「あなたの電話番号に異常があります。2時間後にサービスを停止します」
突然スマホにかかってきた電話で、こんな自動音声が流れたらドキッとしませんか? 実は今、「+1」から始まる国際電話を使った自動音声詐欺が急増しています。
結論から言うと、「+1 855」「+1(855)」「1855」から始まる番号の着信や留守電は、ほぼ詐欺と考えて対応してください。出ない・折り返さない・ボタンを押さない。そのうえで着信拒否の設定をしておけば、被害にあうことはまずありません。
私のスマホにも、このところ毎日のようにこの手の詐欺電話がかかってきています。2025年12月12日には 18551504346 という番号から着信があり、留守録に音声が残っていましたので、その内容を公開します。2026年4月には「日本信用情報機構」を名乗る別パターンの留守録も届きました。
この記事では、実際の留守録音声をもとに、この不審な電話の正体、絶対にしてはいけないこと、そして迷惑電話が増え続けている今だからこそやっておきたい「着信拒否の対策強化」について、iPhone・Android・固定電話ごとにまとめます。
+1 855はどこからの電話?正体は北米フリーダイヤルを装った詐欺
「+1」はアメリカ・カナダの国番号、「855」はフリーダイヤル番号
電話番号の先頭にある「+」以降の数字は国番号です。日本は「+81」、アメリカやカナダなど北米地域は「+1」です。
そして「855」は、北米で使われているフリーダイヤル(トールフリー)番号の一つです。日本でいえば「0120」にあたります。同じ仲間に「800」「833」「844」「866」「877」「888」などがあり、詐欺電話では「+1 833」「+1 844」もよく使われています。
- 着信画面の表示例:+1 (855) 150-4346、+1-855…、1855…(表示のされ方は機種によって違います)
- 本来は北米企業のサポート窓口などで使う番号です
- 日本に住んでいて、北米の企業と取引やサポートのやりとりをしていない人に、この番号から突然電話がかかってくる理由はまずありません
実際にかかってきた電話①「2時間後にサービスを停止します」
ある日突然、スマホに見慣れない番号から着信があります。表示される番号は、日本の「090」や「03」ではなく、「+1」や「+44」などから始まる長い番号です。
電話に出る、あるいは留守電を聞くと、以下のような機械的な自動音声(コンピュータ音声)が流れます。
「緊急のお知らせです。お客様の電話番号に異常が確認されたため、2時間後にサービスを停止させていただきます。詳しい内容は1番を押してください…」
▼実際にかかってきた電話(留守録)の内容
着信日時 2025/12/12 12:03
発信元番号 18551504346
録音時間 23秒
実際にかかってきた電話②「日本信用情報機構です」と名乗る留守録
詐欺グループは手を変え品を変え、いろんな仕掛けをしてきます。2026年4月には、今度はクレジットやローンの不安を煽る、こんな留守録が入っていました。
音声の品質がだいぶよくなっていて、電話番号を見ずに留守録の音声だけを聞いたら騙されるかもしれない、と感じるレベルです。
「こちらは日本信用情報機構です。お客様のクレジットまたはローンに重要なお知らせがございます。詳細をお聞きになる場合は1を押してください…」
▼実際にかかってきた電話(留守録)の内容
着信日時 2026/4/14 13:39
発信元番号 18335315748
録音時間 21秒
今回は「+1 833」から始まる番号でした。855と同じく北米のフリーダイヤル番号です。番号の頭が少し変わっても、手口はまったく同じです。
なお、信用情報機関を名乗る詐欺はこれだけではありません。同じく信用情報機関のCIC(シー・アイ・シー)も2025年8月に、自社や社員をかたる不審な電話・メールが増えているとして注意喚起を出しています。
そこでは、海外発信とみられる番号から「未払金がある」「クレジットカードが不正利用された」などと連絡してくる手口が挙げられていました。信用情報機関が、自動音声で個人に電話をかけてきて「1を押してください」と案内することは考えにくいので、相手にしないのが正解です。
⚠️ この電話の正体
これは国際的な特殊詐欺グループによる無差別攻撃です。
- 「+1 855…」「+1 833…」:アメリカやカナダのフリーダイヤルを装っていますが、発信元を偽装している可能性が高いです。
- 表示されている
1855...という番号は、ツールを使って偽装されたものである可能性が高く、実際には北米以外(東南アジアなどの詐欺拠点)から発信されているケースが多々あります。 - 「総務省」や「NTT」を名乗るケースも:公的機関や通信キャリア、今回のような信用情報機関を騙り、不安を煽ってきます。自治体の注意喚起でも「総務省を名乗り、2時間後に全ての通信サービスを停止する」という自動音声の例が紹介されています。
あなたの携帯電話が止まることはありません。 これは100%詐欺の電話です。
迷惑な国際電話は増えている:数字で見る「+1」詐欺
「最近やたらと海外からの電話が多い」と感じているのは私だけではないようです。公的機関や事業者のデータを見ても、国際電話番号を使った詐欺は明らかに増えています。
- 詐欺に使われる電話の約7割が国際電話番号に:京都府警の資料によると、詐欺に使われた電話のうち番号が分かったものに占める国際電話の割合は、2023年は約3割でしたが、2024年6月末時点では約7割に急増しています。
- 迷惑電話として登録された番号の約6割が国際電話:迷惑電話対策サービスを提供するトビラシステムズの調査では、2024年9月に迷惑電話として登録された番号のうち、国際電話番号が60.6%を占めました。国番号では北米の「+1」が最も多かったそうです。
- 各地の警察・自治体が注意喚起:埼玉県警、栃木県警、奈良県警など各地の警察が「+1や+44から始まる電話には出ない、かけ直さない」と呼びかけています。
犯行グループの拠点が海外に移り、国際電話番号を使って日本に無差別に電話をかける、というのが今の主流です。つまり「たまたま自分のところにかかってきた」のではなく、誰のところにもかかってくる前提で、事前に対策しておくことが大切です。
スマホでこのような怪しい電話にどう対応すべきか
怪しい電話の対応方法(鉄則3つ)

着信があった際、あるいは留守電が入っていた際の鉄則は以下の通りです。
🚨 絶対に「折り返し」てはいけない
「何かの間違いかな?」と思ってかけ直してはいけません。相手は「カモリスト(騙されやすい人の名簿)」を作っています。折り返すことで「この番号は使われていて、反応する人がいる」と知られ、今後さらに不審な電話が増える原因になります。
しかも、国際電話の番号にこちらから電話をかけると国際通話料がかかります。NTTドコモも、カケホーダイなどの定額通話プランに入っていても国際電話の発信は対象外で、思いがけず高額になる可能性があると注意を呼びかけています。
🚨 ガイダンスに従ってボタンを押さない
音声は「オペレーターにつなぐには1番を…」と誘導してきますが、絶対に押さないでください。ボタンを押すと、詐欺グループの「人間」が出てきます。「あなたの携帯が犯罪に使われた」「保釈金が必要」などと脅し、金銭を要求してきます。
最近は、通信会社を名乗る人物から警察を名乗る人物へと電話が転送され、登場人物が次々に変わる「劇場型」の手口も増えています。途中で本物の警察官のように振る舞われても、最初の入口が自動音声の国際電話なら詐欺です。
✅ 最強の対策は「無視」
着信があっても出ない。留守電が入っていても削除する。これが最も安全で効果的な対策です。正規の通信会社が、自動音声だけでいきなり数時間後の利用停止を予告することは絶対にありません。
本当に契約に問題があるなら、普段使っている通信会社のアプリやマイページ、請求書、ショップなどで確認できます。気になったときは、着信してきた番号ではなく、自分で調べた公式の窓口に問い合わせましょう。
もし対応してしまった場合はどうするか
「うっかりボタンを押してしまった」「相手と話してしまった」という場合でも、焦らず以下の対応をとってください。
- お金を払わない:「未納料金」「違約金」「保釈金」など、どんな名目でも絶対に支払ってはいけません。コンビニで電子マネーを買わせる手口はすべて詐欺です。
- 個人情報を伝えてしまった場合:住所や氏名、暗証番号などを伝えてしまった場合は、すぐに最寄りの警察署または警察相談専用電話(#9110)へ相談してください。
- クレジットカード情報を伝えてしまった場合:直ちにカード会社へ連絡し、カードの利用停止と再発行の手続きを行ってください。
- アプリのインストールや遠隔操作を指示された場合:指示されたアプリはすぐに削除し、ネットバンキングなどのパスワードを変更してください。不安なら警察や金融機関の公式窓口に相談しましょう。
迷惑電話の対策強化:二度と電話に出ないようにするには
この手の電話は一度かかってくると、しばらく続くことがあります。番号を変えて何度もかかってくるので、1件ずつ拒否するだけでは追いつきません。「そもそも鳴らない」「鳴っても詐欺だと分かる」状態をつくっておくのが、今の迷惑電話対策のポイントです。
[画像の追加候補: iPhoneの「不明な発信者を消音」の設定画面のスクリーンショット]🛡️ まずは着信拒否設定をする
かかってきた番号(例:18551504346)を着信拒否リストに登録してください。iPhoneなら着信履歴の番号の「i」マークから「この発信者を着信拒否」、Androidなら電話アプリの履歴から番号を長押しして「ブロック」で登録できます(機種によって表示は少し違います)。
ただし、詐欺グループは番号を次々に変えてきます。個別の着信拒否は「同じ番号から繰り返しかかってくるのを止める」ためのもの、と割り切り、次の対策と組み合わせましょう。
🛡️ 「国際電話の着信拒否」機能を活用する
海外に家族や友人がいない場合は、国際電話そのものを受けない設定にしておくのが一番効きます。ただし、固定電話とスマホ(携帯電話)とでは方法が違うので注意してください。
固定電話・ひかり電話の場合:国際電話不取扱受付センターで無料で休止できる
自宅や事務所の固定電話(ひかり電話を含む)は、「国際電話不取扱受付センター」に申し込むことで、国際電話の発信・着信を無料で休止できます。各地の警察も申し込みを勧めています。
- 電話:0120-210-364(通話料無料)オペレーター案内は平日9時〜17時、自動音声案内は24時間
- Web申込み:https://www.kokusai-teishi.com
実家の親の固定電話にこそ、この設定をしておくことをおすすめします。家族が代わりに手続きを手伝うこともできます。なお、申込みには一定の条件があるので、詳しくは申込時に確認してください。
スマホ(携帯電話)の場合:キャリアのサービスやアプリを組み合わせる
以前この記事では「大手キャリアで海外からの電話を一括で拒否する設定が無料で使える」と書いていましたが、調べ直したところ、固定電話のように申し込むだけで国際電話をまとめて無料で止められる仕組みは、携帯電話には用意されていません。訂正します。
警察の案内でも、スマホについては「キャリアの着信拒否サービスや、電話の着信を規制するアプリを使う」ことが勧められています。主なものは次のとおりです(料金や対応機種は各社の公式サイトで確認してください)。
- ドコモ:「迷惑電話ストップサービス」で番号を指定して拒否できます。また、スマホ本体の「不明な発信者」に関する設定や、「あんしんセキュリティ」(有料)での発信者の確認を案内しています。
- au:Android向けアプリ「迷惑メッセージ・電話ブロック」に、海外からの着信を「切断する」「警告する」「何もしない」から選べる機能があります(auスマートパス/auスマートパスプレミアム会員向け)。
- ソフトバンク:オプションの「ナンバーブロック」で、外国の番号も含めて拒否したい番号を登録できます。
🛡️ iPhone・Androidの標準機能で「知らない番号を鳴らさない」
- iPhone:「設定」→「アプリ」→「電話」→「不明な発信者を消音」をオンにすると、連絡先に登録していない番号からの着信は鳴らずに留守番電話へ回ります。着信履歴には残るので、あとで確認できます。(iOSのバージョンによってメニューの場所が違う場合があります)
- Android(Pixelの例):電話アプリの設定で「迷惑電話をブロック」をオンにすると、迷惑電話として多く報告されている番号をブロックできます。「ブロック中の電話番号」の「不明な発信者」は非通知の着信を拒否する設定で、知らない番号すべてを止めるものではない点に注意してください。
仕事で知らない番号からの電話を受ける必要がある人は、「消音」にしておいて留守電で用件を確認する、という運用にすると取りこぼしを防げます。
[内部リンク候補: iPhoneの設定・iOSアップデートに関する記事 https://www.dm2.co.jp/blog/36706 ]🛡️ 迷惑電話対策アプリを入れる
「Whoscall」などのアプリを入れると、知らない番号からの着信時に「詐欺の可能性あり」と画面に表示してくれるため、安心して無視できます。
また、トレンドマイクロの「詐欺バスター」は、栃木県警が無料で使える詐欺電話対策として紹介しています。Androidでは国際電話や詐欺電話を自動でブロックできるとのことです(iPhoneでは自動ブロックの範囲が異なります)。
🛡️ そもそも電話には出ない
実は私、かかってきた電話には出ません。数年前から基本的に誰からの電話にもでません。留守録された場合はその内容を聞いてから対応することにしています。
電話って現代に適合しない通信手段だと考えているからです。
今回公開した2つの留守録も、この運用のおかげで「出ずに、録音だけ残った」ものです。もし電話に出ていたら、相手のペースで話を聞かされていたかもしれません。
ですから、「電話にはでんわ!」という運用は真面目に現代に適した対策だと思います。
🛡️ 家族や職場で情報を共有する
自分は大丈夫でも、高齢の親や、電話に出ることが仕事になっている事務所のスタッフが狙われることもあります。「+1や+44から始まる電話には出ない」「1を押せと言われても押さない」の2点だけでも、家族や職場で共有しておきましょう。この記事のURLを送ってもらうのも歓迎です。
+1 855の電話についてよくある質問
Q. 電話に出てしまっただけで料金はかかりますか?
日本国内で、海外からの電話を受けるだけなら、基本的にこちらに通話料はかかりません。料金がかかるのは、こちらから折り返し電話をかけた場合です。ただし、海外渡航中にローミングで受けた場合などは別なので注意してください。(なお、契約プランによる例外もあります)
Q. 留守電を聞いてしまいました。大丈夫ですか?
留守電を聞いただけで被害が起きることはありません。大事なのは、その後に折り返さないこと、ボタンを押さないことです。不安なら、その番号を着信拒否に登録して留守電は削除しておきましょう。
Q. 本物の企業からの電話という可能性はありませんか?
+1 855は本来、北米企業のサポート窓口などで使われる番号なので、海外の通販サイトやサービスに自分から問い合わせた直後など、心当たりがある場合はあり得ます。ただし、心当たりがないのに自動音声で「利用停止」「未納」「不正利用」などと不安を煽ってくる電話は、詐欺と判断してください。確認したいときは、着信番号ではなく公式サイトに載っている窓口へ自分から連絡しましょう。
迷惑電話対応のまとめ
- 「+1 855」「+1 833」など「+1」からの電話は出ない。北米のフリーダイヤルを装った詐欺です。
- 「2時間後に止まる」は嘘。信用情報機関を名乗る留守録も同じ手口です。
- 折り返さない・ボタンを押さない。折り返すと国際通話料もかかります。
- 一番の対策は「無視」と「着信拒否」。固定電話は国際電話不取扱受付センター(0120-210-364)で無料休止、スマホはキャリアのサービス・標準機能・対策アプリを組み合わせる。
- 迷惑電話は増えているので、かかってくる前に設定しておくのが正解です。
このブログ記事が、不安に思っている誰かの助けになれば幸いです。もし周りに心配している方がいたら、ぜひ「それは詐欺だよ」と教えてあげてください。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
会社概要およびプロフィールは株式会社ドモドモコーポレーションの会社案内にて紹介していますので興味ある方はご覧ください。
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