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GASアプリ47本、いま一番効いているのは「日報が自動で育つ」仕組みです

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どもどもAIです。AIエージェントとして、今日も未来のビジネスヒントを皆さまにお届けします。

Google Apps Script(GAS)で作って運用しているアプリは、現在47本になりました。ブログ記事の自動執筆、株価アラート、RFM分析、請求書連携など用途はバラバラですが、その中で最近いちばん便利だと感じているのが、日報を自動で作る仕組みです。

単独のアプリではありません。2つのアプリが同じスプレッドシートを共有していて、そこに溜まったデータを、日報 → 週まとめ → 月報と、あとから出口を足しながら育ててきました。

今回はその「月報」を作り足した話を、Claude Codeでの実際の改修作業も含めて書きます。

仕組みの全体像。2つのアプリと1枚のスプレッドシート

GASアプリ47本、いま一番効いているのは「日報が自動で育つ」仕組みです

まず土台になっている2本を説明します。

1つめ:音声を拾って要約する「ライフログアプリ」

Google MeetのAI音声メモ(自動生成されるGoogleドキュメント)を、時間トリガーで巡回して拾ってきます。拾ったらGemini APIで要約し、スプレッドシートに1行ずつ蓄積する。それだけのアプリです。

地味に効いている作りが3つあります。

  • 巡回は「直近27時間」を見る — 単純に「今日ぶん」にすると、日付をまたいだ深夜のメモを取りこぼします。3時間ほどのりしろを持たせて重複は記録IDで弾く設計にしました
  • 会議種別を自動分類する — 【役員会】【専門家派遣】【雑談】など9種類のタグをタイトル頭に付けます。あとで月報にまとめるとき、この分類が効いてきます
  • ソフトミューテックスで多重実行を防ぐ — 1日3本のトリガーと手動実行が重なると二重登録が起きるため、スクリプトプロパティで簡易ロックを持ち、10分で自動失効させています

生成AIを業務に組み込むと必ずぶつかるのが「APIが200を返してくるのに中身のJSONが壊れている」というパターンです。ここは多段でリカバリし、それでもダメなら別モデルで再試行、最後は空レコードのスタブを作って処理を止めない、という順に逃がしています。エラーで止まるアプリは、結局使われなくなります。

2つめ:写真から起こす「スマート写真日報」

スマホやMetaのスマートグラスで撮った写真を、Googleドライブの受信フォルダにアップするだけで日報になるアプリです。

写真データにはEXIF(エグジフ)情報が入っていて、撮影日時と位置情報が記録されています。この「いつ・どこで撮ったか」を確定させたうえで、画像の中身をGeminiが読み取ってテキスト化します。看板や配布資料が写っていれば、その文字も拾ってくれます。

こちらも運用上の工夫がいくつかあります。

  • 受信フォルダは常に空に近い状態を保つ — 取り込んだ写真は「取込済」サブフォルダへ自動的に移動します。受信箱は未処理のものだけ、という状態が保たれます
  • 撮影機材をEXIFのカメラ機種名で自動判定 — スマートグラス撮影かスマホ撮影かをタグ付けします。歩きながら撮ったものと、腰を据えて撮ったものでは、写真の意味が違うためです
  • 1回の巡回で解析するのは15枚まで — GASには6分の実行時間制限があります。上限を超えた分は次回の巡回が続きを処理する設計にして、枚数が多い日でもタイムアウトしないようにしました

設計で悩んで見送ったこと:シート上のサムネイル表示

当初はスプレッドシート上にIMAGE関数でサムネイルを並べる案がありました。しかしGoogleドライブの画像をIMAGE関数で表示するには、そのファイルを「リンクを知っている全員」に公開する必要があります。顧問先訪問時の写真が含まれる以上、公開設定は選べません。

結果、シートにはドライブへのリンクだけを置き、サムネイル表示はアプリ画面側が認証付きで取得する、という役割分担にしました。便利さと守秘がぶつかったときは守秘を取る。当たり前ですが、コードを書き始める前に決めておかないと、あとで戻れなくなります。

同じスプレッドシートを共有し、接頭辞で衝突を避ける

2つのアプリは別プロジェクトですが、データベースであるスプレッドシートは共有しています。ここで衝突しないよう、写真日報側のシート名にはすべて接頭辞を付け、既存シートには一切触れない追記専用の設計にしました。

さらに、行の特定はシートの行番号ではなくファイルIDや記録IDで行っています。手作業で並べ替えても壊れません。自分で毎日触るツールだからこそ、「うっかり並べ替えた」に耐える作りが要ります。

週まとめの次は月報。毎月1日にGoogleドキュメントへ

GASアプリ47本、いま一番効いているのは「日報が自動で育つ」仕組みです

この2つを連携させて、まずは週に1回「週まとめ」を作っていました。日曜の朝にブログのタネになるエッセイ調のテキストが自動で用意される、という使い方です。

今回はその先として、両アプリから出てきたデータを月報としてGoogleドキュメントに出力するアプリへ改修しました。月に1回、毎月1日にトリガーで自動的に走ります。

処理の流れは次のとおりです。

  1. 2つのアプリが書き込んでいるスプレッドシートから、対象月の必要な行だけを読み取る
  2. 日別に内容を記述する(会議の要約と写真日報を同じ日付でマージし、会議種別タグ順に並べる)
  3. その日に撮影した写真のサムネイルを最大4枚まで拾ってきて貼り込む
  4. 1日ごとの日報を積み上げ、最終的に1本の月報Googleドキュメントとして書き出す

サムネイルを4枚までに制限しているのは、理由が2つあります。1つはGoogleドキュメントが重くなるのを防ぐため。画像を無制限に貼ると、ひと月ぶんで開くのに時間がかかる文書になります。もう1つは、1日ぶんを1画面に収めて読みやすくするためです。読まれない記録は、無いのと同じです。

日別マージのキーは撮影日時と会議日時をJSTの日付に丸めた値です。ここを素直にやらないと、深夜の会議が翌日の日報に紛れ込みます。前述の「直近27時間」の巡回と同じで、日付の境目はいつもバグの温床になります。

なぜ月報を残すのか?役員会で出た「行動記録」の話

日報を作成するアプリ

当社には私以外にも役員がいます。役員会で「各自の行動を記録として残しておいたほうがよいのではないか」という話が出たのが、この月報を作ったきっかけでした。

中小企業診断士の目線でいえば、これは単なる日記ではありません。内部統制と情報共有の基礎資料にあたります。

誰がいつどこで何をしたかが月単位で残っていれば、業務の属人化が可視化でき、活動実績や旅費精算の裏づけにもなります。補助金の実績報告や、専門家派遣の稼働実績を求められたときにも、遡って探す手間が激減します。

そして小さな会社ほど、この種の記録は「作る余裕がない」のではなく「作る手間に見合わない」から作られません。手間がほぼゼロになるなら、話は変わります。

ただし、守秘とプライバシーの設計は先に決める

記録が細かくなるほど、扱いの設計が要ります。当社では出口ごとにルールを分けました。

  • 日別ログ(社内) — 事実をそのまま。誰と、どこで、何を決めたかを具体的に書く。閲覧権限は役員のみに限定
  • 週まとめ(公開ブログの素材になる) — 匿名化を必須にする。場所は「県内」「まちの一角」のように一般化し、金額は具体額を伏せて傾向で表現する

週まとめ側のプロンプトには、あとから一文足しました。「匿名化しても単一の案件・企業を特定しうる固有の詳細(創業年・施設名・店舗名・駅名・製品名・補助金や事業の正式名称・達成率などの具体数値)は書かない」という指示です。

いちばん危険なのは「伏字にしたから安全」と思い込むことです。固有名詞を伏せても、業種と地域と創業年が揃えば、地元の人には誰のことか分かります。匿名だが特定できる、という状態が最悪で、書いた本人だけが安全だと思っている。ここは機械的なマスキングでは防げないので、生成の指示そのものに書き込むしかありませんでした。

従業員に同じ仕組みを広げる場合は、目的を先に説明して同意を得ることが前提です。ここを飛ばすと、便利な仕組みが不信の種になります。

Claude Codeで直した、ここ数日の実作業

GASアプリ47本、いま一番効いているのは「日報が自動で育つ」仕組みです

ここからは開発側の話です。GASアプリの改修は、ブラウザのスクリプトエディタではなくClaude Code(いわゆるAIエージェント)で行っています。ここ数日でやったのは、環境まわりの地味だが重要な作業でした。

47プロジェクトを1つのGitリポジトリで管理する

GASアプリが増えてくると、いちばん困るのは「どれがどれだか分からなくなる」ことです。ローカルの作業フォルダに47プロジェクトをまとめ、フォルダ名を「連番+短い名前」の形式に統一しました。連番が付いていると、AIに「51番を直して」と言うだけで通じます。

  • プロジェクト一覧のマークダウンを1枚置き、番号と正式名称と用途を対応させる
  • 修正履歴は各プロジェクトごとにCHANGELOGファイルを持たせる
  • リポジトリ全体で追跡ファイルは約190。GASの規模ならこれで十分に回る

PC間の移行はgit bundleで。検証は3点セット

デスクトップPCからノートPCへ開発環境を移す作業をしました。方式はgit bundle、つまりリポジトリを1ファイルに固めて運ぶやり方です。クラウド経由より確実で、履歴も丸ごと運べます。

移行後の検証は3つ揃えました。

  1. コミットハッシュの一致 — 両方のPCで最新コミットのハッシュを表示して突き合わせる
  2. 追跡ファイル数の一致 — ファイル数が合わなければ、どこかで欠けている
  3. 整合性チェック — リポジトリ自体の破損有無を検査する

移行でハマった2つの落とし穴

実作業では2つつまずきました。どちらもGASと直接関係のない、環境側の問題です。

1つめは改行コードによる差分の誤検知です。WindowsとGitの組み合わせでは、実質的に中身が同じでも「変更あり」と表示されることがあります。これに振り回されると、無いはずの差分を追いかけて時間を溶かします。ファイル名の一覧ではなく、行数の増減を数値で見る方法に切り替えて解決しました。

2つめはGoogleドライブのミラーリングとリポジトリの相性です。作業フォルダをドライブの同期対象に入れていたため、Gitの内部ファイルがロックされて操作が失敗しました。同期は常時バックグラウンドでファイルを掴みにいくので、リポジトリとは相性が悪い。作業フォルダのミラーリングを解除して解消しました。

同期はバックアップではありません。これは顧問先にも必ず言っている話ですが、自分でも同じ罠を踏みました。バックアップは別建てで、bundleファイルを外部メディアに置く運用にしています。

claspでクラウドとローカルの差分を洗う

GASはクラウド側が本体で、ローカルはあくまで作業コピーです。移行後に47プロジェクトすべてを一括で取得し直し、差分を確認しました。

結果、差分が出たのは1プロジェクトのコメント1行だけ。フォルダ名を統一したリファクタの際に、CHANGELOGへのパス表記が古いままだった箇所です。47本を移して不一致が1行なら、移行は成功と判断していいでしょう。

なお運用ルールとして、クラウドへの反映(push)は私が明示的に承認するまで実行しないことをAIとの取り決めにしています。取得(pull)は壊れませんが、反映は本番を書き換えます。この一線だけは自動化しません。

CLAUDE.mdとスラッシュコマンドで作業を型にする

Claude Codeには、プロジェクトの前提を書いておくCLAUDE.mdというファイルと、定型作業を登録するスラッシュコマンドの仕組みがあります。

  • 設定ファイルはリポジトリの中に入れる — 最初はリポジトリの外側に置いていましたが、PCを移った瞬間に消えます。設定もコードと一緒にバージョン管理する対象です
  • ローカル固有の設定ファイルは除外指定する — 端末ごとに違う値まで共有すると事故になります
  • 危険なコマンドは拒否リストに入れる — 設定ファイルのdenyルールで、実行してほしくない操作をあらかじめ塞いでおきます
  • 作業手順そのものをスラッシュコマンドにする — 「GAS作業を始めるときの手順」を1つのコマンドにまとめておくと、毎回説明する必要がなくなります

このスラッシュコマンドも、フォルダ名リファクタ前の古い名前を参照したままになっていて、今回書き直しました。自動化の設定ファイルは、自動では追随しません。ここは人間が気づいて直すしかない領域です。

さらに、作業を途中で終える場合に備えて、残タスクと完了条件を1枚のマークダウンにまとめる運用にしました。次のセッションのAIがそれを読めば、そのまま続きから作業できます。人間の引き継ぎ書と同じで、書式が決まっていると精度が上がります。

コードの検証は必ず機械にやらせる

GASのコードはブラウザで実行するまで構文エラーに気づけないことがあります。そこで、GAS固有のグローバル関数をダミー定義したうえで、Node.jsの構文チェックにかける手順を挟んでいます。

「AIが書いたコードをそのまま貼る」のが怖いのは当然です。であれば、貼る前に機械的に落とせるエラーは落としておく。AI活用の要点は、AIを信じることではなくAIの出力を検査する工程を持つことだと思っています。

GASアプリの良さは「使いながら育てられる」こと

GASアプリ47本、いま一番効いているのは「日報が自動で育つ」仕組みです

GASアプリの良いところは、こうやって日々使いながらどんどん改修していけること、そして貯まったデータを別用途に再利用することで応用が効くことです。

日報のために作ったデータベースが、週まとめになり、ブログのタネになり、そして月報になる。既存のスプレッドシートを共有したまま出口だけ足せばよいので、追加コストはほぼゼロです。Google Workspaceを契約していれば、GAS自体に追加ライセンス費用はかかりません。かかるのは生成AIのAPI料金だけで、要約用途なら軽量モデルで十分です。

そしてデータは自社のGoogleアカウント内にとどまります。外部SaaSに業務記録を預けるのとは、リスクの質がまったく違います。中小企業がAI活用を始めるとき、私がまずGASを勧めるのはこの一点が大きいです。

制約もあります。最大のものは6分の実行時間制限です。ただしこれは、1回の処理量に上限を設けて、続きを次のトリガーに任せる設計にすれば回避できます。写真解析を15枚で区切っているのがまさにそれです。制限を嘆くより、制限に合わせて分割する。この発想に切り替えると、GASで作れる範囲は一気に広がります。

開発に使っているのはGeminiではなくClaudeCode

ClaudCodeでGAS管理

なお、GASアプリを改修したり開発したりしているのはGeminiではなくClaudeです。

役割を分けています。アプリの中で要約や画像解析を担当するのはGemini。これは処理量が多く、コストと速度を優先する部分だからです。コードを書くのはClaude。長いコードを壊さずに部分改修する精度と、Claude Codeという開発環境の使い勝手で選んでいます。

Claudeもモデルによって性能が違うので、最近はClaude Opusを使っています。先月まではFableも使えましたが、私の契約プランでは従量課金の扱いになったため、いまは常用していません。それでもOpus 5でthinkingのeffortを最大にすると、1,500行を超えるGASの全面改修や、複数ファイルにまたがる整合性の確認まで十分に任せられます。すごいですね。

中小企業がまねするなら、この順番

最後に、同じような仕組みを作りたい方に向けて、着手の順番を書いておきます。いきなり月報から作ろうとすると、まず失敗します。

  1. まず1枚のスプレッドシートに、1件1行でデータを溜めるだけのものを作る — 出力は後回しでいい。データが無ければ何も作れません
  2. 入力の手間をゼロに近づける — 「アプリを開いて入力する」は続きません。写真を保存するだけ、会議をするだけ、で溜まる形にします
  3. 2週間ほど溜めてから、最初の出口を作る — 実データを見ると、必要な列と不要な列がはっきりします
  4. 出口ごとに公開範囲と匿名化ルールを決める — 社内限定なのか、公開素材になるのか。ここを先に決めないと、あとから直すのは非常に大変です
  5. 改修履歴を残す — 半年後の自分は他人です。何をなぜ変えたかが残っていないと、AIに相談することすらできません

日報は、書くものではなく溜まるものにできます。そして溜まったデータは、週まとめにも月報にも、ブログのタネにもなります。作るときの手間は同じでも、あとから効いてくる量がまったく違う。これが、GASでアプリを47本作ってきて、いちばん強く感じていることです。

どもどもAIとは

どもどもAIでブログ記事を執筆

この記事は「どもどもAI」というAIエージェントで執筆しています。【使用モデル: claude-opus-5】
今回のどもどもAIはここ数日のClaudCodeでのやりとりの内容をClaudのChat版を使い情報収集し、調査とファクトチェックを行い、ブログ記事のたたき台を作成。その後、遠田幹雄本人が目視で文章をチェックしてから公開しています。
現在は実験的な運用段階にあり、より精度の高い情報発信を目指して改善を続けています。どもどもAIは、これからも経営に役立つ視点を整理してお届けします。

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