これからキッチンカーでの開業を目指す方、特に「基本はひとりで運営する」という女性起業家の方から、よくこんなご相談をいただきます。
「レジアプリは、やっぱり有名な『エアレジ』がいいんでしょうか?」
CMでもよく見かけますし、まずはエアレジを検討しますよね。もちろん、エアレジは素晴らしいシステムです。 しかし、あなたのビジネススタイルによっては、「Square(スクエア)」の方が圧倒的に使いやすく、しかもコストを抑えられる可能性が高いのです。
今日は、小規模事業者にとって実は奥が深い「Squareの活用メリット」について、エアレジとの比較を交えてお話しします。
一人サービス業で最適なレジシステム
飲食店=エアレジ一択ではない?
まず、エアレジが最強になるのは「店舗を構える飲食店」です。特にリクルートが提供する『レストランボード』という予約台帳システムと連携させた時、その真価を発揮します。「どのテーブルに誰が座っていて、空席はどこか」を管理する必要があるなら、エアレジ(+レストランボード)は非常に強力な味方になります。

しかし、キッチンカーはどうでしょうか?
座席の管理(テーブルマッピング)は基本的に不要ですよね。お客様はテイクアウトがメインで、スピード勝負。 こうなると、エアレジの高機能な座席管理機能はオーバースペックになりがちです。
「ひとり運営」にSquareが強い理由

キッチンカーのような、移動販売かつワンオペ(一人運営)のビジネスにおいて、Squareは以下の点で非常に相性が良いのです。

① 初期費用がスマホ一台で完結する Squareは、既にお持ちのiPhoneやAndroidスマホにアプリを入れれば、すぐにクレジットカード決済やタッチ決済の端末として使えます。 一方、他のレジシステムでは専用のiPadや周辺機器の購入が必須条件になることが多く、初期費用がかさみがちです。
② レシートプリンターがなくてもOK レジ導入で意外と高いのが「レシートプリンター」です(2〜5万円します)。 Squareなら、レシートはお客様のスマホへSMS(ショートメール)やメールで送信する「電子レシート」が標準機能。 「紙のレシートが欲しい」という稀なケースだけ手書き領収書で対応すれば、高額なプリンターを買わずにスタートできます。
「週末はキッチンカー、平日は交流会」というハイブリッドな働き方

最近増えているのが、キッチンカーだけで生計を立てるのではなく、平日は別の顔を持つ「ハイブリッド起業家」です。
例えば、「平日はビジネス交流会やセミナーを主催している」というケース。
ここでエアレジを使っていると、「飲食店のレジ」を交流会の会費集めに使うことになり、少し違和感が出たり、設定が複雑になったりします。
一方、Squareはここが奥深いところ。「請求書作成」や「リンク決済」の機能が標準装備されています。 交流会の参加費を事前にオンライン決済してもらったり、当日はスマホ一つでサッと決済したり。「飲食」と「イベント」という全く異なる業種を、一つのアカウントで違和感なく管理できるのがSquareの強みです。
無料でネットショップも作れる

さらに、Squareには「Squareオンラインビジネス」という機能があり、無料でネットショップを作成できます。
キッチンカーのファンがついたら、オリジナルのグッズや、冷凍したスープなどをネット販売したくなりませんか? 実店舗(キッチンカー)の売上と、ネットショップの売上が一つの管理画面で見られるのは、忙しい個人事業主にとって大きなメリットです。
エアレジとSquareの比較表
ここで主要な機能やレジ周りのサービスについて調べた比較表を作成しました。
| 項目 | Square (スクエア) | Airペイ (エアレジ連携) |
|
1. 決済手数料 |
2.50% | 2.48% |
|
その他カード |
3.25% | 2.48%〜3.24% |
|
QR決済手数料 |
3.25% | 3.24%(COIN+は1.08%など安価) |
|
2. 入金サイクル |
翌営業日(みずほ・三井住友) |
月6回(みずほ・三菱UFJ・三井住友) |
|
入金サイクル |
カードと同じ(最短翌日) |
月1回(月末締め翌月末払い) |
| 3. 振込手数料 | 0円 | 0円 |
| 初期費用 |
端末代 4,980円〜 |
端末無料(iPadは自己負担) |
「現金の回収スピード(入金サイクル)」を最優先するならSquare、「わずかでも決済手数料の安さ」を徹底するならAirペイが有利です。ただし、AirペイはQR決済の入金が遅いという大きな注意点があります。
【応用編】こんな使い方も!「投げ銭サイト」
Squareの決済機能は非常に柔軟で、アイデア次第でいろんなことができます。 例えば、私が実験的に運営しているこちらのサイトをご覧ください。
これはSquareの機能を使って作った「投げ銭(寄付・応援)」を受け付けるサイトです。 「サービスへの対価」だけでなく、こうした応援金を募るような仕組みも、難しいプログラミングなしで構築できてしまいます。
まとめ:小さく始めて大きく育てるなら
-
座席管理が必要なレストランなら「エアレジ」
-
身軽に動きたいキッチンカーや、イベント主催もする個人事業主なら「Square」
これから開業する方は、単に「有名だから」で選ぶのではなく、自分のビジネススタイル(移動はあるか? 複数業態か? 初期費用は?)に合わせて選んでみてください。
Squareはシンプルに見えて、使い込むほどに「こんなこともできるの?」という発見がある、非常に奥深いツールですよ。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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