日本の原風景とも言える美しい中山間地域の水田。しかし今、この地域では、農業を支える人手がどんどん減り、高齢化も進んでいます。特に、水稲栽培に欠かせない「水管理」は、農家さんにとって大きな負担。広い範囲に点在する田んぼを見回り、手作業で水を出したり止めたり…それは重労働であり、長年の経験と勘が必要な「匠の技」でもあるのです。
「朝早くに田んぼを見て、水門の開け閉めをしてたなぁ…」「夜の大雨に備えて見回りに出かけたこともあったよ」といった声も、この地域ではよく聞かれます。
でも、そんな悩みを一気に解決してくれる“救世主”が現れました。それが、ICT(情報通信技術)を活用した「スマート水管理システム」なんです。
スマート水管理って何?注目の「WATARAS」と「paditch」
今回ご紹介するのは、クボタの「WATARAS(ワタラス)」と、笑農和(えのわ)が提供する「paditch(パディッチ)」という2つのシステム。どちらも、スマホやパソコンで水田の水位をモニタリングして、自動で給排水を調整してくれる優れモノです。
水門の開閉や水位の調整が、手元のデバイスひとつで完結するので、もう毎日の見回りに悩まされる必要はありません。しかも、設定した水位を保つように自動制御してくれるから、ベテラン農家のノウハウをシステムに任せることも可能になります。
実際に見学した石川県金沢市の中山間地のたんぼでは、クボタの「WATARAS(ワタラス)」をKSASと連携させてスマホ管理していました。すごいですね。
導入効果がスゴイ!
作業がラクに!時間も体力も節約
たとえば、WATARASでは農研機構の実証実験で、水管理の労働時間がなんと平均87%も削減されたそうです!ある地域では、70枚の田んぼを2人で2時間かけて見回っていた作業が、WATARASの導入で40分に短縮されたという実例も。
paditchも同様に、作業時間や工数を大きく減らすことができたというデータがあります。そのぶん、草刈りや追肥といった他の作業に時間を使えるのが嬉しいポイントです。
経験が浅くても安心。匠の技をデジタルで再現!
スマート水管理は、センサーで水位や水温を自動で測定し、そのデータをクラウドで管理。自動で水の出し入れを調整できるので、農業経験が浅い方でも安心して使えます。
新規就農者にとっては、技術の継承が難しかった「水管理」というハードルをグッと下げてくれる心強い味方です。
安全&生活の質もアップ!
悪天候や夜間に田んぼへ行く必要がなくなり、事故のリスクも減らせます。安全に作業ができるだけでなく、時間にも余裕が生まれ、生活の質が上がったという声も多いんですよ。
お米の品質アップ&環境にもやさしい!
WATARASの導入で水稲の収量が平均106%にアップしたという報告もあり、paditchでも最大16.4%の増収が見られたそうです。さらに、無駄な給排水を減らすことで、用水量や電気代も節約。環境への負荷も軽くなるなんて、一石三鳥ですね。
どっちを選ぶ?導入しやすさにも注目!
WATARASは、太陽光とバッテリーで動くから電源が不要。どんな場所でも設置しやすく、既存のバルブにも対応できる汎用性の高さが魅力です。完全防水で、草刈りの邪魔にならない設計も嬉しいポイント。電源を確保しにくい中山間地に適したシステムですね。
一方、paditchは設置がとにかくカンタン。誰でも取り付けできるシンプル設計で、費用もお手頃。サポート体制も充実していて、LINEや電話で相談できるのもありがたいですよね。平地での水管理には導入コストも安いpaditchが適しているかもしれません。
まとめ:スマート農業で未来をひらこう!
中山間地域の農業には、まだまだたくさんの課題がありますが、スマート水管理システムはそれを乗り越える大きな一歩です。作業の効率化だけでなく、技術の継承や新規就農者の支援、安全性の向上、そして自然との共存まで実現できるのです。
WATARASとpaditch、それぞれの特長があります。中山間地の田んぼにもスマートな未来を取り入れてほしいものです。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
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