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DropboxからGoogleドライブ移行でつまずきそうな「同期設定」の落とし穴、「ミラーリング」はデフォルトではありません

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ミラーリングDropboxからGoogleドライブへの移行を進めていて気付いたことがあります。 約200GBを数日かけて移行したものの実際に使い始めて「あれ?なんか動作が遅いな」「インターネットがないとファイルが開かない?」と感じました。
実はこれ、DropboxとGoogleドライブの「同期設定のデフォルト」が大きく違うために起こる、「あるある」な戸惑いなんです。この記事では、その違いと、スムーズに移行するためのポイントを、Dropboxユーザーの視点から分かりやすく解説します。

クラウドストレージの初期設定はブランドごとに違います

DropboxとGoogleドライブ、何が違うの?

長年Dropboxを使ってきた方にとって、ファイル同期の感覚は「Dropboxフォルダにファイルを入れれば、どのパソコンでも自動的に同じファイルが使える」というものだったはずです。インターネットに繋がっていなくても、基本的にはローカルにあるファイルが開けましたよね。

これは、Dropboxが「ミラーリング」(Googleドライブでいうところの「ファイルをミラーリングする」)という、クラウド上のファイルをローカルにも丸ごとコピーする方式が、これまでの利用感覚の基本になっていたためです。もちろん、最近のDropboxには「スマートシンク」という、ローカル容量を節約する機能(オンラインのみ)もありますが、初期設定の感覚は「すべてローカルにある」に近かったはずです。

Googleドライブの「デフォルト設定」が落とし穴!

一方、Googleドライブの「パソコン版Googleドライブ(Google Drive for desktop)」を新しくインストールすると、多くの場合、デフォルトでは「ファイルをストリーミングする」という設定が推奨されます。

この「ストリーミング」が、Dropboxユーザーが「あれ?」と感じる一番の原因なんです。ちなみにDropboxでは「スマートシンク」という設定があり、Googleドライブの「ストリーミング」と同じような仕様になっています。

「ストリーミング」ってどういうこと?

  • ファイルは基本的にクラウド上にだけ保存されます。
  • パソコンのディスク容量を節約できます。
  • ファイルを開こうとしたときに、必要な部分だけがインターネット経由でダウンロードされます。
  • つまり、インターネットに接続されていないと、ファイルを開くことができません! (個別に設定しない限り)

Dropboxに慣れていると、「同期されているんだから、ローカルにもファイルがあるはず」と思い込んでしまいますが、Googleドライブのデフォルトではそうではない、というのが大きなポイントです。

戸惑いを解消するための3つのポイント

では、この違いを理解して、Googleドライブを快適に使うためにはどうすればいいでしょうか?

自分の使い方に合った「同期モード」を選ぶ!

パソコン版Googleドライブの設定で、「ファイルをストリーミングする」「ファイルをミラーリングする」のどちらかを選べます。

  • ファイルをストリーミングする(容量節約モード):
    • こんな方におすすめ: パソコンのディスク容量を節約したい。普段はインターネットに接続されている環境で作業する。
    • 注意点: インターネットがないとファイルは開けません。もしオフラインで作業したいファイルがある場合は、個別に「オフラインアクセス可能」に設定する必要があります。
  • ファイルをミラーリングする(Dropboxと同じ感覚に一番近いモード):
    • こんな方におすすめ: インターネットがない場所でも常にすべてのファイルにアクセスしたい。Dropboxと同じように、すべてのファイルをローカルに持っておきたい。
    • 注意点: クラウド上の全ファイルがパソコンにダウンロードされるため、パソコンのディスク容量を消費します。もし、200GBのデータがあれば、200GBの空き容量が必要です。

ご自身の作業スタイルに合わせて、各パソコンごとに設定を選びましょう。

オフラインアクセス機能を使いこなす!(ストリーミングの場合)

もし「ストリーミング」モードを選んでも、「このファイルだけはオフラインでも見たい!」という場合は、簡単です。

  1. パソコン版Googleドライブのフォルダ内で、オフラインで利用したいファイルまたはフォルダを右クリック
  2. 表示されるメニューから「オフラインアクセス」→「オフラインで使用可能にする」を選択します。

これで、インターネット接続がなくてもそのファイルを開けるようになります。

3. 移行直後は「初期同期」を焦らない!

200GBものファイルをGoogleドライブにアップロードし、さらに各パソコンで「ミラーリング」設定にした場合は、初回だけ全ファイルのダウンロードが始まります。

この初期同期中は、インターネット回線やパソコンの負荷が高くなり、動作が遅く感じたり、同期に時間がかかったりします。これは一時的なものですので、焦らず、安定したインターネット環境で気長に完了するのを待ちましょう。

「ストリーミング」から「ミラーリング」へ変更する際の注意点

ミラーリング

もし、すでに「ストリーミング」でGoogleドライブを使い始めていて、「やっぱりオフラインで全部開きたいからミラーリングにしたい!」となった場合、いくつか注意点があります。

  1. 十分なディスク空き容量の確保: 「ミラーリング」に変更すると、クラウド上のすべてのファイルがパソコンにダウンロードされます。現在のGoogleドライブの総容量と同じくらいのディスク空き容量が、パソコンに必要になります。足りないとエラーが発生したり、同期が進まなかったりします。
  2. ダウンロードに時間がかかる: 「ストリーミング」から「ミラーリング」へ切り替えた瞬間から、パソコンがクラウド上の全ファイルをローカルにダウンロードし始めます。200GBものデータがあれば、初期同期と同じくらい、あるいはそれ以上の時間がかかることを覚悟してください。この間は、パソコンの動作が遅くなったり、インターネット回線が圧迫されたりすることがあります。
  3. インターネット接続の安定性: 大量のデータをダウンロードするため、安定した高速なインターネット接続が不可欠です。Wi-Fiの電波が弱い場所では、できるだけ有線LAN接続に切り替えることをおすすめします。
  4. Googleドライブフォルダの場所(Windowsの場合): 「ミラーリング」に変更すると、ローカルにGoogleドライブのフォルダ(通常は C:\Users\ユーザー名\Google ドライブ)が作成されます。もし以前「ストリーミング」で特定のファイルをオフラインアクセスにしていた場合、それらのファイルは既にローカルにありますが、残りのファイルが新たにダウンロードされます。

私は使い慣れたミラーリングにしました

DropboxからGoogleドライブへの移行は、少しだけ「同期の感覚」を切り替える必要があります。特に「ストリーミング」と「ミラーリング」のどちらが自分の使い方に合っているかを理解し、適切に設定することが、快適なGoogleドライブ生活への第一歩です。

私はDropboxを利用していた時と同じような仕様になる「ミラーリング」に再設定しました。

もし途中で設定を変更しても、上記の注意点を踏まえて対応すれば大丈夫です。ぜひこのポイントを押さえて、Google Workspaceの可能性を最大限に引き出してくださいね!