大きな家や事務所・施設などで利用しているWi-Fi、あともう一部屋が届かない。また階段や廊下の先が弱い。そんなときに頼りになるのが、BUFFALOのWi-Fi中継機 WEX-1166DHPS/N（または同等品のWEX-1166DHPS）です。
安価でコンパクト、コンセント直挿しで邪魔になりにくい。ここの使いやすいWi-Fi中継機を２台直列にすることでWi-Fiの到達エリアを伸ばすことができます。この設定方法について調べてみました。
Wi-Fi中継機２台を直列につないで到達エリアを伸ばす
今回の狙いはWi-Fiの到達エリアを直線距離で伸ばすことです。そのためには中継機を「並列」でなく「直列」につなぎます。
ただし、2台を直列（1台目→2台目の順にリレー）でつなぐ場合は、注意点が2つあります。
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速度は落ちやすい（仕組み上、中継機１台ごとに通信速度は半分になる）
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設定の順番を間違えると、2台目が「親機に直結」してしまい、直列にならない
この接続方法について、メリット・デメリットと、失敗しない設定手順を調べました。
定義：直列接続（リレー接続）とは何か
直列接続とは、こういう形です。
親機（ルーター）
↓
1台目の中継機（家の中間地点）
↓
2台目の中継機（いちばん届かせたい部屋）
「親機の電波を1台目が受けて、さらに2台目が受ける」形なので、届く範囲は伸ばしやすい一方、速度は落ちやすくなります。
要点：メリットとデメリット（ここを理解してから買うと失敗しません）
今回使うWi-Fi中継機はバッファローのコンパクトな一体型タイプです。Wi-Fi規格は少し古めのWi-Fi5ですが、その分コストパフォーマンスに優れているし安定して使えます。
BUFFALO WiFi 無線LAN中継機 WEX-1166DHPS/N 11ac/n/a/g/b 866+300Mbps ハイパワー コンパクトモデル 簡易パッケージ 日本メーカー
実はこの機種の以前のバージョンを我が家で利用しています。
安定して動作しているので今回もこのシリーズにしようと考えました。
メリット
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圧倒的なコストパフォーマンス
最新機種だと、中継機を2台そろえるだけで2万円近くになることもあります。
この機種なら、1万円以下で「家の死角」を潰しにいけます。 -
設置場所を選びにくい
コンセント直挿し、アンテナ内蔵で、廊下や階段のコンセントでも邪魔になりにくいです。「置く場所がない問題」を回避できるのは強いです。
デメリット（重要）
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通信速度が低下しやすい
中継機は、受け取った電波を再送信します。仕組み上、同じ帯域を使う時間が増えやすく速度は落ちがちです。2台直列だと、さらに落ちやすくなります。親機の通信速度の半分×半分で1/4くらいになってしまうかもしれません。
目安としてはこう考えると安全です。
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動画視聴、Web閲覧、SNS：だいたい問題になりにくい
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大容量ダウンロード、オンライン会議の高画質、重いクラウド同期：遅さが気になりやすい
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2台目が親機と直接つながってしまう（直列にならない）
これが一番よくある失敗です。
2台目が「近くにある1台目」ではなく「遠くの親機」を拾ってしまうと、狙ったリレー構成になりません。
比較：2台直列に向いているケース／向かないケース
向いているケース
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とにかく届くエリアを広げたい（優先：圏外をなくす）
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使い方が軽い（ネット閲覧、動画、SNS中心）
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工事はしたくない、安く済ませたい
向かないケース
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速度や安定性が最優先（オンライン会議の品質、仕事で大容量データなど）
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家族全員が同時に重い使い方をする（混雑しやすい）
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可能なら有線LAN（ケーブル）を引ける、またはメッシュWi-Fiに投資できる
直列は「届かせるための作戦」と割り切ると、満足度が上がります。
今回は、ある施設の２階でのWi-Fi接続エリアを遠くまで伸ばすという想定での設定です。
▼接続のイメージ図
具体例：失敗しない設定手順（順番と場所が命）
ここからが本題です。
ポイントはこれだけです。
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1台目：親機の近くで設定 → 目的の中間地点へ移動
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2台目：親機の近くでは設定しない → 設置済みの1台目の近くで設定
手順0：準備（おすすめ）
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中継機2台の型番が同じ（WEX-1166DHPS/N同等）であることを確認
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できれば2台とも一度リセットして「まっさら」から始める（後述のリセット方法）
手順1：1台目を設定する（親機の近くでOK）
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親機（ルーター）の近くのコンセントに、1台目を挿します
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親機のWPSボタン（AOSSボタン）を押します
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すぐに、1台目のWPSボタンを長押し（約2秒）します
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ランプが点灯して接続完了を確認します
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1台目をコンセントから抜き、設置したい場所（家の中間地点）へ移動して挿します
中間地点のコツ
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親機の電波がまだそこそこ強い場所（圏外寸前は避ける）
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でも、届かせたい部屋に向けて“橋頭堡”になる位置
手順2：2台目を「1台目」に接続する（ここが最大のポイント）
やってはいけないこと：2台目を親機の近くで設定する
これをやると、2台目が親機に直接つながりやすく、直列になりにくいです。
正しいやり方
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2台目を、設置済みの1台目の近く（同じ部屋など）のコンセントに挿します
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親機の近くではありません
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できれば「親機の電波が強すぎない場所」のほうが安全です
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2台目のWPSボタンを長押し（約2秒、点滅開始まで）
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すぐに、1台目のWPSボタンを長押し（約2秒、点滅開始まで）
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目的は「親機」ではなく「1台目」とペアリングすることです
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約2分待ち、ランプ点灯で接続完了を確認します
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2台目を抜いて、いちばん届かせたい部屋（目的地）へ移動して挿します
設定の注意点・確認方法（ここで詰めると完成度が上がります）
SSID（Wi-Fiの名前）はどうなる？
基本設定では、親機と同じSSID・パスワードを引き継いで使えます。
スマホ側で「中継機のWi-Fiに手動でつなぎ直す」手間が起きにくいのが利点です。
すでに利用している親機のWi-Fiを使う場合は、そのままのSSIDで設定を進めます。
本当に直列になっているか確認する方法（おすすめ）
最終設置後、1台目の中継機のランプを見てください。
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子機接続ランプ（相当するランプ）が点灯している
→ 2台目が1台目にぶら下がっている可能性が高いです
もう一段しっかり確認するなら
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2台目の設置場所でスマホのWi-Fi電波が安定しているか
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Speedtest等で速度が極端に不安定でないか（時間帯も変えて確認）
2台目がつながらない／直列にならないときの対処
まずは、2台目をリセットしてやり直すのが早いです。
リセット手順（一般的なやり方）
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側面のRESET穴を細いピン等で長押し（数秒）
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ランプの変化を確認後、手順2からやり直し
直列にならない典型原因
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2台目の設定場所が親機に近すぎる
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手順2で押す相手を間違え、親機とペアリングしてしまった
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1台目の設置位置が遠すぎて、2台目が不安定
置き場所の実務コツ（地味ですが効きます）
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1台目：親機から2〜3部屋先、電波がまだ残っている地点に置く
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2台目：目的地の少し手前でもよい（目的地が圏外寸前なら、少し戻すと安定します）
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電子レンジ、金属棚、水槽、床置きのPC裏などは避ける（電波が乱れやすいです）
まとめ：安い中継機2台でも「順番」を守ればうまくいきます
WEX-1166DHPS/Nは、「安価でコンパクト」というだけで導入価値があります。
2台直列は速度低下のクセがある一方、届かない場所を救える現実的な解です。
成功のコツは一つだけ。
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2台目は親機の近くで設定しない
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設置済みの1台目の近くで、1台目とWPSペアリングする
商品が届いたら、この手順どおりに試してみてください。
「建物内でWi-Fiの死角が消える」体験は、費用対効果がかなり高いです。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
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