オープンソースのAIがこれからますます注目されそうです、メタ社が「Llama(ラマ)3」を発表!

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メタ社が「Llama(ラマ)3」を発表!アメリカの大手IT企業であるメタ社が新しいAI(人工知能)の土台となる「Llama(ラマ)3」という技術を世に送り出しました。この最先端技術は、誰でも無料で使える「オープンソース」というやり方で提供されます。オープンソースという開発手法は外部の知恵を取り入れて開発を早めたり、自分たちの技術を世界中に広めることを、すぐに儲けることよりも大事にしています。そうすることで、AIの分野で先頭を走るアメリカのオープンAI社に対抗しようとしています。

オープンソースのAI

メタ社の「Llama(ラマ)3」

メタのトップ、マーク・ザッカーバーグは「世界で一番先を行くAIを作るのが目標だ」と話しています。メタ社はこの新技術を無料で使えるようにしたと、SNSにて発信しました。

メタが最新大規模言語モデル「ラマ3」初期バージョンを投入
米メタ・プラットフォームズは18日、最新の大規模言語モデル「Llama(ラマ)3」の初期バージョンをリリースした。
メタが生成AI技術「Llama3」発表 オープン化戦略でOpenAIに対抗 - 日本経済新聞
【シリコンバレー=渡辺直樹】米メタは18日、生成AI(人工知能)の新しい基盤技術を発表した。最新技術は外部に無償で開放する。「オープンソース」と呼ばれる手法で、外部の知見を取り込み開発スピードを速める狙いだ。自社技術を広く普及させることを短期的な収益よりも優先し、生成AI分野で先行する米オープンAIに対抗する。「我々のゴールは世界をリードするAIをつくることだ。今、無償で使える最も賢いAIとな

メタが発表した「Llama(ラマ)3」という名前のAI技術は、今までの7倍の情報を学ぶ力を持っていて、もっと難しい質問にも答えられるようになりました。このAIは700億の「パラメーター」という数値で測る能力を持っていますが、これはオープンAI社の「Chat(チャット)GPT」より少し少ないです。しかし、速く処理するのが得意で、スマートフォンで使いやすく作られています。

最大の特長は、プログラムの設計図にあたるコードを無料で公開し、外の技術者が自由に使ったり改良したりできる点です。このオープンソースという方法は、過去に「リナックス」という基本ソフトやグーグルのスマートフォン用の「アンドロイド」でも使われていて、お金を取らずにたくさんの人に改善してもらいやすくなるメリットがあります。

開発者が集まって一つのコミュニティを作ることで、その技術が事実上の標準となりやすくなる可能性がありますが、悪用されるリスクもあるので、使う時は注意が必要です。ITの世界では、たくさんの知恵を集める手段として広まっています。

先行しているのはOpenAIのChatGPT

メタは2013年からAIの研究を続けて技術を蓄えてきましたが、オープンAIが「Chat GPT」を発表し、遅れを取っています。またグーグルも「Gemini(ジェミニ)」を開発し発表しています。

オープンAIやグーグルは、自分たちの高性能なモデルをWEB上で公開しています。無料でも使えますが高性能な本体は月額約20ドルで提供する有料サービスという形態を行っています。

追い上げるオープンソース型開発の企業たち

生成AIの分野は競争が激しくなってきています。

メタはWEBで公開して先行する生成AI企業とは逆に、技術を無料で開放することで遅れを取り戻そうとしています。

メタだけでなく、アメリカの起業家イーロン・マスクさんも新しいAI会社のxAI(エックスエーアイ)を立ち上げ、開発したAI「Grok(グロック)」の技術を無料で使えるようにすると発表しています。

英国のスタビリティーAIやフランスの新興AIスタートアップのミストラルAIも、オープンソースモデルを取り入れていて、アメリカのデータブリックス社もこれに続いています。

オープンソースを使う企業は、AI技術を無料で提供する代わりに、関連する他のサービスを組み合わせてお金を稼ぐ戦略を立てています。例えば、マスクさんは自分が買った会社の有料プランに自社のAIサービスを提供していますし、データブリックスもAIとデータ処理を融合させようとしています。

メタも、「Llama 3」という技術を「メタAI」として、自社のSNSやメッセージサービスに組み合わせて提供する計画です。ザッカーバーグCEOは、この技術とメガネのような端末を連携させたり、仮想現実の新事業と組み合わせる方針も話しています。

オープンソース型開発の課題

ただ、技術を無料で提供すると収益が減ってしまうかもしれないという難点があります。AIはたくさんの電気を使うし、高性能な半導体や大きな投資も必要です。

新しい企業がどんどん参入してきているので、AIの性能を競うレースはますます激しくなっています。うまくいけば大きな利益が得られるかもしれませんが、うまくいかないと大きな損失を被るかもしれません。

AIの発展にともない規制強化も課題になっています

AIを巡る競争が激しくなる中で、消費者や知的財産を守るための規制の議論も盛んになっています。EUではAI全体を規制する「AI法」が検討されていて、日本でも政府がAIに関する企業向けのガイドラインを作っています。世界中で消費者を守るための規制が広がっています。

しかし、AIが使えるようになると、詐欺やサイバー攻撃、著作権侵害、偽情報の拡散などの問題が起こることもあります。だから、オープンソースでソフトが変更されると、開発した会社とサービスを提供する会社の間で、誰が責任を持つのかわかりにくくなることが心配です。

オープンソースは、開発資源が少ない企業にもチャンスを与えて新しいアイデアを生み出したり、消費者の選択肢を増やしたり価格を下げたりする利点があるので、これからも広がっていくと思われます。安全対策は必要不可欠で、シリコンバレーの企業間でも意見が分かれている様子です。

生成AIの利用者として

ChatGPTを利用しながらオープンソースAI活用も始めたい

私達は、生成AIの利用者としてどのように振る舞っていくかが問われているかもしれません。

私自身は、ChatGPTの有料版を中心にして、Googleのgeminiや、パープレキシティの無料版など複数の生成AIを利用しています。

いずれ、メタ社のオープンソースAIも使ってみたいと思っていましたが、今のところまだ着手できていません。

今後、クローズドな生成AI環境も必要になっていくので、そろそろオープンソースAIも使っていこうかなと思った次第です。