迷惑メール/スパム対策

Google reCAPTCHAは2025年末に有料化を予定、これからフォームの安全性をどうやって確保しますか?

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Google reCAPTCHA「reCAPTCHA(リキャプチャ)」とは、Googleが提供しているサービスで、WEBサイトのメールフォームに設置されているボット対策です。スパムや不正アタックの対策としてもっとも有効と言われている方法なので、ほとんどのWEBサイトに設置されています。
このreCAPTCHAが2025年末に実質有料化になるという動きがあります。この対応策を検討しておきましょう。

Google reCAPTCHAが2025年末に有料化を計画

2025年末に予定されているGoogle reCAPTCHAのサービス移行について、現在の状況をわかりやすくお伝えします。今回の移行は、多くのウェブサイト運営者にとって「実質的な有料化」となる可能性があります。特に、月間の利用回数が多い場合、課金対象となるため注意が必要です。

reCAPTCHA Enterpriseへの移行とは?

現在多くのサイトで利用されている「reCAPTCHA v3」から、Googleは「reCAPTCHA Enterprise」への移行を促しています。このEnterprise版は、高度なセキュリティ機能を備えた一方で、無料で使える範囲が大幅に縮小されています。

  • 従来:月間100万回の評価まで無料

  • Enterprise版:月間10,000回の評価まで無料

この「評価」とは、認証チェックの実行回数を指します。例えば、ページを読み込むたび、またはフォームを操作するたびに1回の評価としてカウントされるため、一日あたり330回程度のアクセスがあるサイトでは、すぐに無料枠を超えてしまう可能性があります。

料金体系(2025年6月時点)

月間評価回数 月額料金(米ドル) 日本円換算($1=157円)
~10,000評価 無料 無料
10,001~100,000評価 $8 約1,250円
100,001評価~ 1,000評価ごとに$1 1,000評価ごとに約157円

無料枠を超えると、自動的にGoogle Cloudアカウントへ請求が発生する可能性があるため、予算アラートの設定が重要です。
また、Google Cloud Consoleの操作にはある程度の知識が必要なため、代替サービスに切り替える方が一般ユーザーには導入しやすいという指摘もあります。

対策案:フォームページを別のWordPressサイトに分離する

お問い合わせフォームや資料請求フォームなど、reCAPTCHAを使用しているページを、メインのWordPressサイトとは別のサブドメインやサブディレクトリに設置したWordPressサイトに移行する方法です。

メリット
・reCAPTCHAの評価回数をフォームページのみに限定できるため、全体の評価回数を削減できます。
・メインサイトのパフォーマンスやセキュリティに影響を与えずに、フォームの管理が可能です。

注意点
・フォームページのURLが変更になるため、既存のリンクやブックマークの更新が必要です。
・フォームからの送信データの受け取り先や処理方法を適切に設定する必要があります。

この方法を実施することで、reCAPTCHAの評価回数を効果的に管理し、不要なコストの発生を防ぐことができます。

ただし、将来的なアクセス増加やスパムや不正アタックでアクセス上限を超える可能性があります。そのためフォームだけを別のWordPressにしたとしても完全な対策にはなりません。一時しのぎ的な対策にすぎないかもしれません。

無料で使える代替サービスについて

では、無料で使えるreCAPTCHAの代替サービスにはなにがあるでしょうか?
現時点で特に注目されているのは、以下の2つの代替サービスです。

◎ Cloudflare Turnstile(最も有力な代替)

Cloudflare Turnstile - CAPTCHAに代わる無料の認証手段
Cloudflare Turnstileは、CAPTCHAに代わる無料認証手段で、ウェブ訪問者がCAPTCHAのない快適なユーザー体験を可能にします。
  • 料金:完全無料

  • ユーザー体験:画像選択などの操作が不要

  • プライバシー:ユーザー情報を追跡しない

  • 導入方法:WordPressなら専用プラグイン「WP Turnstile」で簡単に導入可能

◎ hCaptcha

hCaptcha - Stop bots and human abuse.
Enterprise grade AI security platform with a privacy focus. Replace reCAPTCHA v2, v3, or Enterprise with next generation tech at better value. Used by millions.
  • 料金:無料プランあり(Publisher/Free)

  • 特徴:GDPRに対応、画像認証が必要な場合もある

  • 導入方法:WordPress用公式プラグインあり

ご自身のサイトに適した選択を

まずは、Googleアナリティクスなどで月間のページビュー数を確認してください。月間で10,000評価を超える場合はもちろん、それ以下でも将来的なアクセス増やスパム対策を考慮し、完全無料で導入が簡単なCloudflare Turnstileへの乗り換えを検討することを強く推奨します。

今後の CAPTCHA のサポートについて
すでにご存じと思いますが、Google はすべての reCAPTCHA ユーザーを2025年末までに Goog…

Contact Form 7 6.1 には代替の CAPTCHA ソリューションである Cloudflare Turnstile のインテグレーションモジュールが導入されます。Cloudflare Turnstile は (少なくとも今のところは) 無料で利用でき、Google reCAPTCHA 以上に効果的に機能する可能性があると私たちは考えています。

WordPressで最も利用されているフォームであるコンタクトフォーム7というプラグインサービスでもCloudflare Turnstileへの移行を検討しているようです。

このreCAPTCHAをめぐる動きには注目しておきましょう。