講演会やセミナー講師の実績AI(人工知能/ディープラーニング)

問いを立てるチカラを磨く!というワークを含んだAIセミナーを開催しました

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問いを立てるチカラを磨く!というワークを含んだAIセミナー金沢市打木にある異業種交流研修会館にてAIセミナー講師をさせていただきました。この対象の方々はすでに何度もAIセミナーを受講しているとのことで、初心者向けではなくステップアップレベルのセミナーが希望でした。
ということで、今回は入力するプロンプトをテーマにして、ワークを含めた勉強会形式とさせていただきました。

問いを立てるチカラを磨く!というワークを含んだAIセミナー

会場は金沢市打木にある異業種交流研修会館

会場は金沢市打木にある異業種交流研修会館でした。

約10名の参加で実施しました。

生成AI活用のセミナー「問いを立てるチカラ」

問いを立てるチカラを磨く!というワークを含んだAIセミナー

今回はワークを重視しましたので、当方の準備も画像生成を事前に何度も試行錯誤しました。意外に準備がたいへんでした(笑)

生成AIは、入力をしないと出力がでません。
そして、よい入力をしないと、よい出力がでません。

画像生成ワークの流れ

AI時代の必須スキル:「問いを立てる力」を磨く勉強会

① このワークの目的
・AIを効果的に活用するために必要な「問いを立てる力」を鍛える。
・画像生成AIを通じて「問い」の質を高め、インプットする表現力や発想力を向上させる。

※画像生成を使う理由は回答がすぐにわかるからです。画像生成AI利用を推奨しているわけではありません。
※画像生成AIの性能差が激しいので、みなさん同じものを使ってください→BINGの「ImageCreator」推奨
※生成AIの本流は文章作成ですので念のため

② ワークの進め方(全体の流れ)
・課題の提示(問いの明確化)
・プロンプトの作成(問いを具体化)
・AI画像生成と試行錯誤
・結果の振り返り(気づきの共有)

③ 最初の課題:「首の短いキリン」を生成する
ステップ1:問いの明確化(5分)
「キリンの特徴」と「伝えたいポイント」を整理
ステップ2:プロンプト作成(5分)
AIへの指示文を考える(シンプルで明確に)
ステップ3:試行錯誤(10分)
実際に生成し、うまくいかない場合はプロンプトを再検討(複数回)
ステップ4:振り返り(10分)
工夫した点やAIの反応を共有

▼単純にテーマを入力してできた画像

④ 次の課題:「首を長くして子供を待つ亀のお母さん
ステップ1:問いの明確化(5分)
より複雑なシーンを整理(感情・シチュエーション)
ステップ2:プロンプト作成(5分)
1つ目の課題で得た学びを反映
ステップ3:試行錯誤(10分)
画像生成とプロンプトの調整を繰り返す
ステップ4:振り返り(10分)
プロンプト改善の成功ポイントを共有

▼単純にテーマを入力してできた画像

⑤ 振り返りとまとめ(成果発表)
・各自が最終プロンプトと生成結果を発表
・気づきや発見を共有(改善ポイント、AIとの付き合い方)
・全体で学びを深め、次の学習に活かす

⑥ このワークで意識するポイント
・AIが理解しやすい言葉選び
・表現したいことを明確に伝える方法
・ズレた場合の修正方法の具体的な気づき
・AIが得意・苦手な表現を把握すること

画像生成ワークのふりかえり

首の短いキリン

実は「首の短いキリン」という画像生成については、約2か月前(今年の3月)にブログ記事を書いています。

「首の短いキリン」をうまく描いてもらうという試行錯誤でプロンプトの工夫の重要性に気づきました(画像生成AI活用ポイント)
画像生成AIを利用すると、自分のイメージしたものを簡単にビジュアル化できます。しかし、「思い通りの画像が作れない…」と感じたことはありませんか?その原因の一つとして、AIへの指示(プロンプト)の内容が適切でない可能性があります。事例として「首の短いキリン」を生成AIにうまく描いてもらう試行錯誤を例にして、プロンプトの工夫と改善のポイントを紹介します。画像生成AIとのプロンプト実験実際にやってみた事...

この2ヶ月で生成AIの能力が格段に向上しています。特に有料版の生成AIサービスでは短いプロンプトでもかなりよい画像が生成できるようになっています。そのため、2ヶ月前の状況とは少し様相が変わっています。

ちゃんとしたプロンプトを入れれば無料版Bingのイメージクリエーターでもかなりよい画像生成ができるようになりました。

そして最新のChatGPT4oは画像生成も高性能になっています。プロンプトが短くてもかなり適切な画像生成をしてくれます。また、どんなプロンプトにすると希望する画像になるのかということ自体を問うという方法もあります。

そうして作成した「首の短いキリン」を生成するためのプロンプトがこれです。

以下のプロンプトで画像生成してください。
• サバンナに立っているキリン。
• 首が異常に短く、まるでカメのように首が胴体に埋もれている。
• 体にはキリン特有の模様(黄色地に茶色の斑点)。
• 写真風のリアルな描写で、自然な昼間の光、背景は草原。
• 横位置(アスペクト比4:3)、全身が写っている。

作成した「首の短いキリン」の画像はこれです。

意図をうまく反映した秀逸な画像ですね。

首を長くして子どもを待つ亀のお母さん

さて、「首を長くして子どもを待つ亀のお母さん」というテーマで画像生成しようとすると、どんなプロンプトがいいのでしょうか?

私が書いたプロンプトはこれです。

「首を長くして子供を待つ亀のお母さん」という交通安全を啓蒙する画像を生成してください。
この意図は
・学校に通う子どもが無事に家に帰ってくるかどうか心配な母
・待っている時間が待ち遠しくて首が長くなってしまう(比喩)
・通常は首が短い亀なのに首が長くなってしまうというイメージ訴求
・交通安全の意図もあるとしたら、擬人化して家庭と学校と車が往来する道路を連想したほうがいい
・お母さんは家の前で子供を待っている(首が長くなっている)
・子どもは元気に走ってくる
・その横で自動車がびゅんびゅん走っている
です。
意図をうまく解釈して画像を生成してください。 画像は横位置で、画像品質は映画のワンシーン写真のようにクオリティ高くしてください。

このプロンプトは生成AIで書いたものではなく、私自身が出力をイメージしながらテキストにて箇条書きにしていきまとめたものです。

このプロンプトで出力した画像例を紹介しておきます。

▼Bingのイメージクリエーター(無料版)で出力した画像例

▼ChatGPT4o(有料版)で出力した画像例

Bingのイメージクリエーター、ChatGPT4o、どちらがよいですかね?

・テーマをどのように解釈してプロンプトを書くかによっての違い
・生成AIの能力の違い

どちらの違いが大きいのかというのも、このように定期的にテストしないとわからなくなってきましたね。

「問い」を重視していることに言及している方を紹介します

AI時代において「問いを立てる力」や「問い駆動」の重要性を語る有名人や著作、主な論点をまとめます。

宮田裕章さん(医師・データサイエンティスト)

  • 宮田裕章さんは、生成AIの登場によって「知識や課題整理はAIが担う時代になった」と指摘し、今後人間に残される本質的な役割は「新しい価値を生み出すための問いを立てること」だと述べています。

  • 2025年のキーワードとして「Questivity(Question+Creativity)」を提唱し、AI時代には単なる正解を求める問いではなく、創造性と結びついた新たな問いを生み出す力がリーダーや個人に求められると語っています7

  • また、大学教育や社会においても「問いを立てる力」の養成が重要であると強調しています3

「問いを立てる」宮田裕章さん

Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースは、新聞・通信社が配信するニュースのほか、映像、雑誌や個人の書き手が執筆する記事など多種多様なニュースを掲載しています。

けんすうさん(古川健介氏・起業家)

  • けんすうさんは「AI時代は『読破』よりも『問い駆動』でインプットを考えると良さそう」と題した記事で、膨大な情報量の時代には「すべてを読む」ことよりも、「問い」を中心に情報を集め、AIに問いかけて要点を抽出・検証するサイクルが重要だと述べています28

  • 「視点設計力」「分解力」など、良い問いを立てるための具体的なスキルも解説し、AI活用の本質は「問い」にあると主張しています2

「問い駆動」けんすうさん

AI時代は「読破」よりも「問い駆動」でインプットを考えると良さそう|けんすう
こんにちは! 今日は、AI時代には「本や論文を最後まで読み切る」ことが大事ではなくなったのではないか?ということを書きたいと思います。 AI時代になると、本とかを読破すること自体に、あまり価値がなくなってしまった気がします。 今までの人類は、本やサイトから情報を得ていて、それをまず頭に入れてから考える、ということをやってきたので、直感的にはあまり受け入れづらいんですが、AI時代だともう「読破するよ...

その他の論考・著作

  • 鳥潟幸志『AIが答えを出せない 問いの設定力』
    グロービス経営大学院の鳥潟氏は、AI時代に求められる能力として「問いの設定力」「決める力」「リーダーシップ」「自分らしさ」を挙げ、特に良い問いを生み出すためには自分自身の価値観や人生観が不可欠だと述べています5

  • 「問いを立てる力」こそが人間にしか出せない価値
    AIは与えられた問いに答えることはできても、「問い」自体を生み出すことはできない。問いを立てる力は人間の経験・価値観・問題意識から生まれるものであり、経営や意思決定においても本質的な役割だとする論考もあります4

  • その他の論考・note記事
    AI時代には「AIを使いこなせるか」よりも「AIに何を聞くか」が重要であり、問いを立てる力が知的リテラシーの中核になるとする指摘が多く見られます169