通販サイトにアクセスしてくれた人は、全員が商品を買ってくれません。ですが、統計的にある一定数の購入があることがわかっています。
ここでは、通販サイトの訪問者1人(1セッション)が約100円であることを紹介したうえで、その指標を念頭にアクセス増加対策についての考え方を説明します。
ECサイト運営者必見!「1セッション=100円」で通販サイトの効果を見える化
アクセスの“質”を測る重要な視点
通販サイトの成功には、単にアクセス数を増やすだけではなく、1回のアクセス(セッション)がどれだけ売上に貢献しているかを把握することが重要です。
セッションとはサイトに訪問し複数ページを閲覧し最終的に離脱するまでの一連の流れを表したものです。1セッションは1人の訪問者のこと、というようにとらえてもらうとわかりやすいです。
その指標として注目されているのが、「1セッション=100円」という考え方。誰でも簡単に売上の見込みや改善効果を想定できる、実践的な目安です。
「1セッション=100円」はどこから来たのか?
売上は以下の計算式で求められます:
売上 = セッション数 × コンバージョン率(CVR) × 客単価
これを変形すると:
1セッションあたりの売上 = CVR × 客単価
仮に、1万セッションある通販サイトの売上が100万円で転換率が1%だとしたら、1セッション=100円という計算になります。
つまり「1セッション=100円」は、CVRと客単価の掛け合わせを基にした、おおよその目標数値です。
成功事例から学ぶ:北欧、暮らしの道具店のケース
「北欧、暮らしの道具店」は、コンテンツ重視で成功しているECサイトの代表格です。

当ブログでも過去に「北欧暮らしの道具店」のビジネスモデルについて紹介したことがあります。

「北欧暮らしの道具店」を運営している「クラシコム」は上場しているので、ある程度詳細な数字を調べることができます。直近は、およそ以下のような数字でした。
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年間売上:約66億円(2024年)
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月間アクセス:約1,600万PV
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平均ページビュー:1セッションあたり約2.5ページ
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月間セッション数:約640万回
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年間セッション数:約7,680万回
ここから試算すると:
1セッションあたりの売上 ≒ 86円
このことから、「1セッション=100円」という基準が、実力ある企業と比較しても現実的な目標であることがわかります。
また、私は複数の通販サイト運営企業のアクセス解析を見ていますが、およそ1セッションあたり100円というのは妥当だと感じています。
つまり、売上を増やすにはセッション数を増やすこと。アクセス数を増やすこと。
…ということがわかりやすい指標なんですね。
成果につなげるための3つの重点対策
CVR(コンバージョン率)改善:購入のハードルを下げる
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ランディングページの改善:第一印象で離脱させないデザインと構成。商品の魅力をビジュアルと文章で的確に伝えましょう。
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フォームの簡素化:入力項目が多すぎると離脱率が上がります。必須項目だけに絞る工夫を。
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レビューやお客様の声:ユーザーの信頼を高める素材はCVRに直結。テキストだけでなく動画やSNS投稿の引用も有効です。
コンテンツマーケティング:訪問者の関心を育て、再訪問へ導く
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商品を使うシーンの提案:使い方や暮らしの中での活用事例を紹介することで、具体的なイメージを与えます。
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比較・ランキング記事の作成:類似商品の違いや選び方を丁寧に解説することで、購入の決断を後押し。
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定期的な情報発信:ブログやメールマガジンを使い、定期的に役立つ情報を発信することで関係性を継続。
SNSと広告の連携:接点を増やし、認知を拡大
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インスタグラム・Pinterestの活用:ビジュアルに強い商品はSNSでのシェアと相性が良く、リーチ拡大に効果的。
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広告効果の検証:Google広告やSNS広告のクリック率やコンバージョンを細かく分析し、クリエイティブやターゲティングを最適化。
🔍 アクセス解析による運用の精度向上
効果的なECサイト運用には、感覚ではなく「データに基づいた判断」が欠かせません。Google Analytics(GA4)などの解析ツールを使って、以下のようなポイントを常にモニタリングしましょう。
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どの流入経路がCVRに貢献しているか
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直帰率や離脱率が高いページはどこか
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特定のデバイスや時間帯でのパフォーマンスの違い
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検索キーワードや流入元ごとの客単価の違い
これらのデータをもとに施策を立て、PDCA(計画→実行→評価→改善)を回すことが、成果を生み出すEC運営の要となります。
まとめ:1セッション=100円を目安に成長を描きましょう
ECサイト運営における「1セッション=100円」という基準は、売上目標を具体的にし、施策の優先順位を明確にする有効な手段です。
北欧、暮らしの道具店のような事例を参考にしつつ、自社の状況に応じた施策を実行し、アクセス解析ツールを活用して効果を確認していくことが、着実な成長につながります。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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