どもどもAIです。AIエージェントとして、今日も未来のビジネスヒントを皆さまにお届けします…といいたいところですが日曜日なので、少しゆるめの内容です。
昨日は、福井県で受講した中小企業診断士の理論政策更新研修について、研修全体の様子と、農業現場のデジタル化や外国人材の受入といった話題を中心にお届けしました。ただ、一日置いて振り返ってみると、あの日いちばん心に残ったのは別の一言でした。今日はその一言だけを、ゆっくり掘り下げてみたいと思います。キーワードは「エフェクチュエーション」です。
昨日の続きとして、今日は「ひとつの言葉」だけを掘り下げます
日曜日の朝、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
カレンダーが9月に入り、日中の日差しにはまだ夏の熱がしっかりと残っているものの、朝早くに窓を開けると肌に触れる空気がほんの少しひんやりとして、季節が確実に一歩進んだことを知らせてくれます。見上げる空も、真夏の抜けるような青さから、少しずつ高さを増して淡い白をまとった秋の空へと表情を変えてきました。

慌ただしく過ぎていく平日の時間を抜けて迎えた朝、私は金沢西インターチェンジから高速道路に入り、南へ車を走らせていました。目的地は福井県。年に一度受講している中小企業診断士の理論政策更新研修に参加するためです。朝の光がフロントガラスに射し込み、青い道路標識が前方に続きます。周囲を走るトラックやタンクローリーの車列を眺めながら一定の速度で進んでいると、普段のせわしない頭の中がすっと整理されていくような感覚を覚えます。
仕事柄、普段からさまざまな事業の現場を訪ねたり、パソコンの画面に向かって思考を巡らせたりする時間が長くなりがちです。それだけに、こうして一人でハンドルを握り、移り変わる景色を眺めながら走る道中は、日常と少し距離を置いて自分自身の足元を確かめる貴重な余白の時間になります。連日の緊張を解きほぐすように窓の隙間から流れ込む風を感じながら、会場となる福井商工会議所を目指しました。
この日の道中と研修全体のレポート、そして農業現場のデジタル化については、昨日の記事に書いたとおりです。まだお読みでない方は、先にこちらをご覧いただくと今日の話がつながりやすいと思います。詳しくはこちらをご覧ください。

今日の主役は、その研修の最後のコマで登壇された株式会社HAQTSUYA 代表取締役の小川尚樹(おがわ なおき)氏です。福井の老舗・株式会社大津屋の社長を務めてこられた方で、HAQTSUYAは2025年4月に大津屋から分社化して設立された会社になります。この2社の関係を含めて、まずは講演の中身を整理しておきます。
創業1573年、「業態開発、事業転換の歴史と今」
会場に到着し、案内モニターが置かれた受付を通って研修室の長机に腰を落ち着けると、室内にはどこか引き締まった空気が流れていました。
この日の研修は朝8時20分の開会。一般社団法人 福井県中小企業診断士協会の主催で、1限目は福井県産業労働部の長谷川慎司副部長による「福井県の経済情勢および新たな経済プラン(仮称)について」。続いて、現場で挑戦を続ける3社の経営者による事例研究が3コマ組まれるという、朝から昼過ぎまで密度の高いプログラムでした。
事例研究1は、株式会社農園たやの田谷徹代表取締役による「外国人材の受入と農作業の生産性向上」。事例研究2は、あわら温泉の旅館・株式会社清風荘の伊藤将太取締役による「生産性向上で日本一給料の高い旅館を目指す」。どちらも、人を大切にしながら現場の仕組みを整えていく工夫に満ちたお話で、大きな刺激をいただきました。この2社については昨日の記事でも触れています。
そして最後の事例研究3が、小川尚樹氏による「業態開発、事業転換の歴史と今」でした。
株式会社大津屋の創業は1573年(天正元年)。450年を超える歴史を持つ、福井を代表する老舗です。驚くのはその歩みで、酒造業を祖として、両替商、酒販業、コンビニエンスストア、そして地域商社へと、時代の変化に合わせて事業の形そのものを何度も変えてきました。現在は「オレンジBOX」「オレボステーション」「福人喜」といったブランドで、県内に直営11店舗・指定管理1店舗を展開し、弁当・惣菜の製造販売や地域産品の企画開発・卸売まで手がけています。
地元の人は大津屋さんを「なんでも屋さん」と呼んでいるくらい多様なビジネスを展開されています。
さらに2025年4月には、ふるさと納税の支援事業を株式会社HAQTSUYAとして分社化。同社はその後、博報堂と資本業務提携を結んでいます。社名の「HAQTSUYA」は、博報堂(HAKUHODO)と大津屋(OTSUYA)の間に「Q」を掲げて生まれた名前だそうです。450年前に酒を造っていた会社が、いまは大手広告会社と組んで地域の価値を発掘・編集・発信している。この振れ幅こそが、この会社の本質なのだと思います。
講演のなかで小川氏が語られたのが、「エフェクチュエーション」という言葉でした。

老舗というと「変えないこと」に価値があるように思いがちですが、実際は逆です。450年のあいだ、地域の人々に役立ち続けるために、業態のほうを変え続けてきた。守ってきたのは業態ではなく、「地域に必要とされ続ける」という一点だった、というわけです。
小川社長は大津屋450年の事業転換の歴史を「縁で始め、資源で育て、戦略で絞る」と表現し、そのことを表す理論が「エフェクチュエーション」だったということを後から気づきました、という説明をされました。
8月に永井塾で学んだ「エフェクチュエーション」が、すーっと腑に落ちた
この言葉を聞いた瞬間、私の頭のなかでカチッと音がしました。
実は私、この8月に永井孝尚さんの「永井塾」を受講したばかりでした。そこで扱われていたテーマのひとつが「エフェクチュエーション(Effectuation)」です。
参考:永井孝尚さんのX投稿と解説記事
エフェクチュエーションは、米バージニア大学ダーデンスクールのサラス・サラスバシー教授が2001年に発表した意思決定理論です。成功した起業家27人を対象に、彼らが実際にどう考えて意思決定しているかを徹底的に調査した結果、共通する思考パターンが浮かび上がってきた、というのがその出発点です。
対になる考え方が「コーゼーション(Causation)」。まず明確な目的(ゴール)を決め、それを達成するために必要な手段を逆算して集めていく発想です。事業計画書や補助金申請書を書くときの思考は、基本的にこちらですね。市場が読めて、環境が安定している局面では、これがいちばん効率的です。
一方のエフェクチュエーションは、順番が逆になります。いま手元にあるもの(手段)から出発して、そこから何ができるかを考え、走りながら目的のほうを形づくっていく。不確実性が高く、市場そのものが読めない局面で、熟達した起業家が実際に使っている思考です。
そして、小川氏の「変わることで役立ち続ける」という言葉と、大津屋450年の歩みは、このエフェクチュエーションの5つの原則にきれいに重なっていました。8月に理論として学んだことが、9月に450年の実例として目の前に現れた。
すーっと腑に落ちて、思わず「なるほどー」と声が出そうになりました。

1. 手中の鳥(Bird-in-Hand)──目的ではなく、手段から始める
「自分は誰か」「何を知っているか」「誰を知っているか」。この3つの手持ち資源から出発する原則です。
大津屋でいえば、酒屋として培った「地域の食の目利き」と「店舗という接点」がまさにそれ。この2つを持っていたからこそ、酒販店からコンビニへ、そして弁当・惣菜の製造へと自然に手を伸ばせた。ゼロから新規事業を構想したのではなく、手元にあるものの組み合わせを変え続けた、と読むほうが正確でしょう。
中小企業の経営相談でも、「何か新しいことを始めたい」というご相談の答えは、たいてい社内にすでにあります。長年使っている設備、取引先との関係、ベテラン社員の勘。棚卸しから始めるのが先です。
2. 許容可能な損失(Affordable Loss)──期待利益ではなく、失っても大丈夫な額で決める
「いくら儲かるか」ではなく「いくらまでなら失っても事業が続くか」で投資判断をする原則です。
新業態や無人店舗のような試みは、当てにいけば必ず外れることがあります。だからこそ、外れても致命傷にならない規模で試す。450年続いた会社が一度も倒れなかったのは、勝ち続けたからではなく、負けても死なない張り方をしてきたからだと思います。
これは資金力の乏しい中小企業にとって、むしろ相性のいい考え方です。「この挑戦に出せる上限は月30万円、期間は6か月」と先に決めてしまえば、意思決定はぐっと軽くなります。
3. クレイジーキルト(Crazy-Quilt)──競争ではなく、共創でパートナーを増やす
競合分析よりも先に、一緒にやってくれる人を巻き込んでいく原則です。パッチワークのキルトのように、参加した人の持ち寄りで全体像が変わっていく。
大津屋グループが博報堂と資本業務提携を結び、HAQTSUYAという新しい器を用意したのは、この原則そのものです。自前主義で全部やろうとせず、外の力を編み込むことで、地域商社としてできることの幅が一段広がっている。
4. レモネード(Lemonade)──想定外を、逆に活かす
「酸っぱいレモンをつかまされたら、レモネードを作れ」という西洋のことわざが由来です。予期せぬ事態を、避けるべき失敗ではなく、新しい機会の材料として扱う。
酒販免許の規制緩和、コンビニ大手の進出、人口減少。どれも老舗にとっては逆風だったはずですが、そのたびに業態を組み替えてきたのが大津屋の歴史です。想定外が来たときに「計画が狂った」と嘆くか、「では何ができるか」と問い直すか。その分岐点が、450年の差になって表れているのだと感じました。
5. 飛行機のパイロット(Pilot-in-the-Plane)──予測ではなく、操縦でコントロールする
未来を予測して備えるのではなく、自分が動かせるものを動かして未来のほうを作りにいく原則です。天気予報を眺めるのではなく、操縦桿を握る。
「変わることで役立ち続ける」という言葉は、まさにこの姿勢の宣言だと思います。市場がどうなるかを当てにいくのではなく、地域に必要とされる状態を自分たちで作り続ける。主語が「環境」ではなく「自社」になっている点が、この言葉の強さです。
明日から試せる、エフェクチュエーション5つの問い

理論として知っているだけでは、経営は動きません。研修の帰り道に考えていた「では自分の関わる現場で何をするか」を、5つの問いに整理してみました。経営会議や事業計画の見直しの場で、そのまま使えるはずです。
1. 手中の鳥:自社がいま持っている資源(設備・技術・顧客名簿・社員の経験・地域での信用)を、10個書き出せますか。書き出したうえで、まだ組み合わせていない2つを掛け算するとしたら、どれとどれですか。
2. 許容可能な損失:いま検討している新しい取り組みについて、「ここまでなら失っても本業は揺らがない」という金額と期間を、数字で言えますか。言えないなら、まずその線を引くところからです。
3. クレイジーキルト:その取り組みに、一緒に乗ってくれそうな相手(取引先・同業者・自治体・支援機関・学校)を3者挙げられますか。まず1者に、今週中に相談できますか。
4. レモネード:この1年で起きた「想定外の出来事」を1つ挙げてください。それを損失として処理して終わりましたか、それとも何かの入口として使えませんでしたか。
5. 飛行機のパイロット:来期の計画のうち、「環境がこうなったら」という前提に依存している項目と、「自分たちが動けば実現する」項目を分けてみてください。後者の比率はどれくらいありますか。
補助金や事業計画の世界は、どうしてもコーゼーション型の思考が求められます。私自身、その書類づくりをお手伝いする立場でもあります。ただ、計画書に書ける未来と、実際に会社を前に進める意思決定は別物です。両方の思考を使い分けられることが、これからの経営者と支援者に求められる力なのだと思います。
完璧な計画よりも、目の前の縁を大切に歩む
研修が終わり、建物の外へ出ると、午後の柔らかな光が街を包んでいました。朝よりも少し温まった空気を吸い込みながら駐車場へ向かう足取りは、行きよりも心なしか軽やかになっていました。
私たちは日々の仕事や暮らしの中で、つい「完璧な計画を立てなければならない」「先々のリスクをすべて予測して手を打たなければならない」と、肩に力を入れてしまいがちです。とくに新しいことに挑戦しようとするときほど、失敗を恐れて足がすくんでしまうことも少なくありません。
しかし今回、450年の実例を通して改めて感じたのは、確固たる正解を探し続けることよりも、いま自分の手の中にあるものを確かめ、目の前にいる人との対話からできることを少しずつ紡ぎ出していくことの確かさでした。エフェクチュエーションは、けっして「計画を立てなくていい」という理論ではありません。読めないものを読もうとして立ち止まる時間を、動かせるものを動かす時間に替えなさい、という実践の作法です。
手持ちの道具が不揃いであっても、置かれた環境が思うようにならなくても、今できる範囲で小さく始めてみる。やってみて違えば、また少し向きを変えればいい。そうした柔軟な構えこそが、結果として自分自身を助け、長く誰かの役に立ち続ける力になるのだと思います。

帰り道の高速道路を走りながら、私は自分のこれまでの歩みや、来週から向き合う日々の仕事のことをぼんやりと考えていました。大きな風呂敷を広げるのではなく、今あるご縁を大切にしながら、ひとつひとつの対話に誠実に向き合っていく。そんな地道な歩みを、これからも重ねていきたいと感じた週末でした。
季節はこれから、実りの秋へと向かっていきます。みなさまもどうぞ、心穏やかな日曜日をお過ごしください。
どもどもAIとは

この記事は「どもどもAI」というAIエージェントで執筆しています。【使用モデル: gemini-3.8-flash(有料版・思考:medium)→ClaudOpus5でリライトしました】
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現在は実験的な運用段階にあり、より精度の高い情報発信を目指して改善を続けています。どもどもAIは、これからも経営に役立つ視点を整理してお届けします。

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