「直接に興へらるゝもの」という西田幾多郎の映像演劇を聴講してきました。限定12名という意味は参加しないとさからないですね。これはとっても不思議な体験でした。
読書会にリアル参加しているかのような感覚になるようなシアター映像です。西田哲学をこのような切り口で味わうというのもなかなか面白かったです。
西田幾多郎の哲学が、いま、ここに──特別な朗読会体験「直接に興へらるゝもの」映像演劇
会場は金沢21世紀美術館の地下シアターでした
6月27日、金沢21世紀美術館で開催されている、西田幾多郎の哲学テキスト「直接に興へらるゝもの」をみんなで朗読する映像演劇に参加してきました。
事前チケットを購入し、久しぶりに金沢21世紀美術館にやってまいりました。相変わらず人気の施設ですね。平日だというのに多数の来場でした。外国人も目立ちました。
私はタレルの部屋でしばし待機。タレルの部屋は、屋内なのに屋外です。天井から見える空は本物の空で、雨も風も虫も入ってきます。本日は曇り空で気温も30度に満たないので過ごしやすかったです。
その後、会場の地下シアターに向かいました。
まるでリアルな読書会に参加しているようでした
限定12名という謎が解けました
この演劇、ただの観劇とは一線を画す、非常にユニークな体験でした。まず驚いたのは、観客がわずか12名に限定されていること。私たちは車座になって座り、そのすぐ目の前には12枚の縦型パネルが円を描くように配置されていました。
パネルに映し出されるのは、オーディションで選ばれた市民の方々が西田幾多郎の難解な哲学テキストを朗読する姿。しかし、朗読は一人の人物が続けるのではなく、ある文節で区切られると、すっと次のパネルに映る別の朗読者にバトンが渡されます。まるで、呼吸を合わせるように読み手が変わっていくのです。
観客と演者の24名でおりなす空間
さらに興味深かったのは、朗読しない演者の方々もパネルに映し出されていたこと。その表情や佇まいからは、テキストへの集中や思索が感じられ、あたかも24人もの人々が一つの大きな読書会に集まっているかのようでした。
空間全体が、西田幾多郎の哲学が持つ「直接性」や「純粋経験」といった概念を体現しているかのように感じられました。
「直接に興へらるゝもの」というテキスト
「直接に興へらるゝもの」というテキストは、予備知識なしにはなかなか理解しにくいものです。しかし、この映像演劇は、その難解なテキストを「声」という最も直接的な形で受け取ることを促します。朗読される言葉の響き、そして朗読者たちの真剣な眼差し。
私たちは、哲学というものが単なる文字の羅列ではなく、生きた思索の営みであることを肌で感じることができました。
なお、朗読される文字は英語と日本語で別のスクリーンに投影されますので、文字に集中してもいいし、朗読者に注目してもいいし、そこに参加者の自由があります。
車座での体験
車座になり、パネルの光に包まれながら、耳から入る言葉、そしてそれを見つめる静かな時間。
これは、西田幾多郎の哲学を学ぶ新しい、そして忘れられない「純粋経験」となりました。哲学に触れる、という行為が、こんなにも感覚的で、集団的な体験になり得るのだと、目から鱗が落ちる思いです。
もし、この「西田幾多郎の哲学テキスト「直接に興へらるゝもの」をみんなで朗読している映像演劇」がまた開催される機会があれば、ぜひ多くの方にこの貴重な体験をお勧めしたいです。
配布されたフライヤーと資料
金沢21世紀美術館
多くの観光客などが訪れる金沢市の金沢21世紀美術館ですが、老朽化や能登半島地震による被害の復旧のため大規模な改修工事が必要になっています。再来年・2027年の5月から翌年(2028年)の3月をめどに全面休館する予定です。

なお、人気のスミングプールは入場まで148分待ちでした。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
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