「フリガナが抜けていますので、再提出をお願いします。」
そんな指摘を受けて、「えっ!?ちゃんと書いたつもりなのに…」と驚いたこと、ありませんか?
当社は、株式会社ドモドモコーポレーションといいますが、社名がカタカナなのでフリガナをつけ忘れることがあります。今回は日本年金機構への社会保険料引落に関する資料なので明確に正しく記入することが求められます。なので、フリガナ記入が抜けていたのは明らかに当社のうっかりミスです。
さて、再提出でフリガナをつけるさいに「株式会社」のフリガナをどうするか、ちょっとこれ疑問を持ちました。「カブシキガイシャ」or「カブシキカイシャ」のどっちが正しいのでしょうか?また「カブ」という省略形や、銀行振込で使われる表示の「カ)」ではだめなのでしょうか?
調べてみると、この問題は「どっちの読み方が正しいか」という国語の話ではなく、「どの書類に書くのか」で正解が変わるという実務の話でした。しかも、公的書類・銀行振込・登記申請書では、それぞれまったく別のルールが動いています。今回はそのあたりまで踏み込んで整理しておきます。
- 「カブシキガイシャ」 vs 「カブシキカイシャ」 – どっちが正解?
- 会社設立のときに決めておきたい「読み方」の話
- さて具体的にはどうしたか?
- 株式会社のふりがなについてのFAQ
- Q1. 銀行振込で、相手の会社名のふりがなを間違えてしまいました。振込はきちんと行われるのでしょうか?
- Q2. 契約書を作成する際、相手方法人のふりがなを間違えてしまいました。法的な効力に影響はありますか?
- Q3. 「合同会社」や「一般社団法人」など、株式会社以外の法人の場合はどうすればよいですか?
- Q4. 法人登記の際に、商号の「ふりがな」も登記できるのでしょうか?
- Q5. 弊社内で請求書のフォーマットを統一したいです。ふりがな欄はどのように記載しておくのが最も無難ですか?
- Q6. 自社の口座名義カナが何になっているか、どこで確認できますか?
- Q7. 補助金・助成金の申請書でフリガナを間違えると不採択になりますか?
「カブシキガイシャ」 vs 「カブシキカイシャ」 – どっちが正解?
今回は、「株式会社のフリガナ問題」について調べましたので紹介しておきます。
結論から言うと、どちらもOK!
・カブシキガイシャ ✅(一般的に多く使われる)
・カブシキカイシャ ✅(発音の違いで使う人もいる)
法律のどこを探しても「株式会社の読み方はこう」と定めた条文はありません。会社法にも商業登記法にも読み方の規定はなく、要するにどちらで読んでも法的には間違いではないということです。
なぜ2つの読み方が生まれたのか(連濁というルール)
日本語には「連濁(れんだく)」という現象があります。2つの語がくっついて1語になるとき、後ろの語の頭が濁る現象のことです。「て+かみ→てがみ(手紙)」「ひと+ひと→ひとびと(人々)」などがそれにあたります。
「株式+会社」も同じで、連濁すれば「カブシキガイシャ」になります。日常会話ではこちらが圧倒的に多いはずです。一方で、「会社」という語をそのままの形で残したい、あるいは公式な場面ではっきり区切って読みたいという意識が働くと「カブシキカイシャ」になります。
放送や公的機関のアナウンスでは「カブシキガイシャ」が使われることが多く、辞書でも「かぶしきがいしゃ」が見出し語になっているものが一般的です。ただし「かぶしきかいしゃ」を併記している辞書もあり、どちらかが誤りだと断じている資料は見つかりません。つまり、読み方としては両方生きている、というのが実態です。
【重要】よくある勘違い:法人番号公表サイトのフリガナには「株式会社」が入っていません
ここは当社が最初に調べたときに誤解していたところなので、はっきり書いておきます。
「国税庁の法人番号公表サイトを見れば、どちらの表記が多いか分かるのでは?」と考える人は多いと思います。実際、当社も最初はそう考えました。ところが、法人番号公表サイトに登録されているフリガナには、そもそも「株式会社」の部分が含まれていません。
法務省の案内には、登記申請書のフリガナ欄について次のように明記されています。
法人の種類を表す部分(「株式会社」、「一般社団法人」など)を除いて、片仮名で、スペースを空けずに詰めて記載してください。
つまり「清水株式会社」なら「シミズ」、「株式会社ドモドモコーポレーション」なら「ドモドモコーポレーション」が登録されるフリガナです。「カブシキガイシャ」も「カブシキカイシャ」も、公表サイトのデータには最初から存在しないわけです。
したがって、「公表サイトでは◯%がカブシキガイシャ」といった統計は、原理的に取りようがありません。ネット上にはそうした数字を挙げている記事も見かけますが、出典をたどれるものは確認できませんでした。数字の根拠がない主張は鵜呑みにしない、というのはこの手の調べ物の基本ですね。当社の以前の記述もこの点を修正しています。
では実務上どちらを選ぶべきか。当社の結論は「迷ったら『カブシキガイシャ』」です。理由はデータではなく、次の2点です。
・放送・辞書・公的機関の読み上げで一般的に使われているのが「カブシキガイシャ」であること
・窓口担当者がざっと目視で確認するとき、見慣れた表記のほうが引っかかりにくいこと
要は「正しさ」ではなく「摩擦の少なさ」で選ぶ、という判断です。
「カブ」や「カ)」はダメなの?
ダメです!🙅♂️
・「カブ」 ❌(略しすぎ!)
・「カ)」 ❌(銀行振込の時はOKだけど、公的書類ではNG)
公的書類では、正式なフリガナが求められるので、省略形は使えません。
株式会社のフリガナを「カブ」とか「カ)」などの省略形にするのはやめましょう。
役所や年金機構に提出する書類のフリガナ欄は「読み方を明示するための欄」です。「カ)」は読み方ではなく、後述する銀行システム上の表記コードなので、そもそも役割が違います。「カブ」に至っては読みとしても中途半端で、何のメリットもありません。
ただし銀行振込では「カ)」こそが正解になります
ここが面白いところで、同じ「株式会社」でも、銀行振込の口座名義カナでは「カブシキガイシャ」と書くほうが不正解になりかねません。
銀行の口座名義カナは、全国銀行協会が定めた全銀システムの文字ルールに従います。ここには次のような制約があります。
- 使える文字が限られる:半角カタカナ、数字、英大文字、一部の記号(()ー.,など)のみ。漢字・ひらがな・小文字は不可
- 拗音・促音は大文字にする:「ャ」→「ヤ」、「ッ」→「ツ」。つまり「カブシキガイシヤ」と書くのが正しい形になります
- 文字数に上限がある:一般に半角30文字程度(金融機関により異なる)
- 法人格は略号+カッコで表す:株式会社=「カ」、有限会社=「ユ」、合同会社=「ド」、合名会社=「メ」、合資会社=「シ」、相互会社=「ソ」、医療法人=「イ」、学校法人=「ガク」など
カッコの向きは、前株か後株かで変わります。
- 前株(株式会社◯◯)→ カ)ヤマモトシヨウジ
- 後株(◯◯株式会社)→ ヤマモトシヨウジ(カ
- 中株(◯◯株式会社△△支店)→ ヤマモトシヨウジ(カ)△△
当社「株式会社ドモドモコーポレーション」なら、口座名義カナは「カ)ドモドモコーポレーシヨン」となります。「ション」の「ョ」が「ヨ」になる点に注意してください。
なぜこんなルールなのか。全銀システムは半角カナベースで動いており、1件あたりの文字数枠が決まっているためです。「カブシキガイシヤ」と8文字も使ってしまうと、社名が長い法人は枠に収まりません。だから「カ)」という2文字で圧縮しているわけです。省略形は手抜きではなく、システム要件なんですね。
なお、振込側が名義カナを多少間違えても着金すること自体は多いのですが、これは後述のFAQで詳しく触れます。
「何も書かない」のはアリ?
これもNG!
フリガナ欄があるのに空欄だと、「記入漏れ」として扱われてしまいます。
再提出になるのはもったいないので、ちゃんと書きましょう!
なので
株式会社ドモドモコーポレーションのフリガナを
ドモドモコーポレーション
として記入すると、株式会社の部分のフリガナがないためNGとされる可能性が高いです。
ややこしいのは、登記申請書のフリガナ欄では逆に「ドモドモコーポレーション」が正解だという点です。前述のとおり、登記申請書のフリガナ欄は法人種別を除いて記載するルールだからです。同じ「フリガナ欄」でも、書類によって求められるものが真逆になります。
だからこそ、「株式会社のフリガナはこれが正解」と一律に覚えるのではなく、提出先ごとに切り替えるという発想を持っておくのが安全です。
提出先別・株式会社のフリガナ早見表
当社が調べた範囲を、実務で使いやすい形にまとめておきます。
| 提出先・場面 | 「株式会社」の書き方 | 備考 |
|---|---|---|
| 年金事務所・日本年金機構への届出 | カブシキガイシャ(カブシキカイシャも可) | フルで書く。空欄は記入漏れ扱い |
| 税務署・自治体への申請書 | カブシキガイシャ | 同上。省略形は避ける |
| 助成金・補助金の申請書 | カブシキガイシャ | 形式審査で差し戻されやすいので特に注意 |
| 登記申請書のフリガナ欄 | 書かない | 法人種別を除いた社名部分のみをカタカナで記載 |
| 銀行振込・口座名義カナ | カ)(前株)/(カ(後株) | 半角カナ・拗音は大文字 |
| 請求書・見積書の宛名 | 原則ふりがな不要 | 正式商号を漢字で正確に。(株)の略記も避けたい |
| 名刺・封筒・ゴム印 | ふりがな不要 | 読み間違いが多い社名ならローマ字併記が有効 |
この表の中で特に事故が起きやすいのが助成金・補助金の申請です。事務局は形式要件を機械的にチェックするため、フリガナの空欄ひとつで差し戻しになります。締切ぎりぎりの提出で差し戻されると致命的なので、提出前チェックリストに「フリガナ欄の記入漏れ」を必ず入れておきましょう。
最適なフリガナの書き方は?
ずばり、今回の例ならば「株式会社ドモドモコーポレーション」のフリガナは「カブシキガイシャドモドモコーポレーション」と書けば間違いなしです。
「カブシキカイシャ」でも受理される可能性は高いと思いますが、再提出のリスクを減らしたいなら「カブシキガイシャ」がオススメです。
つまり
✅ フリガナは「カブシキガイシャ」or「カブシキカイシャ」(迷ったら前者)
✅ 「カブ」や「カ)」はNG!
✅ 空欄もダメ!ちゃんと記入しよう
✅ ただし銀行の口座名義カナだけは「カ)」が正解
✅ 登記申請書のフリガナ欄は「株式会社」を書かない
些細な違いですが、書類の再提出は手間がかかるもの。
スムーズに手続きを終わらせるために、正しいフリガナを意識して書きましょう! 😊
今回の調査ではPerplexityを使いました。
興味があるようでしたら上記のリンクを確認してください。なお、AI検索は取っかかりとしては非常に優秀ですが、今回の「法人番号公表サイトの◯%」のように、もっともらしい数字が出典なしで出てくることがあります。公的な手続きに関わる話は、最終的に法務省・国税庁・全国銀行協会など一次情報にあたって確認する。この一手間はやはり省けません。
会社設立のときに決めておきたい「読み方」の話
今回の件で改めて感じたのは、社名の「読み方」は設立時に決めておくべき経営情報のひとつだということです。
登記申請書のフリガナは登記事項ではありません
2018年(平成30年)3月12日から、商業・法人登記の申請書に法人名のフリガナ欄が追加されました。ただしここは誤解が多いところで、このフリガナは登記事項ではありません。登記事項証明書(登記簿謄本)にフリガナは表示されず、国税庁の法人番号公表サイトを通じて公表される仕組みです(公表開始は2018年4月2日以降順次)。
そして繰り返しになりますが、ここに登録するフリガナは法人種別を除いた部分のみです。「株式会社」のフリガナをどうするか、という悩みは、実は登記の世界には存在しないわけですね。
もしフリガナを誤って登録してしまった場合や、そもそも登録していなかった場合は、「法人名の振り仮名に関する申出書」を管轄の法務局に提出すればいつでも登録・修正できます。登記の変更登記とは違い、登録免許税もかかりません。自社の登録内容が気になる方は、法人番号公表サイトで自社名を検索して確認してみてください。数十秒で終わります。
読み方が決まっていないと、あとから地味に効いてくる
社名の読み方が社内で統一されていないと、次のような場面でじわじわ効いてきます。
- 銀行口座の名義:口座開設時に登録した名義カナが、その後の振込・口座振替すべての基準になる
- 請求書・見積書:クラウド請求書サービスに登録した取引先名義がそのまま振込データに流れる
- 電子契約:契約書の署名者情報や当事者表記のゆれがトラブルのもとになる
- 名刺・封筒・ゴム印・角印:読み仮名を入れるかどうかで、初対面での呼ばれ方が変わる
- Webサイト・検索対策:社名をカタカナで検索されたときにヒットするかどうかに直結する
特にカタカナ社名や造語の社名は、読み方が一意に決まらないことが多いものです。当社「ドモドモコーポレーション」も、初見では読み方に迷う社名だと自覚しています。これから会社を設立する方は、定款・登記申請書・銀行口座・請求書テンプレート・名刺の5点セットで読み方を揃えておくと、後々の手間がかなり減ります。
会社設立の手続き自体は、freee会社設立やマネーフォワード クラウド会社設立といった無料の設立支援サービスを使えば、定款作成から法人口座開設の申込みまで一気通貫で進められます。当社が設立したころに比べると、このあたりは本当に楽になりました。設立と同時にゴム印・角印・名刺の発注まで済ませてしまうと、フリガナ表記のゆれも起きにくくなります。
さて具体的にはどうしたか?
今回は「カブシキカイシャ」と書いて出してみます。
これで通れば「カブシキガイシャ」or「カブシキカイシャ」のどちらでもよいことが自信をもって証明できますからね。けっこう天邪鬼な自分がここにいました。(笑)

【追記】結果はどうだったか
気になる結末を書いておきます。結論から言うと、「カブシキカイシャ」で問題なく受理されました。差し戻しも問い合わせもなく、社会保険料の口座振替はそのまま設定完了。実地検証としては、これで「どちらでもよい」がひとまず裏付けられた形です。
もっとも、これはn=1の体験談にすぎません。窓口や担当者によって判断が分かれる可能性は残りますし、リスクを取る理由もありません。冒頭に書いたとおり、迷ったら「カブシキガイシャ」という結論は変えないでおきます。当社は天邪鬼なので実験してしまいましたが、みなさんは無難な選択をどうぞ。(笑)
これで私も「フリガナマスター」かな(笑)
次回の書類提出の機会があればバッチリ一発で通るようにしたいと思います。
株式会社のふりがなについてのFAQ
Q1. 銀行振込で、相手の会社名のふりがなを間違えてしまいました。振込はきちんと行われるのでしょうか?
A1. 多くの金融機関では、口座名義のふりがなが多少違っていても、「金融機関名」「支店名」「口座種別」「口座番号」が正確に一致していれば、正常に振り込まれることがほとんどです。
ただし、金融機関のシステムによっては、ふりがなの不一致が原因でエラーとなったり、振込が遅れたりする可能性もゼロではありません。特に、相手先の会社名が一般的な名称で同名他社が多い場合などは注意が必要です。
また、2024年以降は振込詐欺対策として口座名義の照合を強化する金融機関が増えており、名義相違でいったん保留になるケースも聞かれます。「カ)」を「カブシキガイシヤ」とフルで書いてしまったようなケースは、文字数超過でそもそも入力できないこともあります。
最も確実なのは、相手方が指定する通りの正確なふりがなで振り込むことです。もし間違えてしまった場合は、念のためご利用の金融機関や振込先に確認するとより安心です。組戻し(振込の取消)には手数料がかかるうえ、受取人の同意が必要になるため、そもそも間違えないのが一番です。
Q2. 契約書を作成する際、相手方法人のふりがなを間違えてしまいました。法的な効力に影響はありますか?
A2. ふりがなを間違えたことだけで、直ちに契約が無効になる可能性は極めて低いです。
契約において最も重要なのは、「どの法人との契約か」が客観的に特定できることです。正式な商号(漢字表記など)が正しく記載されていれば、当事者の特定は可能と判断されるため、ふりがなの軽微な誤りは問題にならないことがほとんどです。
ただし、トラブルを未然に防ぐ観点からは、気づいた時点で二重線と訂正印で修正するか、可能であれば覚書を交わすなど、双方の合意の上で訂正しておくことが望ましいでしょう。クラウドサインなどの電子契約サービスを使っている場合は、押印訂正ができないため、締結前の当事者名の確認がより重要になります。送信前チェックの習慣をつけておきたいところです。
Q3. 「合同会社」や「一般社団法人」など、株式会社以外の法人の場合はどうすればよいですか?
A3. 「合同会社(ゴウドウガイシャ)」「一般社団法人(イッパンシャダンホウジン)」など、株式会社以外の法人格の場合も、考え方は基本的に同じです。
法的に統一された「ふりがなのルール」は存在しません。したがって、銀行振込であれば金融機関のルール、請求書や領収書であれば取引先のルールに従うのが原則となります。
銀行の口座名義カナでの略号は決まっており、合同会社は「ド」、有限会社は「ユ」、合名会社は「メ」、合資会社は「シ」、医療法人は「イ」、学校法人は「ガク」を使います。前株なら「ド)◯◯」、後株なら「◯◯(ド」という形です。
略称を用いる場合も、「(同)」「(シャ)」など様々なケースが考えられますので、相手方に直接確認するのが最も確実で丁寧な方法です。
Q4. 法人登記の際に、商号の「ふりがな」も登記できるのでしょうか?
A4. ここは表現に注意が必要です。2018年(平成30年)3月12日から、商業・法人登記の申請書にフリガナ欄が追加されましたが、これは登記事項ではありません。登記事項証明書(登記簿謄本)にフリガナは表示されず、国税庁の法人番号公表サイトを通じて公表される、という仕組みです。
また、この欄に記載するフリガナは「株式会社」などの法人種別を除いた部分のみです。「株式会社ドモドモコーポレーション」なら「ドモドモコーポレーション」と記載します。
登録内容の修正はいつでも可能で、「法人名の振り仮名に関する申出書」を管轄法務局に提出すれば再登録できます。フリガナを登録していない法人もまだ多く存在しますので、この機会に自社の登録状況を確認しておくとよいでしょう。
Q5. 弊社内で請求書のフォーマットを統一したいです。ふりがな欄はどのように記載しておくのが最も無難ですか?
A5. 社内でフォーマットを統一する場合、特定の表記(例:「カブシキガイシャ」)に固定するのではなく、柔軟に対応できる形式にしておくことをお勧めします。
具体的には、以下のような方法が考えられます。
- ふりがな欄を空欄にしておく: 取引先ごとに、都度ヒアリングして手入力または手書きする。
- 相手方の正式名称を記載する欄を設ける: 請求書の宛名欄とは別に、「振込先名義(フリガナ)」といった項目を設け、相手方に確認した正式なふりがなを記載できるようにする。
このように、相手方の指定に合わせることを前提としたフォーマットにしておくことで、手戻りや確認の手間を減らすことができます。
なお、マネーフォワード クラウド請求書やfreee、バクラクなどのクラウド請求書サービスを使っている場合は、取引先マスタに口座名義カナを登録できる項目があります。ここを最初に正しく登録しておけば、以後の振込データに自動で反映されるため、担当者が変わっても表記がぶれません。地味ですが、バックオフィスの事故を減らす効果は大きいです。
Q6. 自社の口座名義カナが何になっているか、どこで確認できますか?
A6. 最も確実なのは通帳の1〜2ページ目の名義表記、またはネットバンキングにログインして表示される口座名義です。通帳レスのネット銀行の場合は、管理画面の口座情報ページに半角カナで表示されています。
請求書に振込先を記載するときは、この表示をそのままコピーするのが安全です。「カブシキガイシヤ」と丁寧に書き直したりせず、銀行が表示している文字列をそのまま使うのが、相手方に余計な判断をさせないコツです。
Q7. 補助金・助成金の申請書でフリガナを間違えると不採択になりますか?
A7. フリガナの表記ゆれ(「ガイシャ」か「カイシャ」か)が理由で不採択になることは、まず考えられません。審査は事業計画の内容で行われます。
一方で、フリガナ欄の空欄は形式不備として差し戻しの対象になり得ます。補助金申請では締切が厳格に運用されるため、差し戻しのタイミングによっては受付そのものが間に合わなくなります。加えて、振込口座の名義カナと申請書の法人名が一致しないと、採択後の交付手続きで確認が入ることがあります。
申請前に、(1)フリガナ欄の記入漏れ、(2)商号の漢字表記が登記どおりか、(3)振込先口座名義が申請法人名義になっているか、の3点はセルフチェックしておきましょう。
地銀からネット銀行へ移行中
北國銀行の口座を廃止する予定です
そもそもこの手続きは、メインバンクを変更するという意思決定をしたことから、すべての決済を移行していることに関係があります。もともと決済用として利用していた銀行は地元石川県の北國銀行でしたが、2025年7月から月額手数料が5500円かかることになりました。年額だと66000円になります。

当社は、法人として北國銀行の口座がありましたが、単に入金と支払いとするだけの決済口座でした。これまで融資を受けたこともないし、これから当行から融資を受ける予定もありません。年額66000円の負担は大きすぎますので、この機会にすっぱりと北國銀行との法人取引をやめることにしました。
(個人としてではなく法人としての決断です)
年額66,000円という金額は、売上規模によっては誤差かもしれません。しかし当社のように融資取引のない小規模法人にとっては、「何のために払っているのか説明できないコスト」です。中小企業の経営では、こういう固定費をひとつずつ点検していく作業がじわじわ効いてきます。金融機関との関係を維持する価値(融資枠、地元での信用、担当者からの情報)と、支払うコストを天秤にかけて判断する。今回はコストが明確に上回った、という話です。
今後、当社はネット銀行をメインにします
ということで、6月までにはすべての手続を終えて、7月からはネット銀行のみの運営になります。
振込の受付は
・GMOあおぞらネット銀行
・PayPay銀行
として請求書に口座番号を記すことにしました。
また念のため、
・住信SBIネット銀行
の口座も開設しました。こちらは主に資産管理用にするつもりです。
なお、社会保険料の引き落としが可能なネット銀行(法人契約)は、今のところ「GMOあおぞらネット銀行」しかありません。他のネットバンクでも扱いできるようになってほしいものです。
関係各位>よろしくおねがいします。
【2026年9月追記】その後の状況とネット銀行の変化
この記事を書いてから1年半ほど経ちましたので、状況をアップデートしておきます。
まず住信SBIネット銀行は、2026年6月1日から日本年金機構が取り扱う社会保険料・国民年金保険料の口座振替受付を開始しました。記事執筆時点では「GMOあおぞらネット銀行しかない」と書きましたが、選択肢は広がりつつあります。ネット銀行の法人口座を検討している方は、最新の対応状況を各行の公式サイトで確認してください。
そしてもうひとつ、この記事のテーマにぴったりの出来事がありました。その住信SBIネット銀行が、2026年8月3日付で「株式会社ドコモSMTBネット銀行」に商号変更したのです。
お気づきでしょうか。「住信SBIネット銀行株式会社」(後株)から「株式会社ドコモSMTBネット銀行」(前株)へ、法人格の位置まで変わっています。ということは、口座名義カナも「スミシンエスビ-アイネツトギンコウ(カ」から「カ)ドコモエスエムテイ-ビ-ネツトギンコウ」のように、まるごと変わることになります。
こうした商号変更があると、
- 請求書テンプレートの振込先表記
- 会計ソフトに登録した口座名・取引先マスタ
- 取引先に渡している支払口座の案内
- 自動振替・自動入金の設定先名称
といったものを一斉に見直す必要が出てきます。フリガナや名義カナの話は、決して「細かいこと」ではないのだと、身をもって実感した次第です。当社も請求書テンプレートを差し替えました。
ネット銀行を法人のメインにするときのチェックポイント
当社の移行経験から、法人口座をネット銀行に寄せる際に確認しておきたい点を挙げておきます。これから乗り換えを検討する方の参考になれば幸いです。
- 口座維持手数料の有無:ここが今回の移行の出発点でした。無料が当たり前ではなくなっています
- 振込手数料:件数が多い事業ほど効いてきます。同行間無料の有無も確認
- 社会保険料・税金の口座振替対応:ネット銀行は対応行が限られます。ここは事前確認必須
- ペイジー(Pay-easy)対応:法人税・消費税の納付で使います
- 会計ソフトとのAPI連携:マネーフォワード クラウドやfreee会計との連携可否で、記帳の手間が大きく変わります
- 複数人での利用可否:経理担当者に閲覧権限だけ付与できるか
- 融資・ビジネスローンの選択肢:将来資金調達を考えるなら、ネット銀行だけに寄せてよいかは要検討
特に最後の項目は、中小企業診断士として付け加えておきたいポイントです。当社のように融資を使わない前提の会社であればコスト最優先で問題ありませんが、設備投資や運転資金の調達を視野に入れている会社は、地銀・信金との関係を完全に切ってしまうと、いざというときの選択肢が狭まります。コスト削減と資金調達の備え、どちらを優先するかは会社のステージ次第です。
フリガナの話から始まって銀行の話まで来てしまいましたが、どちらも「小さいけれど、間違えると手戻りが大きい」という点では共通しています。バックオフィスの地味な整備が、結局いちばん効くんですよね。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
会社概要およびプロフィールは株式会社ドモドモコーポレーションの会社案内にて紹介していますので興味ある方はご覧ください。
お問い合わせは電話ではなくお問い合わせフォームからメールにておねがいします。新規の電話番号からの電話は受信しないことにしていますのでご了承ください。

【反応していただけると喜びます(笑)】
記事内容が役にたったとか共感したとかで、なにか反応をしたいという場合はTwitterやフェイスブックなどのSNSで反応いただけるとうれしいです。
本日の段階で当サイトのブログ記事数は 7,211 件になりました。できるだけ毎日更新しようとしています。
遠田幹雄が利用しているSNSは以下のとおりです。
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また、投げ銭システムも用意しましたのでお気持ちがあればクレジット決済などでもお支払いいただけます。
※投げ銭はスクエアの「寄付」というシステムに変更しています(2025年1月6日)
※投げ銭は100円からOKです。シャレですので笑ってご支援いただけるとうれしいです(笑)
株式会社ドモドモコーポレーション
石川県かほく市木津ロ64-1 〒929-1171
電話 076-285-8058(通常はFAXになっています)
IP電話:050-3578-5060(留守録あり)
問合→メールフォームからお願いします
法人番号 9220001017731
適格請求書(インボイス)番号 T9220001017731
英語表示の社名:DomoDomo Corporation Inc.


