「Gemini Gems × GAS」なら、自社専用の業務アプリが “0円” で作れます。財務分析AIを作ってわかったことは、この手法は中小企業にこそ適しているという実感です。エンジニアに頼まなくても、Geminiを使えばちょっとしたアプリを作成することができます。
この方法について紹介します。
Geminiを使えば簡単に業務アプリを作成できます
財務構造分析メーカーというアプリを作成
実際にGeminiとGASで「財務構造分析メーカー」というWEBアプリを作ってみました。

課題
決算書(BSやPL)を見て分析するのは専門知識が必要ですし、数字の羅列では直感的に状態を把握するのが困難です。外注すれば高額な費用がかかります。
解決策
Geminiを使い、専用のGemとGASでWEBアプリページを作成しました。この考え方としては「まじん式スライド作成」の応用です。
こうして作成したアプリを使うと以下の手順で分析データを出力できます。
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入力: PL/BSの画像かPDFをアップロードする。
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AIの処理 (Gemini): 画像やPDFから数値を読み取り、ROAなどの指標を計算し、1000文字程度の深い分析コメントを作成する。
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アプリの処理 (GAS): AIが出したデータを、見やすい「構造図」や「推移グラフ」としてWebブラウザに表示する。
結果
これまで人間がエクセルを叩いて数時間かかっていた分析レポートが、わずか数十秒で完成しました。しかも、赤字の原因分析や改善提案までAIが行ってくれます。
サイゼリヤの直近財務分析例
この財務構造分析アプリを使い、実際にサイゼリヤの財務分析をしました。

この公開されている財務データから、直近の2年比較の財務データを画像として抽出しました。
▼分析のもとにした画像

この画像を読むだけでどこまで分析してくれるか試してみます。

まぁまぁいい感じで出力できているようです。けっこう実用的ですね。
GoogleWorkspace内で完結
高額なシステム導入しなくてもできるかも?
「DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めたいが、予算がない」 「便利なSaaSを入れたけれど、自社の業務フローに微妙に合わない」 「ちょっとした作業を自動化したいだけなのに、開発会社に見積もりをとると数百万円と言われた」
多くの中小企業が抱えるこの悩み。実は、Googleの生成AI「Gemini」と、無料のプログラミング環境「GAS(Google Apps Script)」を組み合わせるだけで、劇的に解決できることをご存知でしょうか?
今回は、実際に私が作成した「財務構造分析アプリ」を例に、エンジニアがいなくても自社専用ツールを作る方法を紹介しました。
なぜ「Gemini × GAS」が最強なのか?

これまでのアプリ開発は、すべてのロジックを人間がプログラミングコードで書く必要がありました。これがハードルを高くしていた原因です。
しかし、今回の手法(通称:まじん式)は役割が違います。
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Gemini (Gem): 「脳」の役割。曖昧なデータ(画像やPDF)を読み取り、思考し、整理されたデータ(JSON)に変換する。
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GAS (Webアプリ): 「手」の役割。整理されたデータを受け取り、グラフを描画したり、画面に表示したりする。
つまり、「難しい判断や読み取りはAIに任せ、決まった表示だけをプログラムにさせる」ことで、開発の手間を10分の1以下に圧縮できるのです。
中小企業にこそ、この手法を推奨する3つの理由
コストがほぼゼロ
Gemini (Google Workspace等) と GAS は、すでに多くの企業が導入しているGoogle環境があれば、追加コストなしで利用可能です。サーバー代もかかりません。また、Workspace内で完結するので情報セキュリティ的にも安心です。
「自社の言葉」で動く
市販のソフトは融通が利きませんが、自分で作ったGeminiなら「ウチの会社ではこの指標を重視する」「社長への報告はこういう口調で」といった細かいチューニングが自由自在です。
プログラミングができなくても大丈夫
「GASのコードなんて書けない」という方も安心してください。実は、今回のアプリのコードも「こういう動きをするGASのコードを書いて」とGeminiに指示して書かせたものです。 人間は「何を作りたいか」を考えるだけでいいのです。
明日からできる「自分たちで作るDX」
まずは、社内にある「手作業」を見直してみましょう。
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手書きの日報をデータ化してグラフにする
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お客様からの問い合わせメールを分類して、担当者に自動通知する
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見積書のPDFから商品リストを抜き出して、発注書を作る
これらはすべて、「Geminiに理解させ、GASで実行する」というパターンで自動化できます。
自分で作成する業務アプリ:まとめ
DXの本質は、高いツールを買うことではありません。「自分たちの業務を、自分たちの手で快適にする」ことです。
Geminiという優秀な「パートナー」がいる今、中小企業こそが、もっと自由に、もっと安価に、最強の武器を作れる時代が来ています。 まずは小さなツールから、あなたも作ってみませんか?
最後に私の感想です。GASを使ってGoogleWorkspace内でいろいろとアプリを作ると本当に便利です。そのさいに頼りになるのはGeminiです。むしろGeminiがないと自主的にアプリを作成するような運用はできないですね。本当に生成AIは便利ですね。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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