2026年6月13日(土)、金沢の武蔵ITビジネスプラザにて、日本FP協会石川支部主催の継続教育研修会で講師をつとめさせていただきました。テーマは「FP実務を劇的に変える!生成AI時代の最新金融コンサルティング術」。資格更新ポイントの対象となる研修ということでコンプライアンスや内容に一定の制限がある、いつもよりちょっとハードルの高い登壇でした。
本記事では、当日お話しした生成AIの全体像と、FP実務での具体的な活用法をふりかえります。
このAIセミナー概要
まずは当日の概要です。
- 日時:2026年6月13日(土)
- 会場:武蔵ITビジネスプラザ(金沢市)
- 主催:日本FP協会 石川支部
- 形式:継続教育研修会(資格更新ポイント対象)
- テーマ:「FP実務を劇的に変える!生成AI時代の最新金融コンサルティング術」
- 講師:遠田幹雄(中小企業診断士/株式会社ドモドモコーポレーション)
FP(ファイナンシャル・プランナー)の皆さま向けということで、保険や税制、新NISA、相続といった金融実務の現場を想定しながら、生成AIをどう業務に組み込むかをお伝えする構成にしました。

じつは私のAI歴は2018年から
セミナーの冒頭では、自己紹介を兼ねて私自身のAIとの付き合いをお話ししました。生成AIが世間を騒がせ始めたのはChatGPTが登場した2022年11月からですが、私がAIに取り組み始めたのはそれよりも前、2018年のことです。
当時はPythonと無料ツールを組み合わせて、さつまいもを「良・○秀長手・○秀短手・秀長手・秀短手」の5分類に判定する画像認識AIをつくりました。この取り組みは2019年に新聞にも掲載いただいた事例で、「ローカルでAIを動かす」という今につながる関心は、このころから一貫しています。生成AIブームに乗っかっただけの付け焼き刃ではない、という点はお伝えしておきたかったところです。

五郎島金時の画像判定についての診断士の日に発表したのは2018年11月8日でした。
当日お伝えした生成AIの全体像
研修では、生成AIの「現状」と「これからの未来」を理解したうえで経営や実務に活かす、という流れで進めました。専門用語が多くなりすぎないよう、できるだけ身近な言葉に置きかえながら解説しています。
生成AIを形作る「3つのコア」
今の生成AIは、次の3つの力の組み合わせで動いていると整理しました。
- 対話する力(LLM・大規模言語モデル):自然な文章を作り、対話を行う基礎能力。本質は「次に来る言葉の予測」なので、事実性は外部からの補強が必要です。
- 調べる力(RAG・検索拡張生成):自社のPDFやExcelなど独自データを参照し、精度の高い回答を生成する仕組み。社内マニュアルや最新情報の参照に強みがあります。
- 考える力(推論型AI):論理的なステップで問題を解決する思考能力。複雑な計算や戦略立案にも対応します。
単機能で使う時代から、これら3要素を自然に「統合」して使う時代へと移っている、というのが現在地です。
大事なのは「どのAIを使うか」より「どう組み込むか」
FPの皆さまが気になるのは「結局どのツールを使えばいいのか」という点です。当日は2026年時点の主要モデル(ChatGPT・Claude・Gemini)の特徴を比較したうえで、こう強調しました。AI活用の本質は「設計」にある、と。
業務フローのどこにAIを置くか、どの情報をAIに記憶させるか。ツール選びそのものより、自分の仕事の流れにどう組み込むかを考えることが成果につながります。情報の機密性やコスト面では、GoogleのGem(Gemini)やGASを使ったRAG的な活用が中小事業者には現実的、という話もしました。
FP実務での実践デモ
後半は「現在の生成AIで実際になにができるか」を実践デモでご覧いただきました。FPの日常業務に引きつけた事例として、次のようなものを紹介しています。
- 議事録作成:面談やヒアリングを自動で文字起こし・要約し、コンプラ資料へ転換(Google Meet+Gemini)
- メール作成:面談後のお礼メールや更新案内を自動生成(Gemini+Gmail)
- 制度改正まとめ:新NISAや税制改正などの複雑な内容を顧客向けにやさしく要約(Gemini+Googleドキュメント)
- RAG活用:制度資料や専門資料を読み込ませ、必要なときに即座に検索・回答(NotebookLM)
- 顧客データ管理:既契約データからライフイベントを予測し、アプローチを自動化(Googleスプレッドシート+Gemini)
従来は「過去資料を読み返して手作業で準備し、メモを取りながら面談し、後で清書する」という流れだったものが、AIを伴走させることで面談直後に個別の要約メールが自動でできあがる。この差をその場で体感していただけたのではないかと思います。
コンプラ研修ならではのハードル、それでも捨てなかったギャグ精神

冒頭でも触れたとおり、今回は資格更新ポイントのかかった継続教育研修ということで、コンプライアンスや内容についての制限がありました。くだけた語り口を持ち味にしている私にとっては、正直なところハードルの高い案件です(笑)。
とはいえ、堅くなりすぎては伝わるものも伝わりません。持ち前のギャグ精神は捨てずに、要所は真面目に、合間は楽しく、というメリハリでやり切りました。冒頭の写真の「どもども」メガネと帽子も、そんな雰囲気づくりの小道具のひとつです。参加者の皆さまに、生成AIを「難しそう」から「自分の仕事に使えそう」へと感じていただけていたら何よりです。
FPさん向けセミナーを終えて
生成AIは、対話・検索・推論の3つの力を統合しながら、いよいよ自律的に動く「AIエージェント」の段階へと進んでいます。FPをはじめとする士業・コンサルティングの現場でも、議事録から顧客フォロー、制度改正の要約まで、活用できる場面は確実に広がっています。
大切なのは、最新ツールを追いかけることそのものではなく、自分の業務フローのどこに、どう組み込むかという「設計」の発想です。今回の研修が、石川県のFPの皆さまにとって、その一歩を踏み出すきっかけになればうれしく思います。貴重な機会をくださった日本FP協会石川支部の皆さま、ご参加いただいた皆さまに感謝申し上げます。
なお、本日のセミナーでは最後に質問をされた方の質問がすばらしかったです。
「これからの私たちの働き方は、どうなっていくのでしょうか。AIの時代に、FPという専門家は、そもそも必要とされるのでしょうか」

この問いと私の回答などに関しては、上記の記事にて紹介していますので、興味があればご覧になってみてください。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
会社概要およびプロフィールは株式会社ドモドモコーポレーションの会社案内にて紹介していますので興味ある方はご覧ください。
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