日々のSEO対策、もちろんGoogleを最優先で取り組んでいることと思います。しかし、「最近、サイトへの流入が頭打ちになっている」「広告費をかけているのに、売上が思うように伸びない」といった課題を感じているなら、その原因は”Googleの外”、つまり検索エンジン市場そのものの地殻変動にあるのかもしれません。
この記事では、生成AIの台頭によって激変する検索環境の「今」を正確に読み解き、なぜ「Bing対策」がこれからのECサイト運営に必須なのか、具体的なアクションプランと共に徹底解説します。
検索エンジンを取り巻く状況が大きく変化しています
【現状分析】検索エンジンシェアに起きている”静かな革命”
長年、「検索エンジン=Google」という常識がありましたが、その牙城が少しずつ揺らぎ始めています。最新の市場データは、私たちECサイト運営者が見過ごすことのできない重要な変化を示しています。
Googleのシェアは緩やかに低下、Bingは着実に上昇 📉📈

ウェブ解析ツール「StatCounter」の最新データ(2024年1月~2024年7月)によると、特にPCの検索エンジン市場において、Googleのシェアが低下傾向にある一方で、MicrosoftのBingが着実に存在感を増しています。
日本のデスクトップ市場: Googleが約75%を占める一方、Bingは約16%のシェアを獲得しています。これは決して無視できない数字であり、PC経由の購入が多いECサイトにとって重要な市場です。
今でもBingよりYahooのほうが多い、と思っていたら、それは現実を見ていないということになります。
世界のデスクトップ市場: Googleのシェアが80%を割り込む中、Bingは10%以上のシェアを維持し、安定した第2位の地位を確立しています。
これは単なる一時的な現象ではありません。ユーザーの検索行動が、Google一強の時代から多様化し始めている明確な証拠です。この変化の波に乗り遅れることは、貴重な見込み顧客を毎月10%以上も取りこぼしていることを意味します。
ちなみにGoogle検索からの流入が減少している利用は「ゼロクリック検索」もあります。

ゼロクリック検索については上記の記事をご覧になってください。
なぜ今、Bing対策がこれほど重要なのか?
このシェア変動の背景には、ECサイト運営者が無視できない2つの大きな要因があります。
理由1:生成AIの普及(Copilot / ChatGPT)
最大の理由は、Microsoftの「Copilot(旧Bingチャット)」やOpenAIの「ChatGPT」といった生成AIの爆発的な普及です。多くのユーザーが、従来のキーワード検索ではなく、AIと対話するように情報収集や商品比較を行っています。
<ユーザーのAI利用例>
「30代女性向けの、オフィスにも使えるきれいめなトートバッグは?」
「ヴィンテージの照明器具がおしゃれなECサイトを5つ教えて」
「この商品のURLを伝えて、もっと安く買えるサイトがないか探して」
こうした質問に対し、AIはWebの最新情報を検索して最適な答えを生成します。そして、CopilotやChatGPT(有料版)が参照している検索エンジンこそが「Bing」なのです。
つまり、お客様がAIに投げかけた質問の答えに、あなたのサイトや商品が引用されるかどうかは、Bingにどれだけ評価されているかにかかっています。これは、SEO経由とは全く異なる新しい集客チャネルが生まれ、その入り口がBingになっていることを意味します。
理由2:新たな優良顧客層へのアプローチ
BingはWindows PCの標準ブラウザ「Microsoft Edge」のデフォルト検索エンジンです。そのため、特に以下のようなユーザー層にリーチしやすいという大きなメリットがあります。
企業のオフィスワーカー: 多くの企業ではPC環境が統一されており、Edge/Bingが標準利用されています。BtoB向けの商材や、購買力のあるビジネスパーソン層にアプローチしやすくなります。
PCの初期設定に詳しいとは限らないユーザー層: PC購入時の設定のまま利用している層です。ITリテラシーに関わらず、幅広い潜在顧客にあなたの商品を知ってもらう貴重な機会となります。
特に2025年10月にウインドウズ10のサポート期限が到来することから、大量のウインドウズ11への切り替えが発生しています。ウインドウズ11はこれまでよりさらにEdgeやCopilotを全面に出してきていますので自然とそのまま使うユーザーが多いでしょう。
Googleとは少し異なるこれらの顧客層は、競合がまだ少ない「ブルーオーシャン」である可能性を秘めています。
Bing対策の絶対的な第一歩!「Bing Webmaster Tools」
Bing対策を始めるなら、何よりも先に「Bing Webmaster Tools」への登録が必須です。これはGoogleサーチコンソールに相当するもので、Bingにあなたのサイトの存在を知らせ、正しく評価してもらうための無料公式ツールです。

サイトの情報をBingに送信(サイトマップの登録など)
Bing検索での表示回数やクリック数、検索キーワードの分析
サイトの技術的な問題点を検知し、改善に役立てられる
すでにGoogleサーチコンソールを利用している場合は、その情報をインポートするだけで、わずか数分で設定が完了します。まだの方は、この機会に必ず登録しましょう。
Google対策と何が違う?Bing SEOで特に意識すべき3つのポイント
Bingの評価基準はGoogleと多くの点で共通しており、ユーザーファーストで高品質なコンテンツを作成するという基本は変わりません。
しかし、Bingならではの評価傾向も存在します。ここでは、ECサイト運営者が明日から実践できる、特に重要なポイントを3つご紹介します。
キーワードの扱い:より「直接的」な評価を意識する
Googleが文脈や関連性を深く読み解くのに対し、Bingはタイトルや見出しに含まれるキーワードそのものをより直接的に評価する傾向があります。
ECサイトでの実践例:
商品ページ: [商品名] [型番] [ブランド名]|通販なら【サイト名】のように、ユーザーが検索で使いそうな具体的なキーワードをタイトルタグ(<title>)やH1見出しに漏れなく含めましょう。
カテゴリページ: 「レディース 半袖Tシャツ」の通販|【サイト名】 のように、対策キーワードを完全に一致させることを意識します。
ソーシャルシグナルの重視度:SNSでの「話題性」が力になる
Bingは、X(旧Twitter)やFacebookといったSNS上でのエンゲージメント(シェア、いいね、言及数など)を、Googleよりも検索順位の評価要因として重視すると公言しています。
ECサイトでの実践例:
新商品の入荷情報やセール、キャンペーンの告知を積極的にSNSで発信しましょう。
インフルエンサー施策やプレゼントキャンペーンなどを通じて、ユーザーによるUGC(クチコミや投稿)を促すことが、結果的にBingの評価を高めることに繋がります。
被リンクの評価:「信頼性」と「ドメイン年齢」が鍵
被リンク(外部リンク)の重要性はGoogleもBingも同じですが、Bingは特に権威性の高いサイト(.gov, .eduなど)や、運用歴が長い信頼されたドメインからのリンクを高く評価する傾向があります。
ECサイトでの実践例:
業界のニュースサイトや信頼できるメディアにプレスリリースを配信し、商品を取り上げてもらいましょう。
商品の製造元や取引先の公式サイトから、正規取扱店としてリンクを設置してもらうのも非常に有効です。
【WordPressユーザー向け】必須級プラグイン「IndexNow」で更新を即時通知!
WordPressでECサイトを運営しているなら、「IndexNow Plugin」の導入を強く推奨します。

通常、新商品ページやブログ記事を公開しても、検索エンジンがそれを認識(インデックス)するまでにはタイムラグがあります。しかし、このプラグインを有効化するだけで、サイト更新情報をBingやYandexなどの検索エンジンに自動で即時通知してくれます。
これにより、インデックスが大幅にスピードアップし、期間限定のセール情報や新商品をライバルより早くユーザーに届けることが可能になります。設定も簡単なので、必ず導入しておきたいプラグインです。
まとめ:検索エンジン対策は「複眼的」な視点へ
生成AIの台頭により、ユーザーの購買行動は確実に変化しています。これからのECサイト運営において、Googleだけを見ていることは、大きな機会損失に繋がりかねません。
Bing対策は、決してGoogle対策を捨てることではありません。既存の施策に少しだけBingの視点を加えるだけで、新たな顧客層にアプローチできる賢い戦略です。
✅ Bing Webmaster Toolsに登録する(Google連携で数分!)
✅ タイトルや見出しに具体的なキーワードを入れる
✅ SNSでの情報発信とユーザーとの交流を活発にする
✅ (WordPressなら)IndexNowプラグインを導入する
まずはこの4つのアクションから始めて、AI時代のECサイト運営を成功に導きましょう。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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