いやー、すごいことになってきました。まさに「AIウィーク」と呼ぶべき1週間です。ここ数日で、世界を代表する2つのAIが相次いで大型アップデートを発表しました。
11月12日:OpenAI「ChatGPT 5.1」リリース
11月18日:Google「Gemini 3」リリース
「結局、どっちを使えばいいの?」「何が違うの?」と混乱されている経営者の方も多いと思います。
そこで今回は、この最新2大AIの特徴を整理し、私たち中小企業のビジネス現場でどう使い分けるべきか、解説します。
生成AIはChatGPTがいいかGeminiがいいか
それぞれの進化
▼Gemini3.0の画面


▼ChatGPT5.1の画面

共通する進化:「答える」から「考える」へ
まず、両者に共通している最大の進化は、「思考(Thinking)能力」 の向上です。
これまでのAIは、確率的に「もっともらしい答え」を即座に返すのが仕事でした。しかし、今回のアップデートで、両者とも「答えを出す前に、一度立ち止まって深く考える」ことができるようになりました。
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ChatGPT 5.1: 「Instant(即答)」と「Thinking(熟考)」を使い分け、難問にはじっくり考えてから答えます。
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Gemini 3 Pro: 「Deep Think」機能を搭載し、複雑なビジネス課題や論理パズルに対し、深く推論してから回答します。
つまり、どちらを使っても、以前のような「浅い回答」や「知ったかぶり」は劇的に減っています。
決定的な違い:「対話の達人」と「実務の達人」
では、違いはどこにあるのでしょうか?
両方を使ってみて感じたのは、「目指している役割」が明確に分かれてきた という点です。
【ChatGPT 5.1】は「人間味あふれる相談相手」
ChatGPT 5.1の強みは、圧倒的な「対話の自然さ」と「ニュアンスの理解」 です。
「トーン(口調)」の設定機能が強化され、こちらの意図を汲み取って、まるで優秀なコンサルタントや友人のように壁打ち相手になってくれます。
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得意なこと: アイデア出し、文章の推敲、悩み相談、ブレインストーミング。
【Gemini 3 Pro】は「自律的に動く実行部隊」
一方、Gemini 3の強みは、「エージェント(代理人)機能」と「Google連携」 です。
単に会話するだけでなく、「目標」を与えれば、自ら段取りを組んでタスクを実行しようとします。特にGoogle Workspace(メール、カレンダー、ドライブ)との連携は強力で、実務を直接こなす力に長けています。
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得意なこと: スケジュール調整、データ分析、情報収集、タスクの計画と実行。
一目でわかる比較表
| 特徴 | OpenAI ChatGPT 5.1 | Google Gemini 3 Pro |
| キャラクター | 「相談役(参謀)」 | 「実務官(エージェント)」 |
| 最大の強み | 文脈を読む力、人間らしい温かみ | ツールを操作してタスクを完遂する力 |
| 思考スタイル | 会話の中で柔軟に深める | 論理的に計画を立てて実行する |
| 連携 | 専用アプリ・ブラウザでの体験が至高 | Googleのエコシステムと完全融合 |
| おすすめの場面 | 「この新規事業、どう思う?」 | 「来週の出張手配を全部やって」 |
中小企業のリーダーはどう使い分ける?「最強の布陣」
私たち経営者やリーダーにとって、この2つは「どちらかを選ぶ」ものではなく、「適材適所で使い分ける」 のが正解です。つまり二刀流ですね。おすすめの業務フローは以下の通りです。
ステップ①:企画・構想は「ChatGPT」と練る
まだ形になっていないアイデアを形にする段階では、ChatGPT 5.1が最適です。
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「新しい補助金の申請書、審査員の心に響くストーリーを一緒に考えて」
- 「社員のモチベーションを上げる施策、なんかいい案ないかな?」こういった「正解のない問い」に対して、ChatGPTは非常に良いディスカッションパートナーになります。
ステップ②:実行・実務は「Gemini」に任せる
方針が決まり、「やるべきこと」が見えたら、Gemini 3 Proにバトンタッチです。
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「さっき決まった施策のために、競合他社の〇〇について調べて表にまとめて」
- 「プロジェクトのキックオフ会議を来週やりたいから、メンバーの空き予定を見て招待を送っておいて」Googleのツールを使いこなし、文句も言わずに手を動かしてくれます。
今回の生成AI進化についてのまとめ
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ChatGPT 5.1 = 優秀な「企画課長」
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Gemini 3 Pro = 優秀な「実務係長」
月額数千円で、この2人の優秀な部下を同時に雇える時代になりました。
「AIは難しい」と敬遠せず、まずはどちらか一つでも(あるいは両方!)触ってみて、自社の業務がどう楽になるか体感してみてください。驚くようなスピードで、仕事のやり方が変わるはずです。

私は、AI市場の二極化が進むという予測をしています。今回のChatGPTとGeminiのUpdateはその方向に進んでいることを示唆していますね。とくにChatGPTは12月からアダルト解禁になることで、よりパーソナル向けになっていくと考えられます。
今後の展開にも注目ですね。では、また。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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