ここ最近、農業を取り巻く環境には解決すべき課題がたくさんありますね。気候変動が激しくなり厳しい寒さ暑さが続いたり、人手不足や資材の高騰に悩まされたりと、農業をとりまく環境変化が起きています。そんな中、これからの農業経営をより良くするヒントを探そうと、2月6日に石川県農業法人協会が主催する「AI活用勉強会」が開催されました。今回は、私(遠田幹雄)が講師として登壇いたしました。会場となった石川農林総合事務所の会議室には、多くの農業関係者の皆さんが集まり、開始前から熱気あふれる時間となりました。
石川県農業法人協会「AI活用勉強会」
勉強会のテーマは「AIの近未来」

勉強会では、最新の生成AI技術をどのように農業の現場や日々の業務で活用できるかについてお話ししました。 一見難しそうに感じるAIですが、実は私たちの業務を効率化するだけでなく、人と人のコミュニケーションを助けてくれる強力なパートナーでもあります。
例えば、専門的な知識を一般の方にも分かりやすく言い換えたり、情報の正確さを確認するサポート役として使ったりと、AIの用途は多岐にわたります。参加者の皆さんは真剣な表情で耳を傾けてくださいました。時にはメモを取りながら、ご自身の農園での具体的な活用イメージを膨らませている様子がとても印象的でした。
AI活用デモも行いました
実例っぽい事例として「おうちでパン屋さん開業」という内容も紹介しました。これは、40歳代女性がAI「Gemini)を活用して開業準備の資料や販促物を作成したり、開業後の受注管理や分析にGASで自作したアプリを使い業務合理化したりする様子を紹介したものです。

このデモとして、
・Googleフォームで入力
・スプレッドシートでのデータ確認
・スプレッドシートでGeminiの分析→グラフ化もできる
・専用のWEBアプリでの分析→GASで作成
を行いました。
GASを使ったアプリの場面ではみなさんの視線がさらに熱くなりました。

そこで、この場でこのアプリをGeminiのGemを使って改造するという実演も行いました。そうして改造した画面が上記のものです。
この改造で期間設定に「今年」というボタンが追加されています。
このとき利用したのは「GASアプリメーカー」というGeminiのGemです。

このように自作のGASアプリで、自社の業務改善を自分たちの手で実施されるということができるというイメージを掴んでもらいました。
質問が止まらない!予定変更になるほどの熱気

※このイラストは実写した画像をGeminiで変換したものです、プライバシーに配慮して写真を使わずに臨場感を残すという意図で使っています
当初は勉強会の後に、各社の状況を共有する「情報交換会」を予定していました。しかし、会場からは私の想定をはるかに超える数の質問が次々と寄せられ、その回答とディスカッションだけで予定時間をオーバーしてしまうという嬉しいハプニングがありました。そのため、残念ながら形式的な情報交換会は中止となりましたが、それだけ皆さんがAI活用を「自分ごと」として真剣に捉えている証拠だと感じています。
ここで、会場で話題になった具体的な質問と、それに対する回答や議論の内容をいくつかご紹介します。現場のリアルな悩みや関心事が詰まっています。
質問:生成AIの回答が肯定的すぎて、逆に信じられなくなるときがあります。どうすればいいですか?
(回答と対策)
確かに、AIはユーザーに同調しようとして、何でも「はい、そうです」と肯定的な、もっともらしい文章を作ってしまう癖があります。
正確な情報を得るためには、質問(プロンプト)の仕方に工夫が必要です。「批判的な視点からも検討してください」とあえて反対意見を求めたり、「その根拠となるデータや事実を示してください」と指示したりすることで、情報の信頼度を高めることができます。
また批判的な回答をするようなクリティカルシンキングをするように生成AIに設定しておくという使い方も有効です。ChatGPTならカスタムGPT、GeminiならGem、これらを作成しておくことで批判的な回答をする専用AIを作る方法があります。
質問:Google Workspace Starterに付属しているGeminiを使っていますが、機密情報は守られていますか?
(回答と対策)
結論としては契約コースをStandardに変更することを提案しました。
業務で使う上でセキュリティは非常に重要です。Google Workspaceなどの法人向けプラン(Standard以上)で提供されているGeminiの場合、基本的には入力したデータがAIの学習に利用されないよう保護される規約になっています。ビジネスで利用する際は、無料版やStarterプランではなく、信頼できる有償プランを選び、適切な環境を整えるという「ふさわしさ」の判断が大切です。
質問:これまでChatGPTを使ってきましたが、Geminiに乗り換えたいです。その際、ChatGPTに蓄積された記憶(メモリ)をGeminiに移転できませんか?
(回答と対策)
今のところ、異なるAIサービス間で「記憶」を直接データ移行する機能はありません。しかし、あきらめる必要はありません。これまでのChatGPTとのやり取りの中で、特に重要だった「自分の業務スタイル」や「前提条件」などをテキストとして書き出し、それを新しいGeminiに「私の基本情報として覚えておいて」と読み込ませる方法はあります。手間はかかりますが、AIとの歩み寄りの地ならしとして有効です。
なお、直近のSNSでの情報によると、ChatGPTの記憶をGeminiに移転する機能をGoogleが開発し実装するらしいです。これが本当ならありがたいですね。
質問:クラウド会計のfreeeを使っています。このデータと連携して、管理会計用の分析をするために生成AIと接続することはできませんか?
(回答と対策)
これは非常に実務的で素晴らしい視点の質問でした。会場でも「どうすれば実現できるか」と活発な意見交換が行われました。 現状の解決策としては、大きく二つの方向性が検討されました。
一つは、freeeのアプリストアなどでAI連携機能を持つ拡張機能(APP接続)が提供されていないかを探し、API連携を行う方法です。
もう一つは、より手軽な方法として、freeeから必要な会計データをCSV形式でダウンロードし、それをGeminiなどの生成AIに読み込ませて「このデータを分析して、来期の経営改善案を出して」と指示する方法です。これなら専門的なプログラム知識がなくても、すぐに始められそうですね。
デープリサーチの実演
Geminiのディープリサーチを使った実演もやってみました。石川県白山市にある株式会社六星は農業法人としては巨大な企業になっています。そこで、この会社を調べてみようということになりました。
Geminiのディープリサーチで調査した結果はGoogleドキュメントに出力できます。そのURLをシェアしておきました。興味ある方は上記のページをご覧になってみてください。
まとめ
これら以外にも、ここでは紹介しきれないほど活発な意見交換が行われ、参加者の皆さんのAIへの関心の高さを肌で感じる一日となりました。
今回の勉強会を通じて、AIという新しい技術が、決して遠い存在ではなく、農業の現場での「正確で分かりやすい」業務運営の支えになることを実感していただけたなら幸いです。
当社ブログではAIに関するカテゴリでこれまでもタイムリーな記事を公開してきましたので参考にしてください。

ご参加いただいた皆様、そして素晴らしい機会をくださった石川県農業法人協会の事務局の皆様、本当にありがとうございました。
なお、勉強会参加者有志でこのあと懇親会があり、私も参加させていただきました。

懇親会会場は石川農林のお隣にある「オルソ」さんでした。人気のイタリアンの飲食店です。本日は貸し切りで満席になっていました。

乾杯はビールで。美味しく楽しくすごさせていただきました。幹事の方々には本当にお世話になりました。おありがとうございます。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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