金融と経済

世界経済論>関税をかけない自由貿易か関税をかける保護貿易か、関税は死重損を発生させ自国にマイナスの効用となる

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関税の効果自由貿易か保護貿易か。関税の効果を国際経済論の視点で分析すると、社会的厚生(自国の効用の総和=消費者余剰+生産者余剰)はマイナスとなる。
よって関税をかける保護貿易はやめ、自由貿易を選択すべき、という結論になる。

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関税をかけない自由貿易か関税をかける保護貿易か

関税をかけない場合

関税の効果この前提は自国が小国の場合(小国とは、自国の輸出入が国際貿易の価格を変動させない)。さらに完全競争状態の部分均衡が成立。貿易をしないときの自国の商品の価格と数量は需要と供給の関係で決まるものとしている。

①の自給自足体制から②の自由貿易体制に変わると、安い外国産商品が国内に流入。その結果、国内価格は輸入価格まで低下する。その際の、国内生産量は低下し、国内消費量は増加する。この2つの数量の差は輸入量となる。

関税をかけた場合

Kanzeikouka03関税をかけるとどうなるか?②に比べ③を見てみよう。関税は関税の分だけ輸入価格を押し上げる効果がある。その結果、国内生産量が若干増加し、国内消費量は減少する。

そして、②の社会的厚生と③の社会的厚生を比べてみる。②より③のほうが小さい。その差は死重損の分だ。

よって、関税をかけること、自由貿易時より自国に社会的厚生の減少をもたらすことになる。

死重損が発生することで社会的厚生が減少する

「死重損」とは?

死重損とは、関税が導入されることで、社会全体で失われる効率性や利益のことを指します。具体的には、以下の2つの要因によって発生します。

(1)消費者の損失

関税によって価格が高くなるため、買えなくなる消費者がいます。この結果、元々得られていた消費者の満足(消費者余剰)が失われます。

(2)非効率な生産

関税で保護された国内産業が生産を増やしますが、これは本来、海外の生産者がより効率的に作れる商品です。国内生産に切り替えることで、社会全体の資源配分が非効率になります。