グーグル(Google)情報系ソフトやWEBサービスなど東日本大震災

自分が住んでいる町の海抜地図をGoogleMapで見る方法、海抜7m以上あるかどうかを調べておきましょう(浸水・津波対策)

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陸地の海抜を調べる地図サービス「金沢市県庁付近」2011年3月11日の東日本大震災では、大津波による甚大な被害が発生しました。津波は海岸付近だけでなく、河川をさかのぼって内陸へ到達することがあります。地形、河川、防潮堤などの条件も影響しますが、その場所の海抜(標高)を知っておくことは大切です。

避難するさいは「近くの高台へ」といわれます。しかし、自宅や勤務先は海抜何メートルなのか、どこへ逃げればよいのかを知らない方も多いのではないでしょうか。平常時に地図で確認し、実際に歩いて避難場所と経路を確かめておきましょう。

※この記事は東日本大震災の翌日に初公開しました。その後、2024年の能登半島地震などを受けて追記してきました。今回、現在利用できる公的な地図サービスと津波避難の考え方に合わせて内容を見直しています。

最初に結論

  • Googleマップだけでは、その場所の正確な標高や津波リスクまでは判断できません。
  • 地点の標高は国土地理院の「地理院地図」で確認します。
  • 津波の浸水範囲や浸水深は、国の「ハザードマップポータルサイト」と自治体の津波ハザードマップで確認します。
  • 「海抜7m以上なら安全」という全国共通の基準はありません。海抜7mは地形の高低を比べる一つの目安にすぎません。
  • 強い揺れ、または弱くても長い揺れを海辺で感じたときや、津波警報などを見聞きしたときは、地図を確認してからではなく、ただちに海岸や川沿いから離れて、より高い安全な場所へ避難します。

海抜を調べることができる地図サービス

この記事を最初に公開した2011年に紹介したのが、次の「Flood Maps」です。

Flood Maps(flood.firetree.net)

英語版ですが、地図上で高さを指定し、その高さ以下の土地を水色で表示できます。緯度・経度をURLに入れると、日本国内の任意の場所も表示できます。

ただし、このサービスは本来、海面上昇の影響を概略表示するために作られたもので、津波ハザードマップではありません。運営者の説明によると、古いNASAの標高データを使い、潮位、海岸の防護施設、津波の流れなども考慮していません。標高データ自体にも大きな誤差があるとされています。そのため、避難場所の選定や安全性の判断には使わず、広い地域の地形を概観する参考資料として利用してください。

現在の推奨順
①ハザードマップポータルサイトで津波リスクを確認する
②地理院地図で自宅・勤務先・避難先の標高を確認する
③自治体の津波ハザードマップで指定緊急避難場所と避難経路を確認する
Flood Mapsは補助的に見る、という順番が適切です。

海抜7mは「安全基準」ではなく地形を見る目安

この記事では公開当初から海抜7mの地図を例にしてきました。しかし、海抜7mは津波に対する絶対的な安全基準ではありません。同じ標高でも、海岸からの距離、河川、地形、防潮堤、津波の方向や規模などによって危険性は変わります。想定される津波が10mを超える地域もあるため、「海抜10m以上なら安全」といった全国一律の区分も適切ではありません。

また、次の4つは似ていますが、意味が違います。

用語 意味
標高
(一般に海抜とも呼ばれる)
土地の高さです。
日本の地図では東京湾の平均海面を
標高0mの基準にしています。
津波の高さ 津波がないときの海面から、
津波によって上昇した海面までの高さです。
浸水深 津波や洪水で水が来たときの、
地面から水面までの深さです。
基準水位 津波の浸水深に、建物へぶつかった水が
せり上がる高さを加えた水位です。

したがって、「自宅の標高が7mだから大丈夫」と判断するのではなく、自治体が公表する津波浸水想定、浸水深、指定緊急避難場所を優先して確認してください。

海抜7m以下の地域を地図で見てみる

以下は、Flood Mapsで海抜7m以下の土地を水色にしたときの例です。画像はこの記事を作成した当時の記録として残しています。

水色の部分は「標高データ上で7m以下と判定された場所」です。「津波で実際に浸水する範囲」ではありません。内陸の低地が水色でも、そこまで海水が到達することを示すものではなく、反対に水色でない場所でも安全を保証するものではありません。

まずは石川県庁周辺の金沢市内の海抜7m地図を調べました。上部の画像もこの付近のものです。

石川県金沢市の海抜7m地図

▼金沢市にある石川県庁周辺の海抜7m地図
金沢市の石川県庁周辺を表示した海抜7m地図

金沢市・石川県庁周辺をFlood Mapsで見る

この表示のまま、見たい地域や自分が住んでいる地域へ移動できます。海は濃い青色で、標高データ上で海抜7m以下と判定された陸地は水色で表示されます。

金沢市では、国道8号線より海側を中心に低い土地が広がっていることが読み取れます。津幡町から白山市にかけても低地が連続しています。一方、内灘町には砂丘地形による高台があります。ただし、高台に見えることと津波に対して安全であることは同じではありません。石川県や各市町の津波災害警戒区域図と避難場所を必ず確認してください。

以下、東京、名古屋、大阪・神戸の海抜7m地図も見てみます。

東京付近の海抜7m地図

▼東京付近の海抜7m地図
東京付近の海抜7メートルの地図

東京エリアでは、湾岸部や東部を中心に標高の低い地域が広がっていることがわかります。足立区周辺から埼玉県東部にかけても低地が連続しています。ただし、この画像は津波の浸水範囲を示すものではありません。洪水、高潮、津波はそれぞれ想定が違うため、災害の種類ごとにハザードマップを確認する必要があります。

愛知県名古屋市付近の海抜7m地図

▼名古屋付近の海抜7m地図
名古屋付近の海抜7メートルの地図

名古屋市周辺も、伊勢湾沿岸から濃尾平野にかけて低地が広がっています。桑名市、一宮市、岐阜県大垣市方面まで標高の低い地域が続いていることがわかります。ここでも、津波だけでなく洪水や高潮のハザードマップを別々に確認してください。

阪神地区の海抜7m地図

▼大阪・神戸付近の海抜7m地図
大阪神戸付近の海抜7メートルの地図

阪神エリアでは、大阪市中心部を含む大阪平野や湾岸部に標高の低い地域が広がっています。兵庫県側でも尼崎市、西宮市、神戸市の湾岸部などに低地があります。

こうしてみると、人口の多い大都市のかなりの部分が低い土地に立地していることがわかります。大切なのは、低い土地に住むことを過度に恐れることではなく、自分の地域で想定される災害の種類と、逃げる場所・経路を具体的に知ることです。

Googleマップで緯度・経度を調べる現在の方法

Googleマップは住所検索や避難経路の確認には便利ですが、通常の画面では地点の標高を直接表示しません。標高を知るには、Googleマップで場所を特定してから地理院地図を使う方法が確実です。

パソコンの場合

  1. Googleマップで住所や施設名を検索します。
  2. 調べたい地点を右クリックします。
  3. メニュー上部に表示される「緯度, 経度」の数字をクリックするとコピーできます。
  4. その数字を地理院地図の検索欄に貼り付けるか、同じ地点を地理院地図で検索します。

スマートフォンの場合

  1. Googleマップで調べたい地点を長押しし、赤いピンを置きます。
  2. 画面下部に表示される地点情報を開き、緯度・経度を確認します。
  3. 地理院地図では現在地ボタンを使うと、現在地付近の標高も確認できます。

以前のGoogleマップにあった「緯度経度マーカーを配置」という表示は、現在の画面では使われていません。この記事の旧画像は、当時の操作画面を示す資料として残してあります。

旧Googleマップで緯度経度マーカーを配置する画面

Flood MapsのURLを指定する方法

Flood Mapsでは、URLに緯度・経度、高さ、地図の拡大率を指定できます。

Flood Maps
Dynamic maps of sea level rise. Will global warming affect you?
  • ll=36.59513,136.62658:その地点の緯度・経度
  • zoom=12:地図の拡大率
  • m=7:色を付ける高さ(単位はメートル)

このURLは石川県庁周辺を中心に、7m以下の土地を表示する例です。繰り返しになりますが、Flood Mapsは津波浸水想定図ではなく、標高も概略値です。防災上の最終判断には使わないでください。

海抜ゼロメートル地帯とは

「海抜ゼロメートル地帯」は、一般に海面より低い土地が広がる地域を指します。東京湾、伊勢湾、大阪湾の沿岸部などに広く見られます。堤防や水門、排水設備で守られている地域もありますが、高潮、洪水、内水氾濫、地震による堤防損傷など、津波以外の水害も含めて備える必要があります。

海抜が低いという一つの情報だけで危険度を決めず、ハザードマップポータルサイトで「洪水・内水」「高潮」「津波」を切り替えて確認してください。

現在もっとも確実な海抜と津波リスクの調べ方

地理院地図で地点の標高を調べる

日本語でわかりやすく、地点の標高を確認できるのが国土地理院の「地理院地図」です。

地理院地図

  1. 地理院地図を開き、画面上部の検索欄へ住所や施設名を入力します。
  2. 調べたい地点を画面中央の「+」に合わせます。
  3. 画面下部の情報欄を開くと、その地点の住所、緯度・経度、標高が表示されます。
  4. 自宅だけでなく、勤務先、学校、避難場所、そこまでの経路上の低い場所も確認します。

地理院地図には、経路上の高低差をグラフで確認できる「断面図」機能もあります。坂道の方向や避難経路の高低差を平常時に確認するのに便利です。

地理院地図で石川県庁付近の標高を表示した例

上記画像をクリックすると、現在の地理院地図に移動します。画面構成は変更されることがありますので、最新の操作方法は国土地理院の案内を参照してください。

ハザードマップポータルサイトで津波浸水想定を調べる

国土交通省と国土地理院が公開している「ハザードマップポータルサイト」では、洪水、内水氾濫、土砂災害、高潮、津波などのリスク情報を地図に重ねて表示できます。

ハザードマップポータルサイト

国のハザードマップポータルサイト

  1. 「住所から探す」で自宅や勤務先の住所を入力します。
  2. 災害の種類から「津波」を選びます。
  3. 想定される浸水区域と浸水深を確認します。
  4. 「わがまちハザードマップ」で市町村が公開している地図も確認します。
  5. 指定緊急避難場所までの経路を、できれば実際に歩いて確認します。

ハザードマップは、想定される最大クラスの津波などを一定の条件で計算したものです。想定を超える災害や、地形・建物・道路の変化まですべて表せるわけではありません。色が付いていない場所も「絶対に安全」という意味ではありません。

石川県内は県の津波災害警戒区域図も確認する

石川県は2023年3月10日、最大クラスの津波が発生したときに生命や身体へ危害が生じるおそれのある範囲を「津波災害警戒区域」に指定し、市町ごとの区域図と基準水位を公開しています。

石川県津波災害警戒区域図(市町別)

金沢市、内灘町、津幡町、かほく市、白山市なども、このページから選べます。石川県によると、津波災害警戒区域は公表済みの津波浸水想定区域と同じ範囲で、区域図には浸水深に津波のせり上がりを加えた「基準水位」も示されています。

2024年の能登半島地震を経験した石川県では、地震による道路損傷や液状化も避難の妨げになり得ます。海抜だけでなく、通行できなくなった場合の別経路や、徒歩で到達できる複数の避難先も考えておきましょう。

地図を見たあとに決めておくこと

海抜を調べただけでは、津波対策は完成しません。最低限、次の項目まで確認しておくと実用的です。

  • 自宅、勤務先、学校、よく利用する施設の標高
  • それぞれの場所が津波浸水想定区域に入っているか
  • 津波に対応した指定緊急避難場所または津波避難ビル
  • 徒歩での避難経路と、おおよその所要時間
  • 橋、川沿い、ブロック塀、急傾斜地など経路上の危険箇所
  • 道路が使えない場合の第二、第三の避難経路
  • 家族や職場での連絡方法と集合方針
  • スマートフォンが使えない場合に備えた紙の地図や画面保存

津波避難は一刻を争います。原則は徒歩での避難です。高齢者、障害のある方、小さな子どもなどがいて車を使わざるを得ない場合は、地域の避難計画に従い、渋滞や道路損傷も想定して事前に方法を決めておく必要があります。

海抜と津波避難に関するFAQ

Q1.海抜7m以上なら津波から安全ですか?

いいえ。全国共通の安全基準ではありません。地域によって想定される津波の高さ、浸水範囲、地形、河川などが異なります。自治体の津波ハザードマップと指定緊急避難場所を優先してください。

Q2.Googleマップだけで海抜を調べられますか?

通常のGoogleマップは、住所、緯度・経度、経路の確認には便利ですが、地点の標高を直接確認する用途には向きません。標高は地理院地図、津波リスクはハザードマップポータルサイトで調べるのがわかりやすい方法です。

Q3.ハザードマップで色が付いていなければ安全ですか?

絶対に安全とはいえません。ハザードマップは一定の条件による想定であり、想定を超える災害が起こる可能性があります。区域の境界付近にいる場合も、警報や避難指示に従い、より高い安全な場所へ避難してください。

Q4.「津波の高さ3m」と「浸水深3m」は同じですか?

違います。津波の高さは通常の海面からの高さ、浸水深はその地点の地面から水面までの深さです。自宅付近の具体的な被害を考えるときは、ハザードマップに表示される浸水深が重要です。

Q5.避難所へ行けばよいですか?

最初に目指すのは、津波に対応した「指定緊急避難場所」や津波避難ビルです。災害後に生活するための一般的な「避難所」が、必ずしも津波から安全な場所とは限りません。自治体の表示で対応する災害の種類を確認してください。

Q6.海から離れていても川の近くなら避難が必要ですか?

津波は川をさかのぼることがあります。津波警報が発表された地域で沿岸部や川沿いにいる場合は、ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください。

Q7.津波は一度来たら終わりですか?

いいえ。津波は繰り返し襲来し、後から来る波が高くなる場合もあります。津波警報・注意報が解除されるまで、海岸や川へ戻らないでください。

Q8.地震が起きてからスマートフォンで地図を調べればよいですか?

地震後は停電、通信障害、端末の故障などが起きる可能性があります。地図は平常時に確認し、避難先と経路を画面保存または印刷しておきましょう。強い揺れや長い揺れを感じた場合は、検索より避難を優先します。

まとめ:海抜を知り、ハザードマップと避難行動につなげる

自宅や勤務先の海抜(標高)を知ることは、津波や水害への備えの第一歩です。ただし、海抜7mという一つの数字だけで安全か危険かを決めることはできません。

現在は、地点の標高を確認する「地理院地図」、津波の浸水想定を確認する「ハザードマップポータルサイト」、地域ごとの避難場所を確認する自治体のハザードマップという、信頼性の高い公的サービスがあります。この3つを組み合わせ、実際に避難経路を歩き、家族や職場で共有しておくことが重要です。

津波警報などを見聞きしたときや、海辺で強い揺れ、弱くても長い揺れを感じたときは、海岸や川沿いから離れ、迷わずより高い安全な場所へ避難してください。

参考になる公的サイト

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