる、石川県の農と商工がつながる事例を紹介します

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企業診断ニュース中小企業診断協会が発行している企業診断ニュースは毎月定期的に発行されており、中小企業診断士がもっとも読んでいる刊行物だろう。毎年年末号はその年の主要なテーマで特集が組まれる。2008年年末号の重要テーマの1つは農商工連携だ。この農商工連携の特集記事は遠田が執筆を担当することになった。
中小企業診断士関連の情報発信は東名阪(東京大阪名古屋)などの都市からが中心だが、農商工連携の情報は地方からの発信が重要だ。遠田が住んでいる石川県で農と商工がつながる事例を中心に情報発信したいと考えている。

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石川県内の農業者には、農商工連携が声高に叫ばれる前から農と商工を連携させ「とんがった活躍」をしている方々が非常に多い。

9月7日のNHK全国放送の経済羅針盤に出演し、農業ビジネスや日本の農業のあるべき姿に関してさまざまな意見を述べていたのも石川県の農業人である。

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このNHKの番組内では、個性的な農業法人が多数出演している。左の写真の左側に写っているのは、昭和63年に天皇杯を受けた株式会社林農産の自称23世紀型お笑い系百姓の林浩陽社長で、「普通じゃないコシヒカリ」というネーミングで米を作り直販、もち米を自社でお餅に加工し直販店で販売するなどユニークで積極的なビジネス展開を図っている第一人者である。右側に写っているのは有限会社かわに河二敏雄社長で、五郎島金時(さつまいも)やスイカを生産する一方で、五郎島金時の焼き芋という流通商品を商品化したり、五郎島金時のペースト加工を菓子メーカーなどに提供するという日本でここだけという独自のビジネスモデルを展開している。
Rashinban_03能登半島七尾市の能登島で有機農業に取り組む高さん(たかさん)も紹介されている。高さんは、脱サラして専業農家になった。能登島の赤土に惚れ込み野菜50種を栽培している。野菜のソムリエにもなり、食育にも取り組む36歳でバリバリの仕事盛り。消費地から遠い能登島で、耕作しにくい赤土でという一見悪条件の中で、高品質な野菜を作っているため高さんの作る野菜は各地からひっぱりだこだ。高さんのような高い志を持った農家にもっとスポットライトをあててほしいものだ。

Monzenhatake志の高い農業者は石川県内に多数いるのがうれしい。その一人は株式会社金沢大地井村辰二郎氏だ。有機大豆の国内生産量が日本一、なんと有機大豆の国内シェアの約11%が井村氏によるものだ。
奥能登に広大な耕作放棄地がある。これを再活用することで日本農業は生まれ変われないかという取り組みを井村辰二郎氏は始めた。石川県農業開発公社が能登の山奥に約60ヘクタールの農地を所有している。国営事業として昭和50年代に開墾。しかし現在この多くが耕作放棄地。開墾直後は多くの農家が入植したが、痩せた赤土と農業を取り巻く環境変化から徐々にこの地を離れていったのだ。そして、この地に再び陽の目があたる。金沢農業の井村辰二郎氏は昨年からこの地の約8haを借り、有機大豆生産を始めた。有機大豆が日本農業の救世主となるかもしれない。このような取り組みが全国で進むことを願う。

さて、執筆にあたってあらためて情報収集を開始する。県内外の関係者のみなさま、情報があればお寄せください。m(__)m


(その後の掲載記事)

企業診断ニュース200812この内容を掲載した企業診断ニュースは2008年12月号として発行された。

なお、企業診断ニュースは同友館から購入できる。

遠田が投稿した記事は「農商工連携という
時代の風をどう生かすか?」
でPDF(約240KB)でダウンロード可能とした。興味があるかたはダウンロードしてご覧ください。

コメント

  1. 農商工連携という時代の風をどう活かすか?という題で企業診断ニュース年末号の巻頭特集に掲載されました

    企業診断ニュースは中小企業診断協会が発行している月刊誌。中小企業診断協会の会員になっている中小企業診断士には毎月送付されており、中小企業診断士がもっとも目にする月刊誌のひとつだろう。12月の巻頭特集のひとつに遠田が書いた記事が掲載されている。タイトルは「農商工連携という時代の風をどう活かすか?」。このように記事を書く機会を作ってくれた中小企業診断士仲間のご縁に感謝したい。佐川さん、高橋さん、ありが…

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