結論から言うと、楽天の株主優待SIMとpovoは1台のスマホで併用できます。データ通信は楽天の株主優待(月30GB)、電話番号はpovo(au回線)に移して残す。このデュアルSIM運用なら、通信費を実質0円〜月1,650円程度に抑えながら、auと同じ感覚のつながりやすさも確保できます。
きっかけは「ずっとau(KDDI回線)で契約していて、月のスマホ代が数万円になっている」「でも、つながりやすさは落としたくない」という相談でした。そこで私が提案したのが、楽天モバイル(株主優待SIM)を主回線にして、povoを副回線として残すデュアルSIM運用という作戦です。
iPhone SE(第3世代)以降のiPhoneはデュアルSIMに対応しているので、この運用が現実的にできます。
ただし、株主優待は毎年内容が決まるもので、来年以降も同じとは限りません。この記事の後半では、優待が続く・縮小する・終了するの3つの場合に分けて、年間の費用をシミュレーションしました。
楽天株主優待SIMとpovoを併用する狙い

「安さ」と「つながりやすさ」を両取りする
この運用の狙いは次の3つです。
- データ通信は楽天株主優待の月30GBを使う
- 通信が弱い場所はpovo(au回線)に逃がせる状態を作る
- 電話番号はpovoへMNPして維持する(今の番号をそのまま使う)
povoはKDDIのオンライン専用ブランドで、au回線をそのまま使える、という位置づけです。なので、少なくとも「今までauでつながっていた場所と同じ感覚でつながりやすい」ということがいえます。
この運用なら実質的に通信料が0円も可能です。
私も実際にこの運用をしています
私自身、楽天モバイル株主優待+povoのデュアルSIM運用をしています。実際の使い心地は、こちらの記事で紹介しています。

楽天優待SIM+povoのデュアルSIM運用のやり方(手順は3ステップ)
やる順番が大事です。次の3ステップで進めます。
- 楽天の株式を100株以上買って、株主優待の権利を取る
- 届いた優待SIMを開通して、データ用の主回線にする
- povoを契約し、今の電話番号をMNPで移す
ステップ1:楽天の株式を100株買って、株主優待の権利を取る
この記事を最初に書いたときの第29期の優待は、2025年12月末時点で100株以上保有している株主が対象で、権利付最終日は2025年12月26日でした。この期の優待の申し込み受付は、2026年5月15日で終わっています。

次の権利は2026年12月末時点の株主名簿が基準になる見込みで、権利付最終日は2026年12月28日ごろです。ただし、2026年12月末時点の株主向けの優待内容(第30期)は、2026年10月時点ではまだ発表されていません。昨年は12月12日に発表されていますので、今年も12月の発表を待って確認してください。
株価は、2025年12月の記事を書いた時点では100株で95,000円程度でした。2026年9月末には1株690円前後なので、100株で約69,000円です(購入前に最新の株価を確認してください)。
注意:株の購入は価格変動リスクがあります。楽天グループは無配(配当なし)なので、利回りは優待だけで考えることになります。ここは投資判断になるので、無理のない範囲が前提です。
優待の申し込みでつまずきやすいのが本人確認です。スマホで本人確認ができないときの対処法は、こちらにまとめました。

ステップ2:楽天モバイルの優待SIMが届いたら、開通して主回線にする
第29期の優待は、まず6か月無料で、条件を満たすと追加6か月無料(合計最大1年)です。追加6か月の条件は「2025年12月末と2026年6月末の株主名簿に、同一株主番号で100株以上」と明記されています。
ポイントは「同一株主番号」です。一度でも全株を売ると株主番号が変わり、追加の6か月は受けられません。株主を続けるつもりなら、100株は売らずに持ち続けるのが安全です。
なお、優待SIMを物理SIMで受け取りたい場合は申し込みが必要です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ステップ3:povoを新規契約し、MNPで今の電話番号をpovoに移す
povoは、電話番号の引き継ぎ(MNP)がオンラインでできると案内されています。そこで、既存番号をpovoにMNPすると、今までの電話番号のまま、KDDI(au)回線で通話・SMSができます。

まずは、povoの公式サイトでご確認ください。
デュアルSIMの具体的な構成(おすすめ)
楽天=物理SIM、povo=eSIMが運用しやすい
今回想定した「現実的で運用しやすい」構成はこれです。
- 楽天モバイル(株主優待SIM)=物理SIM(nano-SIM)
- povo=eSIM

iPhone SE3なら、この組み合わせが技術仕様として可能です。また今どきのスマホはほとんどがデュアルSIM対応ですので他の機種でもたぶん大丈夫です。
新しいiPhoneは「eSIM+eSIM」になる点に注意
「物理SIM+eSIM」なのか「eSIM+eSIM」なのかは、ご自身のスマホの状況を確認してください。
※新しいiPhoneを購入すると「eSIM+eSIM」つまりeSIMが2枚ということになります。必ずご自身のスマホのSIM設定を確認しておいてください。iPhoneのeSIM化については、こちらの記事でも解説しています。

Androidスマホでも同じ考え方で運用できます。moto g05で優待SIMを2枚目のSIMとして使った例はこちらです。

通話をどう使い分けるか(発信番号で選ぶ)
パターンA:通話料を最安にしたい場合(Rakuten Link Office)
楽天側で「Rakuten Link Office」アプリを使うと、国内通話・国内SMSが無料になります(0570など一部対象外あり)。
ただし注意点があります。一般的に、Rakuten Link(Office含む)からの発信は「楽天モバイル側の番号」で相手に表示されます。つまり、相手から見る発信番号が「これまでの番号(povoへMNPした番号)」ではないということになります。これが許容できるのなら、この方法が最安です。
なお、受信する番号はこれまでとおりの電話番号でOKです。2つの電話番号を1つのスマホで使えるのがデュアルSIMのよいところですね。
パターンB:発信番号を変えたくない場合(povoの通話かけ放題)
発信はpovo回線から行います。povoには「通話かけ放題(月額1,650円)」が公式に用意されています。通話が多い人は、ここを付けると安心です。

データ通信は楽天の月30GBを活かす
楽天株主優待は「月30GB」の枠が前提で、超過後は速度制御(最大200kbps)になる旨が案内されています。「月30GB」という通信容量は普通の使い方ならまず十分でしょう。
私は家や事務所ではWi-Fi接続していることもありますので月の通信量がせいぜい5GBくらいです。多い月でも10GBを超えたことがありません。
なので普段のデータ通信は楽天を使い、povoは「もしもの保険」として持つ、が基本形になります。
自宅で楽天モバイルの電波が弱い場合は、小型基地局の「Rakuten Casa」で改善できることがあります。

povoは最低限の課金で維持する(180日ルールに注意)
povoは基本料0円ですが、180日以上有料トッピング購入などがない場合、利用停止・契約解除となることがあると明記されています。そのため、最低限の課金を入れて維持するのが安全です。
私の作戦はこれです。
- 半年に一度、ローソン買物券500円分つきのトッピングを購入(名目としては0.3GBの通信量を購入ということです)
この方針は「忘れにくいし、実質的に使い道がある」ので、継続しやすいと思います。
なお、2026年夏にpovoの規約文書の書き方が変わり、180日の数え方について公式FAQの説明と食い違っていると話題になりました。半年に一度、必ず有料トッピングを買う運用にしておけば、どちらの読み方でも安心です。

月額はいくらになるのか(優待が有効な期間)
パターンA:通話は楽天Link Office中心(番号が変わってもOK)
- povo維持:半年に1回 500円(年1,000円)
- 月あたり換算:約83.3円
パターンB:発信番号を変えたくない、通話も多い(おすすめはこちら)
- povoの通話かけ放題:月1,650円
- データ通信:楽天株主優待の30GBを使う
→だいたい月額1,650円で運用、が狙えます(優待が有効な期間中)。
来年以降どうなる?株主優待の3シナリオで年間費用をシミュレーション

夢のある楽天の株主優待ですが、今回の優待は「最大1年」です。しかも、楽天の優待は毎年内容が見直されてきました。2024年は1年無料、2025年末の第29期からは「6か月+継続保有で6か月」に変わっています。来年以降も同じとは限りません。
そこで、100株を持ち続けた場合の「通信費の年間合計」を3つのシナリオで試算しました。前提は次のとおりです。
- povo維持費:年1,000円(半年ごとに500円のトッピング)
- データ使用量:私と同じく月5GB程度(3GB超〜20GBの区分)
- 楽天最強プランの料金:3GBまで月1,078円、3GB超〜20GBで月2,178円、20GB超で月3,278円(税込)
- 通話はパターンA(Rakuten Link Office)で計算。パターンBの人は年19,800円(1,650円×12か月)を足してください
シナリオ1:今と同じ内容の優待が続く
- 楽天:12か月無料(6か月+継続保有で6か月)
- povo:年1,000円
- 年間合計:約1,000円(月あたり約83円)
いちばん理想的なケースです。100株を売らずに持ち続けることが条件になります。
シナリオ2:優待が縮小する(例:6か月無料だけになる)
- 楽天:6か月無料+6か月は楽天最強プラン(月2,178円×6か月=13,068円)
- povo:年1,000円
- 年間合計:約14,000円(月あたり約1,170円)
使用量が月3GB以下に収まる人なら、有料の6か月は1,078円×6か月=6,468円なので、年間合計は約7,500円です。
シナリオ3:優待が終了する
- 楽天:12か月とも楽天最強プラン(月2,178円×12か月=26,136円)
- povo:年1,000円
- 年間合計:約27,000円(月あたり約2,260円)
月3GB以下なら1,078円×12か月=12,936円で、年間合計は約14,000円です。データをあまり使わない人は、楽天モバイルをやめてpovoだけでデータトッピングを買う単独運用に切り替える手もあります。
どのシナリオでも、auの料金からは大きく下がる
比較のために、auで月1万円を払っている場合を考えると、年間12万円です。いちばん厳しいシナリオ3でも年間約27,000円なので、差額は年9万円以上になります。
一方で、株を持つことには別のリスクがあります。100株が約69,000円だとすると、株価が10%下がれば約6,900円の含み損です。通信費の節約額と株価の値動きは、分けて考えておくと冷静に判断できます。
私は株主を続けます
私は、優待の内容がどうなっても楽天の株主を続けるつもりです。優待が続けばラッキー、縮小や終了になっても楽天最強プランに移れば、いきなり高額に戻ることはありません。「優待が終わっても逃げ道がある」と分かっているので、安心して持ち続けられます。
考え方はシンプルです。
- もし優待が翌年も続いたらラッキー(ただし将来の継続は保証されません)
- 優待が終わったら、楽天最強プランへ移行する
- データ通信をそれほど使わないなら、楽天モバイルをやめてpovoの単独SIM運用にする
楽天最強プランは、データ3GBまで月1,078円(税込)という案内があります(割引条件によって変動あり)。なので「優待が終わっても、いきなり高額に戻りにくい」逃げ道を作れます。
よくある質問
楽天の株主優待SIMとpovoは本当に併用できますか?
はい。デュアルSIM対応のスマホなら、1台に楽天の優待SIMとpovoを両方入れて使えます。データは楽天、電話番号はpovo、という役割分担がおすすめです。
povoを主回線にしても大丈夫ですか?
電話番号をpovoに移しておけば、受信はこれまでの番号のままです。データは楽天、通話・SMSはpovoと決めておけば、日常の操作はほとんど変わりません。
優待の期限が切れたら回線はどうなりますか?
優待の利用期間が終わると、特に手続きをしなくても優待SIMは使えなくなるとされています。電話番号はpovo側にあるので、番号を失う心配はありません。
まとめ:auユーザーの「高いけど安心」を、もっと賢い形に組み替える
この運用のポイントは、次の4つです。
- 電話番号はpovoへMNPして、KDDI回線の安心を残す
- データ通信は楽天株主優待の30GBを活かして、料金を下げる
- デュアルSIMで、つながりやすさも広げる
- 優待は最大1年で、来年以降は未定。続く・縮小・終了の3つを想定して次の手を決めておく
こうした現実的な設計にできることが、この方法のよいところです。
通信料が月額1万円以上、家族を合わせると月間5万円以上という方もいらっしゃいます。高額な通信料金を支払っているという方は、見直しのチャンスですね。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
会社概要およびプロフィールは株式会社ドモドモコーポレーションの会社案内にて紹介していますので興味ある方はご覧ください。
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