FFFTPが遅いと感じたら他のFTPも試してみよう、CyberduckならMacでもWindowsでも使えるSFTPソフトで接続も早い

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Cyberduck Libre FTP, SFTPFTPソフトにFFFTPを使っているユーザーは今でもかなり多いはずだ。FTPソフトはレンタルサーバとのファイル転送のために必須のソフト。中でもFFFTPはウィンドウズのフリーソフトのFTPとして安定して稼働してきた事実上のスタンダードなFTPソフトだった。しかし、FFFTPの作者は2011年に開発を終了した。(長い間ほんとうにありがとう、作者には感謝である)
その後はFFFTPのファンなど有志により継続して開発が続けられているものの環境変化は著しい。とくにセキュリティ上の問題の対応が急務となった。FTP接続は暗号化を標準にしたり、OSもウィンドウズのシェア低下やOSもxp終了など多様化したり、WEB環境は大きく変化している。今でもFFFTPはセキュリティ問題に対応しているので使い続けることができるが、接続が遅くイライラするという場合は他のFTPソフトを試してみてはどうだろう。ここでは「Cyberduck(サイバーダック)」というFTPソフトを紹介する。

ウインドウズでもMACでも使えるFTPソフト

Cyberduck(サイバーダック)の特徴

Cyberduckの主な特徴やメリットは以下のとおり

  • フリーソフトである(無料で使える)
  • ウィンドウズ版とMac版の両方がある
  • SFTPなど暗号化通信に対応している
    (FTP/TLS (FTP secured over SSL/TLS) に対応)
  • 世界中で使われている(25ヶ国語以上に対応)
  • ウインドウが1つなのでフォルダ操作のように使える
  • 通信速度が早い(FFFTPに比較した体感速度は2~3割早い感じ)

実際に使ってみるとサクサク動くのでかなりよい。

▼cyberduckの画面

cyberduck画面

cyberduckがよいと感じた3つの理由

1.cyberduckはウィンドウズ版とMac版の両方があること

cyberduckはウィンドウズ版とMac版の両方がある。しかも全世界25ヶ国語で使えるフリーソフトである。この汎用性の高さはいい。最近とくに感じるのがパソコンのWindowsのシェア低下で、Macの利用者がじわじわ増えていることだ。具体的には、複数名を対象にした勉強会などでFTPソフトを説明しようとすると、たいてい1名や2名がMac利用者だったりする。すると、そのMac利用者の方にはFFFTPなどのウィンドウズ版しかないFTPソフトで説明しても、対応が困難である。さらもWEBデザイナーがMacユーザーであることが多いので、同じFTPソフトを使ったほうが説明のやりとりが早いということもある。
また、日本語より英語の画面のほうが使いやすいというユーザーやセミナー受講生もいたりすると日本語だけのソフトでは困ったりすることもある。最近、勉強会で中国人の方がいらっしゃることが増えたのでこのことも大きい。
その点、cyberduckはウィンドウズ版とMac版の両方あるし、多言語対応なのでありがたい。

cyberduckのダウンロードはhttp://cyberduck.ioであるが「http://cyberduck.io/index.ja.html?l=ja」からのほうが日本語に自動翻訳してくれるのでわかりやすい。

cyberduckダウンロード

ダウンロードする際は、ウィンドウズ版かMac版のどちらかを選んでクリックする。あとはダウンロードしたファイルを実行してインストールする。
(cyberduckのインストールと初期設定はhttp://heteml.jp/support/manual/ftp/wincyberduck/の解説が親切でわかりやすいので参考になる)

なお、現在はアンドロイド版はない。今後はPCよりもタブレット(とくにアンドロイド)での作業も想定できるので、Cyberduckのアンドロイド版がでてほしいものだ。

2.cyberduckは一画面であること

FFFTPのよさは二画面であることだった。ローカル側(パソコン側)が左で、レンタルサーバ側(WEB側)が右という左右比較できる画面である。この画面が使いやすいと感じているのは実はMSDOS時代の名残である。ファイラーといわれるファイル管理画面はほとんどがこのような二画面構成だったため、左右比較しながらファイルを転送するのがわかりよかった。
しかし、最近ではほとんどがドラックアンドドロップの操作になっており、左右ニ画面のほうがいいとは限らなくなっている。むしろ、誤動作を起こす原因になっていることがある。たとえば、WEB制作のソフトであるDreamweaver(ドリーム・ウィーバー)でFTP操作をすると二画面で表示されるが、ローカル側(パソコン側)が右で、レンタルサーバ側(WEB側)が左という表示になっており、この表示はFFFTPと逆である。このような状況では、Dreamweaver(ドリーム・ウィーバー)の操作に慣れている人がFFFTPを操作するとかなりの確率で誤操作をする。これは非常に危険だ。あやまって重要なファイルを上書きしたり消したりしてしまうともう元に戻せない。

これからはFTPソフトはWEB側一画面のほうがいい。WEB側はFTPソフトで表示し、パソコン側はフォルダで表示し、ドラックアンドドロップでファイルを転送するという説明のほうが、ほとんどのユーザーにわかりやすいようだ。新たなWEB担当者に説明するときもこの一画面のほうが理解されやすい。

cyberducファイル転送の画面

3.cyberduckは暗号化通信が標準で安定していて、そして早い!

SFTPが標準なのがいい。そして早い。これはFTPソフトを使う側にとってはありがたい基本的な機能である。

FTP転送速度の比較

実際に数回の転送実験をしてみたが、cyberduckのほうがFFFTPよりも早かった。同じパソコンで同じような時間帯、テストは動画ファイルや複数の画像を選択してアップロードするなど数回行なったがいずれの場合もcyberduckのほうが早かった。とくに数百Mバイトのファイルをアップロードしたときの速度差が大きかった。

▼実験例(上記の画像より、ファイルサイズ約500MB)
cyberduck 688.6kb/sec
FFFTP 418.2kb/sec
この差は約1.6倍にもなる。

実測では
cyberduck 約12分
FFFTP 推定約30分(12分26秒経過したところで作業中止)
と倍以上の差がついた。

※この実験はあくまでひとつの例であり、すべての環境で同じ結果になるとは限らないのでご注意を。