「.store」ドメインの移管で困ったことが起きました。これまでJIMDOで運用していた「.store」ドメインのサイトを、ワードプレスでリニューアルするため他のサービス会社にドメイン移管をしようとしたところ「対応不可」ということになってしまいました。
調べてみると「.store」ドメイン自体の管理をできるところがかなり少なくなっています。
ドメインの種類
まず、ドメインにはどんな種別があるかについて、ざっくりと分類します。
汎用トップレベルドメイン(gTLD)
主に国や地域に依存しない、広く利用されるドメインです。国際的にも通用します。
- .com
商業目的のウェブサイト用として始まりましたが、現在は誰でも利用可能で、最も一般的です。 - .net
ネットワーク関連のサイト向けでしたが、現在は一般用途で広く使われています。 - .org
非営利団体向けとしてスタートしましたが、現在は制限なく利用できます。 - .info
情報提供サイト用。情報関連の用途に適しています。 - .biz
ビジネス用途向け。商業的なウェブサイトに使用されることが多いです.
国別トップレベルドメイン(ccTLD)
各国や地域に割り当てられているドメインです。主に自国内で使うことを想定しています。
- .jp(日本) 日本に居住する個人や企業が利用できる国別ドメイン。信頼性が高く、SEO効果も期待されます。
- .us(アメリカ)
アメリカの居住者や企業が利用。 - .uk(イギリス)
イギリス国内での使用に適したドメイン。 - その他、.cn(中国)、.de(ドイツ)など、国に対応したものが豊富にあります。
スポンサー付きトップレベルドメイン(sTLD)
特定の業界やコミュニティ向けに運営されるドメインです。
- .edu
教育機関専用(主に大学などの高等教育機関)。 - .gov
政府機関専用(アメリカ国内の政府関連サイト)。 - .mil
アメリカ軍専用。 - .museum
博物館に関連する団体や施設に限定。
新しいトップレベルドメイン(新gTLD)
近年登場した、より多様な用途に対応したドメインです。このカテゴリのドメインはどんどん増える傾向にあります。
- .shop
ECサイトやショップ関連サイト向け。 - .store
上記と同様で、ECサイトやショップ関連サイト向け。 - .tech
テクノロジー関連のサイト向け。 - .tokyo
地域を特定する用途(都市名や地域名)。 - .app
アプリケーションやモバイル関連のサイト向け。
これらは企業や個人が特定の分野や活動をアピールするために利用されることが多いです。
国際化ドメイン(IDN)
日本語や他の母国語を含むドメイン。例えば:
- 例.com
日本語を含むドメインで、ユーザーに親しみやすい表記が可能。
ただし、SEOやブラウザ対応に若干の注意が必要です。
「.store」ドメインについて
取得は可能なのに移管が困難な「.store」ドメイン
今回の問題は、「.store」ドメインの移管ができないことです。
もともとは、JIMDOで取得し運用していたのですが、JIMDOをやめワードプレスでリニューアルすることになったため、「.store」ドメインも管理できるエックスサーバーでその準備を進めていました。
上記のドメイン料金一覧表には「.store」ドメインが表示されています。
しかし、いざ移管しようとするとうまく設定ができません。そこで、エックスサーバーのサポートに問い合わせたところ、以下のような回答でした。
恐れ入りますが、「.store」ドメインにつきましては
『新規取得』のみに対応しており、他社ドメインサービスから
移管いただくことがかないません。ご希望に添えず申し訳ございませんが、
何卒ご了承くださいますようお願いいたします。
なんと、新規取得はできるのに、他のサービスからの移管受け入れはできないということでした。これには驚きです。
そこで、他のドメイン管理サービスにも確認をしました。
お名前ドットコム、バリュードメイン、というのは、ドメイン管理では国内大手のGMOグループです。この2つのサービスでは、現在「.store」ドメインの扱いを事実上、中止していました。
バリュードメインのサポートに問い合わせたところ以下のような回答でした。
確認させて頂きましたところ、大変恐れ入りますが、現在、「.store」ドメインは、新規取得のみ受付させて頂いており、移管はできかねる状況でございました。
またお名前ドットコムのほうでも、ドメイン料金一覧表に「.store」ドメインは見当たりませんでした。
このように、国内大手ドメイン管理サービスでは「.store」ドメインの管理を縮小していっているようです。
新gTLDには注意が必要です
「.store」ドメインなど、新gTLDには魅力的に見えるドメインが豊富にあります。一方であまり汎用的にないため、利用状況によっては縮小や廃止のリスクがあるかもしれないということでしょう。
新gTLDの現状と将来的なリスク
- 利用者の規模や認知度の問題
- 「.com」や「.jp」と比べて認知度が低いため、ユーザーが安心感を持ちづらい場合があります。
- 特定の業界や用途に特化しているドメインは、汎用性の低さから利用者が増えない可能性があります。
- ドメイン登録運営者の経営リスク
- 新gTLDの運営者はICANN(インターネット割り当て番号機関)から運営権を得てドメインを提供していますが、運営が採算に合わなくなればドメインの提供が縮小、あるいは廃止される可能性があります。
- SEOや競争環境の変化
- 現時点ではGoogleなどの検索エンジンは新gTLDを公平に扱っていますが、将来的にSEOのアルゴリズムが変化するリスクもゼロではありません。
リスク軽減のための選択ポイント
- 汎用性の高いドメインを併用する
- 新gTLD(例: .store)を魅力的に感じて採用する場合でも、汎用的な「.com」や「.jp」も併せて取得しておくと、後々の変更やリダイレクト設定で対応が容易になります。
- 信頼できるレジストラを選ぶ
- ドメインの廃止リスクを低減するため、安定している大手のレジストラ(例: Google Domains、GoDaddy、Namecheapなど)で購入するのがおすすめです。
- 業界全体の動向を把握する
- 自分が属する業界や顧客層で新gTLDの使用が増えている場合、それに合わせることでユーザーの認識を得やすくなります。
- 逆に、ほとんど利用が見られない場合は「.store」などの採用を慎重に検討するのが無難です。
今回の課題についての対策案
現在、JIMDOでは「.store」ドメインの運用ができています。しかし、JIMDOを解約するつもりでしたので、そうなるとこのドメインは移管先がないため、結果的には廃止になってしまうでしょう。
新しい独自ドメインを「汎用ドメイン(.com)」や日本では汎用的な(.jp)ドメインで取得し、ワードプレスでサイトを構築したうえで、そのドメインに対して「301リダイレクト」をかけるのが最適な対策です。
しかし、JIMDOでは「301リダイレクト」が使えません。
そこで、代替措置として、JavaScriptを使用してリダイレクトを設定する方法を検討しましょう。
手順:
- ヘッダー編集を開く
- 管理メニューから「基本設定」>「ヘッダー編集」を選択します。
- JavaScriptコードを追加
- 以下のコードをヘッダーに追加します(このコードでは5秒後に「https://www.newsite.com/」へ、リダイレクトするという設定になっています)
<meta HTTP-EQUIV=”refresh”
CONTENT=”5;url=https://www.newsite.com/”>
- 以下のコードをヘッダーに追加します(このコードでは5秒後に「https://www.newsite.com/」へ、リダイレクトするという設定になっています)
- 設定を保存
- 変更を保存して公開します。
なお、トップページには「当サイトのドメインは○○○に変更になりました。今後は新サイトの○○○をご覧ください」という注意書きと、新サイトへのリンクを設置しておいてください。
注意点:
- JavaScriptによるリダイレクトは、検索エンジンが正しく認識しない可能性があり、SEOに影響を及ぼす可能性があります。
- ユーザーがJavaScriptを無効にしている場合、リダイレクトが機能しません。
今回は、複数の問題が重なっているため、最適なサイト移転の方法が使えません。
なお、ChatGPTでリダイレクトのコードを調べたところ以下のようなJavaScriptが提示されました。
<script type=“text/javascript”> setTimeout(function() { window.location.href = “https://example.com”; // リダイレクト先のURLを指定 }, 5000); // 5000ミリ秒 = 5秒 </script>
このJavaScriptコードについては動作確認をしていませんので、自己責任にていろいろと試してみてください。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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