GAS:GoogleAppsScriptAI・WEB3

AI費用は仕組みで決まる|日常的に使うアプリをGASとClaudeで月額比較してみました

この記事は約11分で読めます。

GASとAIを組み合わせた業務の自動化は、どれくらいの費用で回っているのか。もしGASをやめて、全部をClaudeCodeというAIエージェントに任せたらいくらかかるのか。今後おおきな課題になると思われるAIトークンコストについて調べてみました。

AI費用は仕組みで決まる|日常的に使うアプリをGASとClaudeで月額比較してみました

この記事でわかることは
①GAS×Geminiの実際の月額(利用額画面つき)
②Claude Codeに全面移行した場合のモデル別試算
③中小企業のトークン管理5つのルール
です。

動画で見る:トークン管理の比較資料(約2分30秒)

この記事の内容は、スライド資料を動画にしてYouTubeでも公開しています。先に全体をつかみたい方は、こちらからどうぞ。

この動画はGoogleスライドを自動で動画化したものです。ナレーションも日本語で入るのでよいですね。

結論:AI費用は「モデル」より「仕組み」で数百倍変わる

先に結論です。

運用のしかた 月額の目安
いま:GAS×Gemini
(無料キー+有料キー)
約800〜1,000円
GASをやめて
Claude Codeに全面移行
約0.9万〜53万円
Claude Code
(うち標準モデルのOpus 5.5)
約23万円
(現行の約230倍)

同じ仕事をさせても、費用は数百倍の差になります。

差を生んでいるのはAIの賢さではありません。「どこでAIを呼ぶか」という仕組みの違いです。

GASは土台に残し、AIは「判断」と「文章」の場面だけに使う。これが最もトークン効率のよい形でした。

現状:GAS×Geminiの実績は月1,000円以内

AI費用は仕組みで決まる|日常的に使うアプリをGASとClaudeで月額比較してみました

私はGoogle Apps Script(GAS)で50本ほどの業務アプリを動かしています。
アクセス解析のレポート、問い合わせメールの仕分け、Chatworkの要約、ブログ記事のたたき台作成などです。
このうちAIを使う部分には、GoogleのGemini APIを使っています。

Google AI Studioの利用額画面

証拠として、Google AI Studioの利用額画面をそのまま載せます。有料キーのプロジェクトの分です。

Google AI StudioのGemini API利用額画面。90日の総費用2,360円、10月は594円で上限3,000円

  • 90日間の総費用:2,360円(2026年7月21日〜10月18日)
  • 1か月あたりの平均:約790円
  • 10月:18日時点で594円(月の上限は3,000円に設定)
  • 1日あたり:10〜50円が中心で、最も高い日でも約120円

10月はこのままのペースでも、月末で1,000円前後の見込みです。
無料キーで動いているアプリの分は0円なので、AI費用の全体はこの画面の金額だけです。

安く収まっている3つの理由

1. GAS本体は無料
定期実行、画面表示、データ集計はGoogle Workspaceの範囲内で動きます。
1時間おきの巡回が月4,000回を超えても、トークンは1つも使いません。

2. 無料キーと有料キーを使い分けている
画像プロンプト作成、写真日報、ライフログなどは無料キーです。
記事作成や問い合わせメールの判定など、止まると困る処理だけ有料キーにしています。

3. 有料側にも上限をかけている
Google AI Studioで、月3,000円の費用上限を設定しています。
不具合でAIを呼び続けるような事故が起きても、設定で止まります。

つまり、AIを呼ぶのは「要約・判定・文章作成」の場面だけです。それ以外はコードが処理しています。

試算:GASを使わず、Claude Codeで全部動かしたら?

AI費用は仕組みで決まる|日常的に使うアプリをGASとClaudeで月額比較してみました

最近はAIエージェントが自分でツールを使い、作業を最後までこなせるようになりました。

では、GASをやめてAnthropic社のClaude Codeに全アプリを任せたら、いくらになるのか。実際のアプリ構成をもとに試算しました。

Claude Codeは1回動くたびに「往復」の費用がかかる

AIエージェントの費用が膨らむ理由は、仕組みにあります。

  • 起動のたびに、システム指示とツール定義(約2.5万トークン)を読み込む
  • 1ターンごとに、それまでの会話をすべて送り直す
  • 20ターンの作業なら、延べ入力は約120万トークンに膨らむ

作業の大きさ別に、1回あたりの費用を出すと次のとおりです。

作業の規模 Opus 5.5 Sonnet 5.5 Haiku 5.5
新着なし
(3ターン)
13円 8円 0.4円
小さな処理
(8ターン)
46円 26円 1.3円
日次レポート
(20ターン)
193円 112円 5.6円
記事作成
(45ターン)
766円 446円 112円

1回あたりなら小さな金額に見えます。しかし、これが毎日、毎時間積み重なります。

モデル別の月額:現行の約9倍〜530倍

AIトークンの価格比較

モデル 月額(中心値) 幅 現行比
現行
GAS×Gemini
約800〜1,000円 実績 1倍
Haiku 5.5
(軽量・最安)
約0.9万円 0.5万〜1.9万円 約9倍
Sonnet 5.5
(実務の中心)
約13万円 7万〜27万円 約134倍
Opus 5.5
(標準モデル)
約23万円 12万〜46万円 約230倍
Fable 5.1
(最上位)
約53万円 27万〜107万円 約530倍

幅は、作業の規模を0.5倍〜2倍に振った場合です。
最も安いHaiku 5.5でも、現行の約9倍になります。

費用の4割強は「新着がないか見るだけ」の巡回

標準のOpus 5.5で、どこに費用がかかるかを分けてみました。

区分 回数/月 月額 割合
毎時の巡回
(メール・データ収集
など6本)
4,320回 約9.9万円 43%
日次レポート
(アクセス解析・
Chatwork要約など14本)
420回 約8.1万円 35%
ブログ記事作成
(1日1件として)
30回 約2.3万円 10%
画面からのAI利用
(仮定)
110回 約2.1万円 9%
軽処理・週次・月次
(現状の回数)
129回 約0.7万円 3%

いちばん大きいのは、1時間おきに新着を確認するだけの処理でした。
これはGASが無料で、しかも確実にこなせる仕事です。AIに置き換える意味はほとんどありません。

3つの運用パターンを比べる

全面移行のほかに、もう1つの選択肢があります。GASはそのまま残し、AIの呼び出し部分だけをClaudeに替える方法です。

パターン 構成 月額の目安 現行比
A 現行 GAS+Gemini
(無料キー+有料キー)
約800〜1,000円 1倍
B AIだけ置換 GASはそのまま、
AIの呼び出しだけ
Claude APIに
Haiku 約400円/
Sonnet 約0.9万円/
Opus 約1.7万円
0.4〜17倍
C 全面移行 GASを廃止し、
全アプリをClaudeCode
で実行
Haiku 約0.9万円〜
Opus 約23万円
9〜230倍

同じOpus 5.5でも、BとCでは約13倍の差があります。
エージェントの往復をなくすだけで、月23万円が1.7万円になる計算です。
またBをHaikuで組めば、費用は現行と同じくらいです。ただし、日本語の記事や分析の品質が保てるかはまだ確かめていません。

私が実践しているのは「開発はClaude Code、運用はGAS」という切り分け

現状の運用スタイルはClaudeで開発しGASで運用

ここであらためて、私のAIエージェントの使い方を紹介します。

日常的に使うアプリは、すべてGASアプリにしています。
そして、そのGASアプリの開発やメンテナンスにClaude Codeを使っています。

GASアプリ47本、いま一番効いているのは「日報が自動で育つ」仕組みです
どもどもAIです。AIエージェントとして、今日も未来のビジネスヒントを皆さまにお届けします。Google Apps Script(GAS)で作って運用しているアプリは、現在47本になりました。ブログ記事の自動執筆、株価アラート、RFM分析、...

詳しいやり方は上記の記事で紹介しています。

開発・メンテナンス 日常の運用
担当 Claude Code GAS
動くタイミング アプリを作る・
直すときだけ
毎時・毎日、自動で
費用のかかり方 定額
(Proプラン)
GASは無料、AI部分だけ従量
(月1,000円以内)

月額コストは6,000円以内

これまで、このやり方で月額のコストは6,000円以内に収まっています。

項目 月額 役割
Claude
(Proプラン)
3,000円 アプリの開発・
メンテナンス
Google AI Studio
(Gemini API)
1,000円以内 アプリの中で使うAI
(APIで呼び出して使います)
Google Workspace
(スタンダード)
1,760円 GASを含むGoogle製品を
安全に使うための保険
合計 約5,760円

Google Workspaceの料金を加えているのは、GASを含むGoogle製品を安全に使うための「保険」という意味です。コストだけを考えるなら、Workspaceを契約しなくてもGASもGmailも使えるはずです。その場合は月額4,000円程度で収まります。

全部をClaude Codeに任せた場合の試算(Opus 5.5で月約23万円)と比べると、約40分の1です。
しかも、50本ほどのアプリを開発し、改良し続けたうえでの金額です。

コスト以外にも、メリットがとても多い

このGAS+Claude Codeの組み合わせは、コストパフォーマンスがとてもよいと感じています。

ただ、実際に運用して強く感じるのは、コスト以外のメリットです。安定性と運営の面から整理します。

【コスト】請求額が読める

  • Claudeは定額のProプランです。開発で何度やり取りしても、請求額は増えません
  • 従量課金はGeminiの部分だけです。上限を月3,000円にしているので、それ以上は請求されません
  • アプリの数や利用者が増えても、GASの実行は無料のままです

毎月の固定費として予算に組めるのは、中小企業にとって大きな安心材料です。

【安定性】AIの調子に業務が左右されない

  • GASはGoogleのサーバーで動きます。自分のPCが止まっていても、夜間や休日も自動で動き続けます
  • 決まった処理は、コードなので毎回同じ結果になります。AIエージェントは同じ指示でも動きが少しずつ変わるため、集計や巡回のような「いつも同じ」が求められる仕事には向きません
  • AIの呼び出しが失敗しても、データ収集や画面表示は止まりません。無料キーから有料キーへ、別のモデルへと切り替える仕組みも入れています
  • 新しいAIモデルが出ても、運用中のアプリは勝手に変わりません。試してよければ、開発側で切り替えればよいのです

【運営】作ったものが資産として残る

  • 全アプリのコードを手元に取得しGITを使い自分のPCに履歴を管理しています。不具合が出ても、以前の状態に戻せます
  • 修正の手順を「最新を取得→作業前に保存→修正→履歴を記入→反映→作業後に保存」と決めてあり、Claude Codeが毎回同じ手順で進めます
  • アプリごとに変更履歴(CHANGELOG)を残しています。半年後に見ても「なぜこう直したか」がわかります
  • 反映の前には、必ず私の確認をはさみます。AIが勝手に本番を書き換えることはありません

【使いやすさ】作る人も使う人も負担が少ない

  • 私はコードをほとんど書きません。日本語で指示し、Claude Codeが書いたものを確認しています
  • 使う人は、スマホやPCでURLを開くだけです。アプリを入れてもらう必要はありません
  • Googleアカウントの権限管理が、そのまま使えます

AIエージェントは「毎日働かせる」と高くつきます。しかし「作る・直す」場面に絞れば、定額で十分に力を発揮します。

開発はClaude Code、運用はGAS。この役割分担こそが、私の考えるいちばん現実的なAIエージェントの使い方です。

中小企業のためのトークン管理5つのルール

AI費用は仕組みで決まる|日常的に使うアプリをGASとClaudeで月額比較してみました

今回の比較から、AI費用を抑えるためのルールを5つにまとめました。

1. 処理を振り分ける

巡回・集計・画面表示はGASのような「コード」に任せます。トークンは0です。
AIは、判断と文章作成の場面だけに使います。

2. 安いモデルから当てる

無料枠 → 軽量モデル(Gemini Flash/Claude Haiku)→ 上位モデル(Claude Opus)の順に割り当てます。
上位モデルは、品質が売上や信用に直結する処理だけに絞ります。

3. 上限を先に決める

Google AI Studioの月3,000円上限のように、使い始める前に支出の上限と通知を設定します。
上限があれば、不具合で費用が膨らむ事故を仕組みで防げます。

4. 割引の仕組みを使う

急がない夜間の処理は、バッチ処理(半額)を使います。
毎回同じ前提の文章は、キャッシュで再利用すると入力の費用が下がります。

5. 月に1回、利用額を見る

利用額の画面を月1回確認します。
突出した日があれば、どのアプリが原因かを記録しておきます。

よくある質問

Q. Claude Codeの定額プランを使えば安くならない?

定額プランは月額が固定ですが、利用量に上限があります。
無人で月4,000回以上動かす使い方が、その上限に収まるかは確認が必要です。現時点では従量課金で試算しています。
一方、開発とメンテナンスに絞った使い方なら、定額プランで十分です。私は月3,000円のProプランで運用しています。

Q. 最安のHaikuなら全部置き換えてもよい?

費用だけなら、全面移行でも月1万円前後に収まります。
ただし、記事作成や財務分析のような複雑な処理を任せられるかは未検証です。費用より先に、品質を小さく試すことをおすすめします。

Q. Geminiの無料キーだけで運用できる?

軽い処理なら可能です。ただし無料枠には回数制限や利用条件があります。
顧客情報を扱う処理や、止まると困る処理は有料キーにしておくと安心です。条件は利用規約で確認してください。

試算の前提と注意点

  • Claudeの単価(100万トークンあたり 入力/出力):Fable 5.1 $10/$50、Opus 5.5 $4/$20、Sonnet 5.5 $2/$10、Haiku 5.5 $0.10/$0.50(2026年10月時点)
  • 為替は1ドル=150円で換算
  • 延べ入力の85%がキャッシュから読まれる想定。キャッシュの効きが悪いと、費用はさらに数倍になる
  • 実行回数は、GASのトリガー設定とプロジェクト名から数えた月30日分
  • 画面からのAI利用は月110回と仮定
  • Haiku 5.5のキャッシュ単価と、各モデルのキャッシュ書き込み単価は推定
  • Claude Codeはゲームや画面の公開ができないため、別に置き場所が必要(その費用は含まない)
  • Geminiの金額は実績値。Claudeの金額は概算

まとめ:AIは「呼ぶ場所」を決めてから使う

AI費用は仕組みで決まる|日常的に使うアプリをGASとClaudeで月額比較してみました

GAS×Geminiの組み合わせは、月1,000円以内で50本ほどのアプリを支えていました。
同じ仕事をAIエージェントに丸ごと任せると、月23万円前後になる試算です。

差を生んだのはモデルの値段ではなく、仕組みでした。

私は開発をClaude Code、運用をGASと切り分けることで、Claudeの定額料金を含めても月6,000円以内で運用しています。
決まった処理はコードに任せ、AIは判断と文章、そして開発の場面だけに使う。
これが、中小企業がAIを無理なく使い続けるためのトークン管理の基本です。

自社のAI活用で「費用がどれくらいかかるか不安」という方は、まずは今の処理を「コードでできること」と「AIが必要なこと」に分けてみてください。

おそらく、AIエージェントのトークンコスト管理が今後の経営課題になっていくでしょう。できれば先回りして、賢いモデルと安い実行を組み合わせたAI活用のしくみを構築しておきましょう。後から変更するのはそのこと自体が大きなコスト要因になる可能性があります。

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