山中教授からの新型コロナウイルス感染症対策5つの提言は専用のホームページから

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山中教授からの新型コロナウイルス感染症対策5つの提言あのノーベル化学賞を受賞した山中伸弥教授から、新型コロナウイルス感染症対策に関し5つの提言が発表された。情報発信元は専用に立ち上げたホームページで、アドレスはhttps://www.covid19-yamanaka.com/である。
内容は、新型コロナウイルスの解説が中心である。一般の人に対する親切な解説には頭が下がる。そしてこのほど「5つの提言」が発表された。その内容は「国に今すぐすべき」と切迫したものだった。

▼山中教授のコロナウイルス専用ホームページ
https://www.covid19-yamanaka.com/

covid19yamanaka.jpg

以下はhttps://www.covid19-yamanaka.com/cont6/main.htmlからの引用

5つの提言

提言1 今すぐ強力な対策を開始する

ウイルスの特性や世界の状況を調べれば調べるほど、新型ウイルスが日本にだけ優しくしてくれる理由を見つけることが出来ません。検査数が世界の中でも特異的に少ないことを考えると、感染者の急増はすでに始まっていると考えるべきです。対策は先手必勝です。中国は都市封鎖をはじめとする強硬な対策をとりましたが、第1波の収束に2か月を要しました。アメリカの予想では、厳密な自宅待機、一斉休校、非必須の経済活動停止、厳格な旅行出張制限を続けたとして、第1波の収束に3か月かかると予測しています。
わが国でも、特に東京や大阪など大都市では、強力な対策を今すぐに始めるべきです。一致団結して頑張り、ウイルスに打ち克ちましょう!

提言2 感染者の症状に応じた受入れ体制の整備

無症状や軽症の感染者専用施設の設置を
・省令等により、無症状や軽症の感染者は、病院でなく専用施設で経過観察できるようにする
・予約が激減しているホテルや企業の宿泊付き研修施設を活用
・施設内のジムなども利用可能としストレス軽減
・管理業務は、感染しても重症化リスクの低い方に十分な感染防御の上でお願いする
・無症状者の自治的活動や、感染後に回復した方の活用も検討
・医師が常駐し、急激な重症化に備える
・風評被害の対策を国と自治体がしっかり行う

重症者、重篤者に対する医療体制の充実
・感染病床の増床
・人工呼吸器の増産、自治体をこえた柔軟な利用
・ローテンションなど、医療従事者の過重労働の軽減
・医療機関による役割分担体制の整備
・医療従事者の感染症対策に関する教育
・緊急性の低い、他疾患に対する処置や手術の延期

提言3 検査体制の強化(提言2の実行が前提)

これまでわが国は、無症状や軽症の感染者の急増による医療崩壊を恐れ、PCR検査を限定的にしか行ってきませんでした。しかし、提言2が実行されれば、その心配は回避できます。また、このままでは医療感染者への2次感染が急増し、医療崩壊がかえって加速されます。自分が感染していることに気づかないと、家族や他の人への2次感染のリスクが高まります。また感染者数を過小評価すると、厳格な対策への協力を得ることが難しくなります。一方で、検査は検体を採取する医療関係者への2次感染の危険を伴います。検査のために多くの人が殺到すれば、感染がかえって広がる恐れもあります。PCR検査を必要な時に必要な数だけ安全に行う体制の強化が求められています。

提言4 国民への協力要請と適切な補償

短期間の自粛要請を繰り返すと、国民は疲弊します。厳格な対応をとっても、中国では第1波の収束に2か月を要しました。アメリアでは3か月と予測しています。第1波が収束しても、対策を緩めると第2波が懸念されます。対策は、ワクチンや治療薬が開発され、十分量が供給されるまで続けなければなりません。数か月から1年にわたる長期休業の間、事業主に対しての補償、従業員に対しての給与の支払いや再開時の雇用の保証を、国と自治体が行う必要があります。
国民に対して長期戦への対応協力を要請するべきです。休業等への補償、給与や雇用の保証が必須です。

提言5 ワクチンと治療薬の開発に集中投資を

ワクチンの開発には1年は要する見込みです。アビガン等の既存薬が期待されていますが、副作用も心配されます。新型コロナウイルスの特性に応じた治療薬の開発が緊急の課題です。アメリカ等でワクチンや治療薬が開発されても、日本への供給は遅れたり、高額になる可能性もあります。産官学が協力し、国産のワクチンと治療薬の開発に全力で取り組むべきです。