4月28日のIE脆弱性問題が発表されてからWebBrowserのシェアが急変動、5月初旬はIEよりサファリの利用者が多かった

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webbrowserのシェアが急変動WebBrowser(ウェブブラウザ)のシェアが急変動している。ウェブブラウザとはWEBサイトを閲覧するためのソフトで、マイクロソフト社のインターネット・エクスプローラー(IE)やグーグル社のクロームやアップル社のサファリなどがある。これまで、ブラウザといえばIEが圧倒的なシェアを誇っており、IEがブラウザの代名詞だった。しかし、その牙城は大きく崩れている。
大きなきっかけは4月28日にマイクロソフト社がIEの脆弱性を発表したことだ。TVニュースでも大々的に報道されたこともあり、ITセキュリティ面から「IEを使わないで」という指令がでた企業や団体も多かったはずだ。その結果、IEを使わずクロームやサファリを使ったユーザーが増加したようだ。

webbrowserはIE脆弱性問題で急変動。アクセス解析を見ると、5月初旬はサファリやクロームの利用者の方が、IE(インターネット・エクスプローラー)より多かったというWEBサイトが多かった。

webbrowserはIE脆弱性問題で急変動

このグラフは、このブログ「tohdamikio.com」のグーグルアナリティクス(アクセス解析)のもので、閲覧ユーザーの利用ブラウザを折れ線グラフで示したものだ。4月28日にIEの脆弱性のニュースが発表されてから、利用ブラウザのシェアが急変動しているのがわかる。5月1日は、IEもクロームもサファリもほぼ同数で、5月2日以降はIEが急低下し、サファリが伸びている。

月間アクセス数(セッション数)が1万以上のWEBサイトのアクセス解析を複数確認したが、ほぼ同様の傾向が確認できた。ネットショップだけでなくサービス業や趣味性の強いWEBサイトでもIEのシェア低下は顕著だった。

この現象はいくつかの要因が重なっており、以下のことが推測できる。

  • IE脆弱性が発表されてからユーザーがIEの利用を控え、IE以外のブラウザとして、PCならクロームやファイヤーフォックスを利用した
  • ネット閲覧にPC利用を避け、スマフォやタブレットを利用した
  • GW期間中だったこともあり企業が休業中でPC利用が少なかった
  • そもそも土日祝日はパソコンからの閲覧は激減するが、スマフォからの閲覧は平日と変わらないくらいある
  • 日本ではスマフォとタブレットはiPhoneなどアップル利用が多く、その場合のブラウザはサファリとなる

このような条件が重なった結果、IEよりサファリが多いという結果になった。

このことは、「IE+PC」よりも「モバイル+サファリ」のほうが多かった、という捉え方をしたほうがよさそうだ。

次のグラフでは、「IE」、「クローム」、「ファイヤーフォックス」、「モバイルとタブレット」の4つで比較した。

PCとモバイルのアクセス推移

このグラフと上記のグラフのふたつをよく見比べると、サファリはほとんどがモバイルアクセスだったことがわかる。またIEは減少したがクロームが増加していることもわかる。

つまり、

  • IEの代替ブラウザにはPCがなら主としてクロームが使われた
  • PCを使わずスマフォやタブレットが使われた

という2つの現象の合わせ技だったといえる。

GW明けの5月7日以降は、企業もビジネスをスタートするのと、IEの修正プログラム配布が始まっているのでIEはある程度復活するはずである。

しかし、ウェブブラウザの利用はいっきに混沌としたカオス状態になった。これからメインのブラウザはというとIEと言い切れなくなったことは間違いないだろう。

なお、この分析はアナリティクスによる簡易なものであり、インターネット利用者全体のことを必ずしも正しく表現しているとはいえないので参考までに。