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AIモード本格導入!AI検索時代に対応するカギは検索の8割を占める「Knowクエリ」にあり

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AIモード本格導入Google検索にAIによる要約が表示される「AI Overview(AIO)」が当たり前になって1年以上が経ち、Webサイトへのアクセス数が静かに、しかし確実に変化しはじめています。そして2025年9月、Googleは次なる一手として「AIモード」を日本でも本格導入。これにより、私たちの情報収集のあり方は、新たなステージへと突入しました。
「AI Overview」が従来の検索結果に”要約”を添えるアシスタント的な機能だったのに対し、「AIモード」は、ユーザーがAIと”対話”しながら、より複雑な問いの答えを深掘りしていく、全く新しい検索体験です。これは、単に情報を「ググる」時代から、AIに「相談する」時代への本格的な移行を意味します。

AIモード時代のSEOを再検討

日本でAIモードが導入されたのは9月中旬でした。段階的な導入のようでしたが、9月末に近づきいよいよ本格的にAIモードになっています。

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この進化の先で、Webサイト運営者は何をすべきか?
答えは、AIが学習し、参照する元となる「情報の質」にあります。この大きな変化の本質を捉え、これからの時代に対応するための具体的なSEO戦略について考えてみました。

AIが参考にしているのは、やはり「質の高いコンテンツ」

まず重要なのは、AIが何もないところから回答を生成しているわけではない、という点です。AIは既存のWebサイトの情報を学習し、それを要約してユーザーに提示しています。

では、AIはどのようなサイトを「お手本」にしているのでしょうか。それは、検索で上位表示されている以下のような特長を持つ記事です。

  • ユーザーの役に立つ情報が中心である:直接的な商品販売ページではありません。
  • 情報量が豊富な長文コンテンツである:一つの記事でユーザーの疑問が深く解消されるような網羅性を持っています。
  • 情報の価値が現在も高い:たとえ古い記事であっても、その情報が今もなお価値を持つものであれば採用されます。
  • ユーザー視点で役に立つ内容になっている

ここから分かるのは、ユーザーの課題解決を第一に考えた質の高いコンテンツSEOが、AI時代においても継続的に有効であるということです。

検索の8割を占める「Know」キーワードの地殻変動

次に、ユーザーの「検索意図」に目を向けてみましょう。1日に約60億回とも言われる検索は、その目的によって大きく3種類に分類されます。

  • GO(行きたい):特定のサイトへ行きたい検索(全体の10%)
    例:「YouTube」「東京ディズニーランド」
  • DO(したい・買いたい):購入や予約など行動したい検索(全体の10%)
    例:「ホテル 予約」「コシヒカリ 新米 通販」
  • KNOW(知りたい):情報を得たい検索(全体の80%)
    例:「〇〇 とは」「〇〇 方法」

注目すべきは、検索全体の8割という圧倒的多数を占める「Know(知りたい)」というキーワードやクエリが、最もAI検索に置き換わりやすい領域だという点です。

ユーザーが「知りたい」と思ったとき、AIが検索結果の冒頭で的確な要約を提示してくれるため、多くのユーザーはそこで満足し、Webサイトを訪問せずに検索を終えてしまいます。これまでお役立ち記事などでアクセスを集めていたサイトにとっては、これは大きな脅威となり得ます。

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検索クエリとは

検索クエリとは、ユーザーが「知りたい情報」を求めて検索エンジンに直接入力する「単語や語句の組み合わせ」です。Knowクエリというのは、単なるKnowキーワードと違い、ユーザーが知りたいという意図を持って複数のキーワードが組み合わせられたものです。

例えば「渋谷 カフェ Wi-Fi」のような検索クエリは、そのユーザーが渋谷でWi-Fiが使えるカフェを探しているという明確な意図を表します。SEOやデジタルマーケティングにおいては、この検索クエリを分析することでユーザーのニーズを把握し、より効果的なコンテンツや広告を作成するために活用されます。

検索クエリと検索キーワードの違い

つまり、検索クエリとは「単語や語句の組み合わせ」で、検索キーワードは「単語そもので単独のキーワードす。SEO的にはこのように検索クエリと検索キーワードを別途に扱います。
一般ユーザーには検索クエリと検索キーワードを区別せずに同等に扱っていることもありますので注意が必要です。

これからのSEO戦略:「Know」で信頼を築き、「DO」へ繋げる

では、私たちは具体的にどうすればよいのでしょうか。答えは、「Know」「DO」「GO」の各クエリの役割を再定義し、戦略的に連携させることにあります。

ステップ1:AIに選ばれ、さらにユーザーに選ばれる「Knowコンテンツ」を作る

これからのKnowコンテンツの目的は、単にアクセスを集めることではありません。「この会社は信頼できる専門家だ」とユーザーに認知してもらうための「信頼獲得ツール」と位置づけましょう。

AIの要約の元ネタになるだけでなく、ユーザーに「もっと詳しく知りたいから、この記事を直接読みたい」と思わせる付加価値が不可欠です。具体的には、前述の「AIが参考にするコンテンツ」の条件を満たす、以下のようなコンテンツを目指します。

  • 独自の経験や一次情報を盛り込む(お客様の声、事例、自社データなど)
  • 専門家としての深い洞察や独自の視点を加える
  • 図解や動画などを活用し、AIのテキスト要約だけでは伝わらない分かりやすさを追求する

ステップ2:「DO(買いたい)」への橋渡しを設計する

Knowコンテンツでユーザーの信頼を得たら、その課題を解決する具体的な選択肢として、自社のサービスや商品(DOクエリ)へと自然に繋げます。

例えば、「肌荒れの原因」というKnowコンテンツで専門的な情報を提供し信頼を得た後、「その課題には、このような成分を配合した弊社の〇〇という商品がお役に立てます」と提示する流れです。これは単なる売り込みではなく、課題解決の最終ステップの提示です。KnowとDOが分断されるのではなく、ユーザーの悩みに寄り添う一連のストーリーとして設計することが重要です。

ステップ3:「GO(行きたい)」で指名される存在になる

質の高いKnowコンテンツでユーザーとの接触を増やし、DOクエリで着実に成果を上げていく。このサイクルを続けることで、企業の専門性やブランドが認知され、最終的には「〇〇(あなたの会社名やブランド名)で調べてみよう」という指名検索(GOクエリ)に繋がっていきます。ここまで来れば、他社との比較検討の土俵(せめぎあい)から一歩抜け出し、安定したビジネス基盤を築くことができるでしょう。

AIモード時代対応のまとめ

AI検索の時代は、SEOの終わりではありません。むしろ、小手先のテクニックが通用しなくなり、ユーザーと真摯に向き合い、本質的な価値を提供している企業が正当に評価される時代の幕開けです。

検索の8割を占める「Know」クエリを戦略的に活用し、ユーザーとの信頼関係を築き、最終的な購買行動へと繋げていく。この王道ともいえるコンテンツマーケティングの実践こそが、AI時代を勝ち抜くための最も確実なSEO戦略と言えるでしょう。

AI検索時代のSEO戦略は「物語」がよりいっそう重要になる
生成AIの進化が止まりません。Googleの検索結果にも「AIによる概要」が表示されるようになり、さらに「AIモード」へと進化しました。多くのネットビジネス経営者やウェブ担当者の方々が、「このままでは検索エンジンからの集客が激減してしまうのではないか」「これまで積み上げてきたSEOの努力が無駄になるのではないか」という、かつてない不安を感じているのではないでしょうか。

これから注目される対策のひとつが「物語」対応です。物語仕立てで伝えるという手法が増えていきそうな気がしています。

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AI時代の新SEO戦略
本日は、GoogleのAIモード本格導入に伴い、これからのWebサイト運営者が取るべき新しいSEO戦略について、特に「Knowクエリ」の重要性に着目してご説明します。 AI検索時代に対応する 新SEO戦略 2025.09.27

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スライド作成は「まじん式プロンプト」をGeminiProで使いました。

まじん式プロンプトの素晴らしさはGoogle Workspaceを使っているとより実感します。Google Workspaceのなかで処理が完結するので迅速ですし完成度も高いです。それに情報漏洩や機密性に関して安心できるのも良い点です。