月末にドメイン失効して月初めにホームページが見えなくなったという事故が増えていますのでご注意ください

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独自ドメイン自社の独自ドメインを保有し続けるためにはドメイン管理料金がかかります。ドメイン管理料金は通常1年更新で、契約しているドメイン管理会社(お名前ドットコムやエックスサーバーなど)で自動更新していることが多いと思います。
これがうまくいかないときにドメインが失効してしまいます。原因は、自動更新にしてなかったとか、自動更新にしてあったが登録していたクレジットカードの有効期限が切れていたとか、というようなうっかり系のミスが多いです。このようなドメイン失効が起きた場合の対処について紹介しておきます。

ドメインが失効するとホームページが見えなくなりメールの送受信ができなくなります

独自ドメインが失効するとどうなるか?

独自ドメインが失効してしまうとインターネットでの自社の存在が消えてしまいます。

まず、独自ドメインのホームページが見えなくなってしまいます。これまで表示されていた独自ドメインをブラウザで開いた場合に「DNS_PROBE_POSSIBLE」というエラー表示になります。

エラーメッセージ「DNS_PROBE_POSSIBLE」は通常、ドメイン名システム (DNS) の問題を示しています。DNSは、ウェブサイトのドメイン名をIPアドレスに変換するシステムで、このエラーは通常ウェブサイトのドメイン名を解決できない場合に発生します。ドメイン操作のミスということもありますが、これまで表示できていた独自ドメインが突然このエラー表示になった場合は、ほとんどがドメインの有効期限の失効です。

ホームページのエラー表示と同時に、これまでやりとりできていた電子メールのアドレスが無効になるため、メールの受信も送信もできなくなります。

外部との通信ができなくなってしまいますので、とても困った事態になってしまいます。

当社の独自ドメインは「dm2.co.jp」ですが、このドメインが失効してしまうと、ホームページが見えなくなり、メールのやりとりもできなくなるので、社会的に抹殺されてしまうくらいのインパクトがあります。怖いです。

もしドメインが失効してしまったらどうするか

ドメインが失効しても、一定期間であれば復旧できる手段が残されています。利用してたドメイン管理会社にもよりますが、復旧のためのサポートをしてくれるはずです。

おおむね以下の3段階でのサポートになります。

  1. 更新猶予期間:
    • ドメインの有効期限が切れた後も一定期間(更新猶予期間)内であれば、通常のドメイン更新手続きを行うことでドメインを復旧できます。更新手続きを完了させた場合、失効中に利用できなかったドメインは、更新後数時間~72時間で復旧されます​。
  2. 復旧交渉:
    • 更新猶予期間を過ぎてしまった場合、レジストラーと言われるドメイン管理会社を通じて復旧交渉を行うことができます。ただし、復旧交渉には通常の更新料金よりも高額な復旧交渉手数料が必要となります​。
  3. 自動失効と削除:
    • ドメインの有効期限が切れ、更新が行われない場合、ドメインは自動的に失効し、有効期限日から45日以上経過した時点で削除されます(ドメインの種類によって日数は異なります)​​。

失効したドメインの復旧は時間との戦いになります。まずは初動を早く、すぐに対応しましょう。失効から72時間以内であれば比較的すみやかな復旧を見込むことができます。

削除されたドメインを再取得する方法

また、削除されたドメインを再取得するための待機期間は、ドメインの種類によって異なりますが、一般的には削除されてから約30日後に一般公開されることが多いです。これを「ペンディングデリート期間」と呼びます。

確実に再取得する方法としては、ドロップキャッチサービスを利用する方法があります。これらのサービスは、ドメインが一般に再リリースされる瞬間を狙って、自動的に登録を試みます。しかし、競争が激しいドメインの場合は、他の人や業者も同様に取得しようとするため、確実性は保証されません。

この段階で取得に失敗すると他の事業者がドメインを取得することになります。そうなると、権利を持った事業者と交渉して譲ってもらうしかなくなります。その場合は高額な料金を要求されることが予測できますので、現実的ではありません。

しかし、そのドメインが詐欺サイトなどに不正な利用をされてしまうと、企業としてもダメージがありますので要注意です。

とにかく、日がたつにつれドメインの復旧が難しくなりますので、気がついたらすぐに行動しましょう。

ドメインの管理は誰がしているのか?

なお、ドメインの管理は独自ドメインを申し込んだレンタルサーバー管理会社にすべての権限があるわけではなく、世界的には階層ごとに権限がわかれてルールが決められて運用されています。

以下はドメイン管理の概要です。

    1. ICANN (インターネットの名前と番号の割り当てに関する国際的な非営利団体):
      ICANNは、インターネットのドメイン名システム(DNS)を調整し、IPアドレスとドメイン名の割り当てを監督する組織です。また、トップレベルドメイン(TLD)の登録を認定する役割も担っています。
    2. レジストリ:
      レジストリは、特定のトップレベルドメイン(例: .com、.org、.netなど)のデータベースを管理します。レジストリは、ドメイン名の登録情報を保持し、ドメイン名が一意であり、正しく機能することを保証します。日本では、株式会社日本レジストリサービス (JPRS) が代表的です。
    3. レジストラー:※一般的にドメイン管理を契約しているのはレジストラーです
      レジストラーは、エンドユーザーにドメイン名の登録サービスを提供する企業や組織です。レジストラーは、ドメイン名の登録、更新、および転送を処理し、エンドユーザーとレジストリ間のインターフェースを提供します。
      レジストラーとしてはお名前ドットコムなどが有名ですが、他にもエックスサーバーやさくらインターネットなど、多数のインターネット企業があります。これらの企業群は、ドメイン管理やドメイン登録業者として
    4. DNSプロバイダ:
      DNSプロバイダは、ドメイン名をIPアドレスに解決するためのDNSサービスを提供します。これにより、ユーザーはウェブブラウザにドメイン名を入力するだけで、対応するウェブサイトにアクセスできます。
      一般的にインターネット上にWEBサーバーをサービス提供しているレンタルサーバー業者はDNSプロバイダーとしての機能を提供しています。また、上記のレジスタラーとしての機能も有し、ユーザーに対してワンストップでサービス提供している場合が多いです。
    5. ローカルDNSサーバ:
      ローカルのDNSサーバは、特定のネットワーク内でDNSクエリを処理し、ドメイン名をIPアドレスに解決します。

これらの組織とシステムは、連携してインターネットのドメイン名とアドレスの管理を支えています。

ドメインが失効した場合は、契約しているレジストラーの管理下を離れているので、上位のレジストリ(日本ではJPRS)に対して申請や承認などの手続きが必要になります。だから手続きがややこしくなるんですね。

ドメインの自動更新ができるようにしておき、さらに定期的なチェックをしましょう

今回はドメイン失効という、ちょっと暗いテーマでしたが、このようなことが起きないように普段から注意しておきましょう。

ドメイン失効を避けるためには、以下の点に注意してドメインの管理を行うことが重要です。

・更新のスケジュールを確認
ドメインの有効期限を確認し、カレンダーにリマインダーを設定しておくことで、更新のスケジュールを見逃さないようにできます。

・自動更新の設定
できれば、ドメイン登録業者のサイトで自動更新を設定してください。これにより、ドメインの有効期限が切れる前に自動的に更新されるため、失効を避けることができます。

・連絡先情報の更新
レジストラーからの通知を確実に受け取るために、登録時に提供した連絡先情報(電話番号、メールアドレスなど)を常に最新の状態に保ってください。とくに自社のインターネット担当者が退社したり異動があったりするとこの情報の更新がされないことがあるので要注意です。

・レジストラーからの通知を確認
レジストラーからの通知やアラートを確認し、必要に応じて対応してください。これには、ドメインの更新通知やセキュリティ関連の通知などが含まれます。

・ドメイン登録業者との良好な関係
ドメイン登録業者との良好な関係を維持し、必要に応じてサポートを求めることができるようにしてください。

・ドメインの状態を定期的に確認
ドメインの状態や設定を定期的に確認し、必要な更新や変更を行ってください。

・登録情報の確認と保管
ドメイン登録の情報を安全な場所に保管し、必要に応じて確認できるようにしてください。

これらの点に注意することで、ドメイン名の失効を予防し、ドメイン名の管理を効果的に行うことができます。

独自ドメイン

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