さくらインターネットは今年2月からレンタルサーバーが高速化されています。最大で5倍早くなるという新サーバーですが、新規申込者に限定されていました。そのため、当社のように長く利用しているユーザーは遅いサーバーのままでした。高速化された新サーバへの移行ツールがでるはずでしたが、それがやっと発表になりました。7月13日から移行ツールが利用開始になるようです。
いくつかの条件に適合する必要がありますが、わりとクリアしやすそうなので、かなりの方が簡単に新サーバに移行できるのではないかと思われます。その移行ツールについて事前に調べてみました。
さくらインターネットの高速化された新サーバ
さくらインターネットは2022年2月16日から新サーバの提供を開始しています。
実際にいくつかの新規契約でWordPressをスタートさせましたが、既存のサーバより明らかに早いです。体感速度は数倍あります。ですから、まだ古いサーバーを使い続けている場合は、すみやかに新サーバに移行したほうがよいです。
移行ツールを使って新サーバに移行するためには、費用は発生しません。無料というのがいいですね。本来なら、自動的に新サーバにしてほしいのですが、利用者が多いだけにマニアックな利用をしているユーザーもいるでしょうし、全員というのはむずかしい事情があるんでしょうね。
新サーバに移行するための条件をクリアしておきましょう
いいことだらけの新サーバですが、移行するためにはいくつかの条件があります。
さくらインターネット新サーバへの移行ツールについて
https://help.sakura.ad.jp/rs/2756/
移行ツールの機能別引き継ぎ項目
https://help.sakura.ad.jp/rs/2759/
などのページには以下のような説明がありました。
注意事項
・全データが新サーバに移行される
→一部のデータだけ移行することはできない
・利用しているデータベースがMySQL5.7以上のバージョンしか対応していない
→MySQL5.5以下だと事前に5.7にアップデートしておく必要がある
・PHP7以上でcgiモードを利用している場合は、移行タイミングでモジュールモードに切り替わる
→移行後にコントロールパネルでcgiモードに戻すことは可能
・同一プランのみ対応
→スタンダードからプレミアムに移行するような移行はできない
変わらないこと
・初期ドメイン名(例:semm.sakura.ne.jp)は同じ
→ドメインのゾーンファイルは新サーバのIPに更新される
・SSL設定
→無料SSLの「Let’s Encrypt」はそのまま設定が持続される
・独自ドメイン
→さくらインターネットのDNSを使っている場合は自動的に設定される
・メール関係
→基本的にそのまま継続して利用可能(パスワード等の変更もしなくてよい)
変わること
・IPアドレスは新サーバのものに変わる
→IPV4もIPV6も両方とも変更される
・ホスト名
→www****.sakura.ne.jpが変更?
気になることはホスト名
新しいホスト名が割り当てられると書いてあります
新しいホスト名が割り当てられます。
※旧IPアドレスでは接続ができなくなります。
このホスト名とはどういう意味なのかがちょっとわかりにくいです。
通常は、ホスト名というと「www」にあたる部分のことを指すので、さくらインターネットの場合は初期ドメインとほぼ同じ意味だと思っていました。
例として、「semm.sakura.ne.jp」という初期ドメイン名のホスト名は「semm」です。
おそらくですが、「www1121.sakura.ne.jp」がホスト名でしょう。この「www1121」の部分が変更になり、あらたに「www****.sakura.ne.jp」というホスト名のサーバに割り振られるのではないかと思われます。
ちなみに、「www1121.sakura.ne.jp」というホスト名のサーバには、複数のユーザーが利用しています。利用者はそれぞれ「semm.sakura.ne.jp」とか「domodomo.sakura.ne.jp」のように「*****.sakura.ne.jp」という初期ドメイン名を活用して、独自のサーバのように利用しています。
だとすると、「www1121.sakura.ne.jp」はSPFに記述されているので、これが変わるということは、メールのやりとりでまたまた「メールが届かない問題」が再発する可能性もありますね。注意が必要です。
この件は、さくらインターネットのサポートに問い合わせることにします。
環境変化のときは必ずバックアップをとっておきましょう
さくらインターネットの新サーバへの移行はいいことだらけなので、基本的には実施したほうがいいです。
しかし、かなり大規模な移転作業ですので、作業する前には必ずバックアップをとっておきましょう。
さくらインターネットのコントロールパネルからだと、サーバまるごとバックアップするステージング&バックアップが使えます。
FTPを使ったバックアップも併用して、万全を期しておくことをおすすめします。
また、利用しているCMS(WordPressやMovable Typeなど)の個別のバックアップや、パスワードの控えを確認するなどのことも実施しておいたほうがいいです。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
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