今回は、石川県中小企業診断士会(KAIs)の4月例会の様子をレポートいたします。私たちの会には、常に新しい知識を貪欲に吸収し、お互いの知見を惜しみなく共有し合う、真面目で学習意欲の高い仲間が集まっています。今回の例会でも、時間を忘れるほど白熱した、非常に実りある意見交換が行われました。
今回は、私が日々の業務で実践している「GAS×Gemini」をテーマにAI活用した業務効率化をメインテーマに発表させていただきましたので、その詳細を少し踏み込んでご紹介したいと思います。
KAIs例会:2026年4月例会

4月6日(月)19時より、定例会が開催されました。今回は私の都合で日程変更をしていただくことになってしまい恐縮でした。オンライン会議も最近の定番になりつつあるGoogleMeetではなく、私が使いなれたZOOMにしてもらいました。
ということで私がZOOMのホストとなり実施しました。
【GAS×Gemini APIで自作する業務アプリの実演】
まず前半では、私がGAS(Google Apps Script)とGemini APIを組み合わせて自作した業務アプリケーションについて、実際の画面をお見せしながら実演しました。
具体的な事例として、以下のようなものを紹介しました。
・パン屋さんの受注分析アプリ:Webフォームから入ってきた注文データを自動で集計し、厨房用の「製造リスト」と店頭用の「お渡しリスト」を瞬時に生成する仕組みです。
・チャットワークの要約ダッシュボード:日々の業務連絡が飛び交うチャットワークから、直近1週間の話題をAIが自動取得し、要点を分かりやすくダッシュボードにまとめてくれる機能です。
・財務構造分析自動図解アプリ:分厚い有価証券報告書のPDFから必要な財務データを抽出し、ROA(総資産利益率)の分析や貸借対照表の図解を自動生成するツールです。
これらはすべてGoogleワークスペース内で完結させています。外部の連携ツールを使わずに済むため、機密情報を扱う際にもセキュリティの壁(ガードレール)がしっかりと守られる点が、中小企業の現場に導入する上で非常に大きな安心材料となります。

GASはGoogleが提供しているスクリプトです。JAVA形式で記述する「Google Apps Script」のことを指すことが多いですが、ノーコードで記入できる「Google App Sheet」もGASといわれています。
簡易な開発案件ならGASで可能になりました。エクセルのような仕様なら、IT事業者に外注しなくても社内で開発し運用することも可能です。
GASに関する記事は上記のカテゴリでご覧になってみてください。
【AIによる完全自動ブログ記事生成とその裏側】
続いて、現在私が約50日間にわたって連続運用している「AI自動ブログ記事作成システム」の裏側を公開しました。

このシステムは、GASとGemini APIを活用し、毎日自動でブログ記事を生成・投稿するものです。ただ闇雲に書かせるのではなく、曜日ごとにテーマを設定し、Webスクレイピングで最新情報を収集した上で記事を執筆させています。 さらに、AI任せにせず「品質管理」を徹底しているのがポイントです。別途作成した品質チェックアプリで、文字数や文章の品質スコアをグラフ化して日々監視しています。
結果として、Google AnalyticsのAPIと連携して計測したところ、平均滞在時間が「2分23秒」というデータが出ました。通常のブログ記事の滞在時間が30秒程度と言われる中、AIが書いた記事でも、しっかりと読者の皆様に読まれる実用レベルに達していることが証明できました。
なお、記事のアイキャッチ画像生成にはAIモデル(Neo Banana)を使用しています。これは有料APIでないとまともに動かないので課金していますが、毎日5枚作成してもコストは月額2000円程度に収まっています。
【もう見逃さない!メール自動判定システムの開発】
日々の業務で頭を悩ませるのが「メールの処理」ではないでしょうか。私宛てにコンタクトフォームから月間数千通のメールが届くのですが、最近は迷惑メールフィルターを巧妙にすり抜ける営業メールが増加していました。
そこで、営業メールと本当に重要なメールを自動で振り分けるシステムを開発しました。ポイントは「プラス加点方式」です。メールの内容をAIが評価し、70点以上を獲得したものを「重要メール」として判定します。
そして、重要と判定されたメールについては、内容の要約に加えて、返信案(A案・B案)までAIが自動生成してくれます。 実際に、このシステムのおかげでAIセミナーに関する重要なお問い合わせを見逃すことなく、迅速に対応できた事例も紹介しました。既製品のツールでは手が届かないニッチな課題も、自作ツールなら見事に解決できるのです。

【プログラミング未経験でも大丈夫!開発のコツとマインドセット】
発表の中で、あるメンバーから「プログラムのコードが書けない人でも、本当にそんなツールが作れるのか?」という、非常に鋭く本質的な質問をいただきました。
正直に申し上げますと、私はコードを一行も自分で書いていません。すべてGeminiのウェブチャット上で「こういう動きをするプログラムを書いて」とお願いして組んでもらっています。
ただし、AIと開発を進める上での「コツ」があります。
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動作したコードは、必ずテキストエディターに保存して手元に残しておくこと。
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AIとのやり取りが長くなると、過去の指示を忘れる「先祖返り」が起きるため、定期的に新しいチャットを立ち上げて再スタートすること。
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最初から完璧を目指さず、「小さく作って機能を足していく」アジャイル的なアプローチをとること。
プログラミングの知識よりも、「自分がどんな課題を、どうやって解決したいのか」を明確に「言語化」する力こそが、これからの時代に最も重要なスキルなのだと、参加者の皆様と深く共有することができました。
【セキュリティ、API料金、そしてローカルAI環境への探求】
後半のディスカッションでは、さらに技術的に踏み込んだ熱い議論が交わされました。
例えば、他のノーコードツールや、Cursorなどのエージェント型AIツールの利便性についての話題が出ました。確かに便利な面は多いですが、セキュリティ面での懸念が残るため、現時点ではGoogleワークスペース内で安全なガードレールの中で完結させるのが最適解ではないか、というのが遠田の意見でした。
また、Gemini APIの料金体系についても有益な情報交換ができました。テキスト処理自体は月に数百円程度と非常に安価です。ただし、無料版のAPIは入力データがAIの学習に利用される可能性があるため、顧客データなどのデリケートな機密情報を扱う場合は、学習されない「有料版API」を使用すべきだという重要な注意点も確認し合いました。
さらに、インターネットに接続せずに動作する「ローカルAI環境(LM Studioを用いたPythonとHTMLによる構築)」についてもご紹介し、GASの知識があればローカル環境の構築にも応用できる可能性を共有しました。
【2026年度AIシンポジウムと次回の展望】
会の終盤には、会の運営を牽引するメンバーから、毎年恒例となっている「AIシンポジウム」についての説明がありました。
今年度も11月か12月の開催に向けて、5月中旬からキックオフとなります。 「AIにそこまで詳しくなくても、テーマを絞って集中的に調べれば立派な発表ができる」「2人1組でフォローし合いながらの登壇も大歓迎」といった前向きな提案があり、企業内診断士の方々にもどんどん表舞台に出てほしいという熱いメッセージが語られました。これを受けて、チャットワーク上で早速メンバー募集の準備が進んでいます。
次回の定例会は5月13日(水曜日)です。次回は、新しく入会されたメンバーの方に自己紹介プレゼンをお願いしています。AIの活用はこれからとのことですが、「現在どんな課題を抱えていて、今後AIをどう活かしてみたいか」を語っていただく予定です。私たち既存メンバーも、過去の事例資料を共有するなどして、全力でサポートしていく体制を整えています。
今回の例会も、ただ発表を聞くだけでなく、参加者全員が自分の業務にどう活かせるかを真剣に考え、活発に質問や意見が飛び交う素晴らしい時間となりました。 これからも、KAIsの仲間たちと共に最新技術を貪欲に学び、試行錯誤を繰り返しながら、地域の中小企業支援に還元していきたいと思います。

KAIsの過去の記事は上記のカテゴリで紹介しています。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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