「ずっとau(KDDI回線)で契約していて、月のスマホ代が数万円になっている」「でも、つながりやすさは落としたくない」こういう相談がありました。
今なら私が提案したいのが、楽天モバイル(株主優待SIM)を主回線にして、povoを副回線として残すデュアルSIM運用という作戦です。
iPhone SE(第3世代)以降のiPhoneはデュアルSIMに対応しているので、この運用が現実的にできます。
狙いは「安さ」と「つながりやすさ」を両取りすること

実質0円でつながりやすい設定が可能
私は実際にこのような運用をしています。

今回紹介する運用方法の狙いは次のとおりです。
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データ通信は楽天株主優待の月30GBを使う
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通信が弱い場所はpovo(au回線)に逃がせる状態を作る
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電話番号はpovoへMNPして維持する(今の番号をそのまま使う)
povoはKDDIのオンライン専用ブランドで、au回線をそのまま使える、という位置づけです。なので、少なくとも「今までauでつながっていた場所と同じ感覚でつながりやすい」ということがいえます。
この運用なら実質的に通信料が0円も可能です。
全体の流れ(やる順番が大事です)
楽天の株式を購入して、来春の株主優待に備える
楽天の株主優待(第29期)は、2025年12月末時点で100株以上保有している株主が対象で、名簿に載るための権利付最終日は2025年12月26日と明記されています。いま(2025年12月16日)時点なら、まだ間に合います。

現在の楽天の株価だと100株の購入金額は95000円程度です。
注意:株の購入は価格変動リスクがあります。ここは投資判断になるので、無理のない範囲が前提です。
楽天モバイルの優待SIMが届いたら、開通して主回線にする
第29期の優待は、まず6か月無料で、条件を満たすと追加6か月無料(合計最大1年)です。追加6か月の条件は「2025年12月末と2026年6月末の株主名簿に、同一株主番号で100株以上」と明記されています。
povoを新規契約し、MNPで今の電話番号をpovoに移す
povoは、電話番号の引き継ぎ(MNP)がオンラインでできると案内されています。そこで、既存番号をpovoにMNPすると、今までの電話番号のまま、KDDI(au)回線で通話・SMSができます。

まずは、povoの公式サイトでご確認ください。
デュアルSIMの具体的な構成(おすすめ)
今回の想定した「現実的で運用しやすい」構成はこれです。
・楽天モバイル(株主優待SIM)=物理SIM(nano-SIM)
・povo=eSIM

iPhone SE3なら、この組み合わせが技術仕様として可能です。また今どきのスマホはほとんどがデュアルSIM対応ですので他の機種でもたぶん大丈夫です。
ただし、「物理SIM+eSIM」なのか「eSIM+eSIM」なのかは、ご自身のスマホの状況を確認してください。
※新しいiPhoneを購入すると「eSIM+eSIM」つまりeSIMが2枚ということになります。必ずご自身のスマホのSIM設定を確認しておいてください。
重要ポイント:通話をどう使い分けるか
1)通話料を最安にしたい場合
楽天側で「Rakuten Link Office」アプリを使うと、国内通話・国内SMSが無料になります(0570など一部対象外あり)。
ただし注意点があります。一般的に、Rakuten Link(Office含む)からの発信は「楽天モバイル側の番号」で相手に表示されます。
つまり、相手から見る発信番号が「これまでの番号(povoへMNPした番号)」ではないということになります。これが許容できるのなら、この方法が最安です。
なお、受信する番号はこれまでとおりの電話番号でOKです。2つの電話番号を1つのスマホで使えるのがデュアルSIMのよいところですね。
さて、発信番号を変えたくない場合は、次の2)をご覧ください。
2)発信番号を変えたくない場合
発信はpovo回線から行います。povoには「通話かけ放題(月額1,650円)」が公式に用意されています。通話が多い人は、ここを付けると安心です。

データ通信は楽天の30GBを活かす
楽天株主優待は「月30GB」の枠が前提で、超過後は速度制御(最大200kbps)になる旨が案内されています。「月30GB」という通信容量は普通の使い方ならまず十分でしょう。私は家や事務所ではWi-Fi接続していることもありますので月の通信量がせいぜい5GBくらいです。多い月でも10GBを超えたことがありません。
なので普段のデータ通信は楽天を使い、povoは「もしもの保険」として持つ、が基本形になります。
povoは最低限の課金で維持する(180日ルールに注意)
povoは基本料0円ですが、180日以上有料トッピング購入などがない場合、利用停止・契約解除となることがあると明記されています。そのため、最低限の課金を入れて維持するのが安全です。
あなたの作戦:
・半年に一度、ローソン買物券500円分つきのトッピングを購入(名目としては0.3GBの通信量を購入ということです)
この方針は「忘れにくいし、実質的に使い道がある」ので、継続しやすいと思います。
月額はいくらになるのか(現実的な着地)
パターンA:通話は楽天Link Office中心(番号が変わってもOK)
・povo維持:半年に1回 500円(年1000円)
・月あたり換算:約83.3円
パターンB:発信番号を変えたくない、通話も多い(おすすめがこれ)
・povoの通話かけ放題:月1,650円
・データ通信:楽天株主優待の30GBを使う
→だいたい月額1,650円で運用、が狙えます(優待が有効な期間中)
株主優待が切れたらどうするか(ここも最初に決めておく)

夢のある楽天の株主優待ですが、今回の優待は「最大1年」です。期限が近づいたら再検討が必要です。
考え方はシンプルです。
・もし優待が翌年も続いたらラッキー(ただし将来の継続は保証されません)
・優待が終わったら、楽天最強プランへ移行する
楽天最強プランは、データ3GBまで月1,078円(税込)という案内があります(割引条件によって変動あり)。なので「優待が終わっても、いきなり高額に戻りにくい」逃げ道を作れます。
また、データ通信をそれほど使わないということなら楽天モバイルをそのときに辞めるという選択肢もあります。povoだけでデータ通信をトッピング購入して単独SIMにして運用することも可能です。
まとめ:auユーザーの「高いけど安心」を、もっと賢い形に組み替える
この運用のポイントは、
・電話番号はpovoへMNPして、KDDI回線の安心を残す
・データ通信は楽天株主優待の30GBを活かして、料金を下げる
・デュアルSIMで、つながりやすさも広げる
・優待は最大1年なので、切れる前に次の手を決める
という、現実的な設計にできることです。
通信料が月額1万円以上、家族を合わせると月間5万円以上という方もいらっしゃいます。高額な通信料金を支払っているという方は、見直しのチャンスですね。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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