AI(人工知能/ディープラーニング)GAS:GoogleAppsScript

Gemini4ArgonがAI Studioの従量課金で使えるようになったので、GASでモデル比較アプリを作って3.8 Flashと比べてみました

この記事は約9分で読めます。

Googleの「Gemini 4 Argon」が、Google AI StudioのAPIキー(従量課金)で使えるようになりました。

Gemini4

私は毎日のブログ草稿をGASからGemini 3.8 Flashで生成しています。そこで、執筆モデルをGemini 4に替える価値があるのかを確かめるため、モデルを切り替えて出力を比べられるGASアプリを作りました。※作ったのはClaude Codeですけどね(笑)

結論から言うと、Gemini 4 Argonの性能は良さそうです。

私が想定していたより費用も安く済みました。ただし今回はGemini同士の比較で、ClaudeやChatGPTとは比べていません。本当の評価はこれからです。この記事では、作ったアプリの仕組みと、比較で得られた数字をそのまま紹介します。

Gemini 4 ArgonがAPIキーの従量課金で使えるようになった

Gemini 4 Argonは、Googleが2026年9月30日に発表したGemini 4ファミリー最初のモデルです。AI Studioでこのモデルを選ぶと、「Google AI Ultraプラン、またはGemini APIキーが必要」という案内が表示されます。

Gemini APIキー(右側): 開発者が自身の外部アプリケーションやサービスにGeminiを組み込み、本番環境で運用するためのプランです。使用した分だけ支払う従量課金制であり、利用規模に応じたAPI制限の緩和が受けられます。Gemini APIキー(右側): 開発者が自身の外部アプリケーションやサービスにGeminiを組み込み、本番環境で運用するためのプランです。使用した分だけ支払う従量課金制であり、利用規模に応じたAPI制限の緩和が受けられます。

つまり、Ultraの月額契約がなくても、従量課金のAPIキーがあればGASから呼び出せます。

料金(100万トークンあたり)は次のとおりです。どちらも現在は期間限定の導入価格で、出力料金には思考トークンが含まれます。

モデル 入力 出力 導入価格の終了後
Gemini 4
Argon
2ドル 10ドル 入力4ドル/出力20ドル
(時期は未発表)
Gemini 3.8
Flash
0.75ドル 3.75ドル 入力1.50ドル/出力7.50ドル
2027年1月から

単価だけを見ると、「Gemini4Argon」は「Gemini3.8Flash」の約2.7倍です。私のAI Studioの利用額は月1,000円前後(直近28日間で約684円)で、上限は3,000円に設定しています。この範囲に収まるかどうかが、切り替えを判断するうえでの現実的な関心事でした。

モデル比較用のGASアプリをClaude Codeで作りました

Gemini4を使えるGASで作ったChat

まずClaudeと相談して設計書を作り、それをClaude Codeに渡して実装してもらいました。使いながら改良を重ね、現在はv1.1です。主な機能は次のとおりです。

  • 比べる枠を2〜4つ選択:「モデル×思考レベル」の組み合わせを1枠として、同じプロンプトを同時に送ります。
  • 2つのモード:「自由チャット」と、本番に近い条件の「ブログ執筆(情報収集メモから)」です。
  • ブラインド表示:モデル名を伏せ、W/X/Y/Zの記号で表示します。
  • AIによる自動採点:審判はgemini-3.8-flash(思考MEDIUM)に固定しています。回答の並び順を入れ替えて2回判定し、平均を取ります。採点項目は、正確性・有用性・具体性・分かりやすさ・指示の守り方(各20点、計100点)と、「根拠の見当たらない記述」の件数です。
  • 人間の確認:AIの判定に対して「納得/納得しない」と一言コメントを付けられます。
  • 費用の2本立て表示:「いま」の価格(導入価格)と、導入価格終了後の「定価」を並べて表示します。応答秒数とトークン数も出します。
  • 予算ガード:1日の上限を500円とし、超えたら送信を止めます。
  • 記録と集計:すべての呼び出しをスプレッドシートに記録し、集計画面でモデル別の平均を見られます。

「定価」の列を用意したのは、導入価格のうちに判断すると、値上げ後に予算を超えてしまうおそれがあるからです。

テストの条件

比較したのは次の4枠です。最大出力トークンはすべて8,192にそろえました。

枠 モデル 思考レベル
BASE gemini-3.8-flash MEDIUM
(現在の執筆と同じ設定)
B gemini-3.8-flash HIGH
(高め)
C gemini-4-argon LOW
(低め)
D gemini-4-argon MEDIUM
(中程度)

システムプロンプトは「あなたは中小企業診断士の実務を手伝うアシスタントです。日本語で、結論を先に、簡潔に答えてください。不確かなことは推測せず『確認が必要』と書いてください。」です。

チャットのお題には、診断士の実務に近い相談を選びました。GA4のセッション数と購入数、受注管理の注文数、サーチコンソールのクリック数を前年と比べ、改善計画と効果試算をPythonコード付きで出してもらう内容です。

チャット比較の結果(1ラウンドの例)

上記のお題での1ラウンドの結果です。ブラインドを外すと、記号とモデルの対応は次のとおりでした。

順位 枠 点数 出力/思考トークン 費用
(いま/定価)
応答時間
1位 Argon・
思考LOW
99.5点 4,331/0 6.7円/13.5円 58.8秒
2位 Argon・
思考MEDIUM
95.5点 2,847/0 4.5円/9.0円 42.4秒
3位 3.8 Flash・
思考MEDIUM
87点 2,844/824 2.2円/4.3円 27.9秒
4位 3.8 Flash・
思考HIGH
49.5点 2,704/5,484 4.7円/9.4円 58.3秒

Argonの2枠は、どちらも「結論を先に」という指示を守っていました。効果試算や制約条件の整理まで含めて、実務でそのまま使える回答でした。3.8 Flash・思考MEDIUMの分析も質は高かったのですが、回答の冒頭が計算コードから始まり、「結論を先に」という指示を外していたため減点されました。

3.8 Flash・思考HIGHは、思考に5,484トークンを使った結果、出力が上限の8,192トークンに達しました。改善計画の途中で回答が切れ、点数が大きく下がっています。思考レベルをHIGHにするなら、最大出力トークンも増やす必要があるというのが、このテストで得た実務上の教訓です。

なお、このラウンドでは2回の判定にかかった費用が4.7円でした。採点も自動化すると、評価そのものにも費用がかかる点は覚えておきたいところです。

集計結果(チャット3ラウンド+記事1本)

Gemini4の性能測定

集計画面の数字です。まず、AI判定による評価をまとめました。

種別 枠 評価回数 平均点 1位の割合 根拠なし
(平均件数)
記事 Argon・
思考LOW
1 93 100% 0
記事 Argon・
思考MEDIUM
1 91.5 0% 0
記事 本番の下書き
(参考)
1 82 0% 4
チャット Argon・
思考LOW
3 97.7 33% 0
チャット Argon・
思考MEDIUM
3 97.2 33% 0
チャット 3.8 Flash・
思考MEDIUM
(基準)
3 93.5 0% 0.3
チャット 3.8 Flash・
思考HIGH
3 82.8 67% 0

次に、呼び出し1回あたりの費用と速さです。失敗率はすべて0%でした。

種別 枠 平均費用
(いま)
平均費用
(定価)
平均秒数 平均の出力+
思考トークン
記事 Argon・
思考LOW
7.82円 15.63円 53.4秒 3,151
記事 Argon・
思考MEDIUM
8.28円 16.56円 55.3秒 3,458
チャット 3.8 Flash・
思考HIGH
3.5円 7円 43.1秒 6,091
チャット 3.8 Flash・
思考MEDIUM
(基準)
1.6円 3.2円 20.2秒 2,706
チャット Argon・
思考LOW
4.05円 8.1円 34秒 2,564
チャット Argon・
思考MEDIUM
3.54円 7.07円 31.4秒 2,222

数字から読み取れること

Gemini4の性能測定

  1. 品質はArgonが上:チャットの平均点はArgonが97点台で、基準の3.8 Flash(93.5点)を上回りました。基準と直接比べた勝敗は、どちらのArgon枠も2勝1敗です。
  2. 思考はLOWで十分そう:Argonの思考LOWとMEDIUMの差は、点数・費用ともにわずかでした。今回の用途なら、LOWで足りそうです。
  3. 根拠のない記述が減った:記事モードでは、現行パイプラインの本番の下書きが82点で、根拠の見当たらない記述が4件ありました。Argonはどちらの枠も0件です。私が最も気にしている「もっともらしいが裏付けのない記述」が減るなら、後工程のファクトチェックが楽になります。
  4. Argonが出力を膨らませる傾向は見えなかった:Argonは出力トークンが多いという評判を聞いていましたが、このテストではそうなりませんでした。一番多くトークンを使ったのは3.8 Flash・思考HIGHでした。
  5. 費用は約2.5倍、速度は1.5倍ほど遅い:チャット1回あたり、Argonは約4円、3.8 Flashは1.6円でした。応答時間は30秒台と20秒です。
  6. 3.8 Flash・思考HIGHは不安定:1位の割合は67%と最も高いのに、平均点は最下位です。うまくいけば強いものの、出力が途中で切れると大きく崩れます。

ブログ執筆に使った場合の費用

記事1本あたりのArgonの費用は約8円(定価で約16円)でした。毎日1本、月30本を書いても月約240円、値上げ後でも約480円です。事前の机上シミュレーションでは1本約29円と見積もっていました。実測は、その3分の1以下に収まりました。今の月1,000円前後の予算に、十分収まる水準です。

現時点の判断:Gemini 4は良さそう、ただし本当の評価はこれから

今回の結果からは、Gemini 4 Argonは品質・指示の守り方・根拠の確かさで3.8 Flashを上回りました。増える費用も、月数百円の範囲に収まりそうです。ただし、次の点に注意が必要です。

  • 試行回数がまだ少ない:記事は1本、チャットは3ラウンドだけです。傾向をつかむには十分でも、結論を出すには足りません。
  • 審判が3.8 Flash:格下のモデルが格上のモデルを採点している可能性があります。ブラインドと並び順の入れ替えで偏りは抑えていますが、限界はあります。
  • ClaudeやChatGPTとは比べていない:私のワークフローでは、GASで作った草稿を最終的にClaude Codeでリライトしています。本当に確かめるべきなのは、「Gemini 4の草稿にすると、リライトの手間がどれだけ減るか」です。
  • 導入価格は期間限定:3.8 Flashは2026年末まで、Argonは終了時期が未発表です。判断には「定価」の列を使うのが安全です。

次は、記事モードの試行を10本以上に増やします。あわせて、審判を別系統のモデルに替えた判定も試し、ClaudeやChatGPTも比較枠に加えるつもりです。そのうえで、執筆ステップだけをArgon・思考LOWに切り替え、1か月分の実際の費用を確認する予定です。結果が出たら、またこのブログで報告します。

まとめ

  • Gemini 4 Argonは、Google AI StudioのAPIキー(従量課金)でGASから呼び出せるようになりました。
  • Claude Codeで作ったモデル比較アプリで試すと、Argonはチャットで平均97点台、記事で93点でした。いずれも3.8 Flashを上回っています。
  • 費用は記事1本あたり約8円で、毎日書いても月240円程度でした。値上げ後でも約480円と、事前の見積もりより安く済みました。
  • Argonは思考LOWで十分そうです。3.8 Flashで思考HIGHを使うなら、最大出力トークンの設定に注意が必要です。
  • ClaudeやChatGPTとの比較はこれからで、本当の評価はそこからです。

参考:Gemini 4 Argon 開発者ガイド(Google Cloud)、Gemini 4 Argonの料金解説(eesel)、Gemini 3.8 FlashのAPI料金(THE BRIDGE)

どもども通信のメルマガは毎月1日発行です

どもども通信

当社の月刊情報誌の「どもども通信」をPDFでご覧いただくことができます。

どもども通信

詳しくは上記のリンクをクリックして専用ページでお確かめください。

どもどもメルマガイメージ
なお、当社にはメルマガが2つあります。

「どもどもカフェ(毎週日曜日夜発行)」のメルマガと「どもども通信(毎月1日発行)」のメルマガの2つです。

この2つのメルマガは別の内容ですのでご注意ください。

【本日の運試し】

どもどもおみくじで本日の運試しをしてみませんか?

おみくじボタン

  • ラッキーモード:大吉の確率50%
  • 標準モード:標準的な確率です
  • いばらの道モード:大吉の確率1%
シェアする