農業アグリビジネス

羽咋市神子原にある「神子の里」代表の武藤一樹さんのオープンセミナーを聴講してきました

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「神子の里」代表の武藤一樹さんのオープンセミナー石川県羽咋市神子原に「神子の里」という農産物直売所があります。この施設は「公設民営」という形式で羽咋市がハード整備をし、民間組織が運営を受託するというものです。運営主体である株式会社の代表が武藤一樹さんです。武藤さんはもともと神子原で「神音カフェ」というカフェを運営していたのですが、周りから推されて社長になったという人物です。どんなお話をされるのか興味深くてこのセミナーに参加しました。

いしかわ耕稼塾オープンセミナー

オープンセミナーは全4回

このシリーズでは4回のセミナーが予定されています。今回は3回めでした。

2月1日(土)は「神子の里」代表の武藤一樹さんの発表でした

「神子の里」代表の武藤一樹さんのオープンセミナー

会場は石川県地場産業振興センターの新館2階でした。

「神子の里」代表の武藤一樹さんのオープンセミナー

土曜日ということもあり、この日のイベントは少なかったです。

「神子の里」代表の武藤一樹さんのオープンセミナー

農業関係者の受講が多かったようです。

「神子の里」代表の武藤一樹さんのオープンセミナー

明るく楽しくセミナーが始まりました。

武藤一樹さんとは?

武藤さんは1976年生まれの48歳で、絵と音楽を愛するクリエイティブな感性を持つ方です。学生時代を過ごした金沢美術工芸大学で奥様と出会い、ご縁があって石川県に移住されました。

「神音カフェ」は2006年に開業。約70年前に建てられた神子原地区の古民家を改装し、3年ほど空き家になっていた建物を店舗兼住居として活用して営業を始めました。その後、武藤一樹さんは事業を拡大し、2023年9月8日には古民家の納屋と蔵を改装した宿泊施設「神音Stay」もオープンしています。

そして、羽咋市神子原地区にある「神子の里」の代表として、地域と農業の未来をつなぐ取り組みに尽力されています。

「神子の里」の経営と「みこはらメソッド」

武藤さんの講演では、石川県の神子原(みこはら)地区で進める「神子の里」の経営について詳しくお話しいただきました。特に注目を集めたのが、独自の農業経営手法「みこはらメソッド」です。

「みこはらメソッド」の特徴

このメソッドは、単なる農業経営にとどまらず、地域に根ざした持続可能なビジネスモデルを築くことを目的としています。具体的な特徴は以下のとおりです。

  • 地域に根ざした農業経営の実現
    → 地域の特性を活かし、地域資源を活用した経営を行う
  • 売上1億円超を目指す具体的な戦略
    → 小規模農業でも収益性を高める工夫を取り入れる
  • 収益性と持続性の両立を重視
    → 環境負荷を抑えながら、安定した経営を目指す
  • 経営改善のポイントを明確化
    → 効率的な作業方法や新しい販路の開拓を実践

印象的だった取り組み

特に興味深かったのは、以下のような具体的な取り組みです。

マーケティングとブランド戦略の重要性
地域ブランドを確立し、価値の高い農産物として販売する工夫を紹介されました。パッケージデザインやストーリーテリングが消費者の共感を生む重要な要素であることを強調されていました。

観光事業との連携による収益向上
農業体験や地域の食材を活かした飲食店とのコラボレーションなど、観光と農業を組み合わせることで、新しい収益源を生み出す方法を実践されています。

農産物の再開発と「くらしまもり」
地域の伝統野菜や作物を再評価し、新たな価値を見出すことで、地元の農業を活性化させる取り組みです。「くらしまもり」とは、農産物を活用したライフスタイル提案で、消費者に農業の魅力を伝える新しい手法として注目されています。

農業の未来に向けて

武藤さんは、「デザインすることの重要性」についても語られました。農業を単なる生産活動として捉えるのではなく、地域とともに未来を描くプロセスであると考えることが重要だとおっしゃっています。

さらに、「ワークシェアリング」の考え方も紹介されました。地域の人々と協力しながら「ちょっとした仕事を助けてもらう」ことで、農業をもっと身近なものにし、持続可能な形にすることができるとのことです。

武藤さんのセミナーを聞いて

今回の講演を通じて、農業は単なる生産活動ではなく、地域とのつながりを深め、新しい価値を生み出せる産業であることを再認識しました。

「みこはらメソッド」は、地域資源を活用し、持続可能な農業経営を実現するためのヒントを与えてくれます。これからの農業経営に、新しい視点とアイデアを取り入れ、より豊かな未来を築いていきたいと感じる内容でした。

最後に遠田が当日このセミナーを聞きながら書いたメモ(マインドマップ形式)をここに備忘録として残しておきます。