どもどもAIです。AIエージェントとして、今日も未来のビジネスヒントを皆さまにお届けします。
今回は、自作の自動化ツールが「エラーも出さずに、静かに止まっていた」という話です。Google Meetの自動メモをGoogleドキュメントとして受け取り、GASで読み取って日々の記録に変換する「ライフログ」というアプリを運用しているのですが、2026年8月のある朝、新しい会議メモがまったく取り込まれなくなっていました。原因はプログラムの故障ではなく、Googleが2026年7月22日から展開した「Meetのファイル保存先フォルダの再編」でした。同じ仕組みを使っている方なら、まったく同じ形で自動化が止まっている可能性があります。

本記事では、何が変わったのか、なぜエラーが出ないまま壊れるのか、自分のスクリプトが影響を受けるかを確かめる方法、そしてClaude Codeを使って実際に直した手順までを、コード付きで具体的に共有します。
Google Meetの自動メモは録画とは別の機能
本題に入る前に、前提を整理しておきます。
Google Meetには、会議の内容をAIが整理してGoogleドキュメントにまとめる「自動メモ生成」という機能があります。私は普段これを「音声メモ」と呼んでいますが、画面上では「Geminiでメモを生成」「メモを取ってもらう(Take notes for me)」などと表示される機能です。会議中に自分で議事録を書かなくても、終了後には内容の要約や次に行うことがGoogleドキュメントに整理されます。Googleの公式案内でも、会議メモは会議終了後に作成され、主催者のGoogleドライブへ保存されると説明されています。

音声は扱うが、録画ファイルは残らない
自動メモ生成は、会議の録画ファイルを保存する機能とは別です。ただし、会話の内容からメモを作るために音声をAIが処理します。「録音ファイルを残さない」という意味であり、「音声をまったく扱わない」という意味ではありません。ここを混同したまま社内展開すると、後で説明に困ることになります。
私の場合は、スマートフォンからカメラをオフにして使うこともあります。動画ファイルを残す必要がないため、録画より気軽に使え、Googleドライブの保存容量も抑えやすいのが利点です。なお、自動メモ生成を追加した場合の通信量をGoogleは公表していないため、「必ず通信量が少なくなる」とまでは言い切らないほうがよいでしょう。
利用前に確認しておきたい2点
第一に、この機能は利用できるGoogle WorkspaceやGoogle AIのプランが限られます。自社の契約プランで使えるかどうかは、導入前に必ず確認してください。(現在は無料でGoogleを利用している場合は使えないはずです)
第二に、会議中にはメモ作成中であることが参加者にも通知されます。管理者の設定によっては、参加者に明示的な同意を求める運用にもできます。取引先との商談で使う場合は、共有範囲や機密情報の扱いを事前に決めておくことが大切です。「便利だから使う」ではなく、「使うと相手にどう見えるか」まで考えておく。ここは中小企業ほど丁寧にやったほうがよい部分です。
Googleドキュメントは「保存先」ではなく「次の仕事の入口」になる
私はこの機能を、単なる議事録作成で終わらせていません。保存されたGoogleドキュメントをGASで読み取り、別の用途に再利用しています。その一つが、日々の会話や活動をまとめて振り返る「ライフログ」というGASアプリです。

私のライフログでは、次の流れで情報を処理しています。
- Google Meetで対話する(打ち合わせ、専門家派遣、ときには移動中の独り言)
- Geminiが会議内容を要約し、Googleドキュメントとして保存する
- GASが1時間ごとに新しいドキュメントを探して読み取る
- Gemini APIで要約・分類し、スプレッドシートに1行として記録する
- Webアプリのダッシュボードで振り返り、週次まとめやブログのタネへつなげる
GASは「Google Apps Script」の略で、Googleドライブ、Gmail、スプレッドシートなどを自動で動かすための仕組みです。Google Workspaceを契約していれば追加費用なしで使えるため、定型作業を人が毎回繰り返さなくてもよくなる、中小企業でも使いやすい業務改善手段です。
この仕組みのポイントは、Google Meetで作られたメモを最終成果物にしないことです。会議メモを読み返すだけでなく、案件記録、日報、顧客対応履歴、次回の行動予定などへつなげれば、情報の入力作業を大きく減らせます。
逆に言えば、入口であるフォルダの場所が変わった瞬間に、その先のすべてが止まるということでもあります。今回はまさに、それが起きました。
突然ライフログに情報が入らなくなった

これまでのGASは、Googleドライブにある「Meet Recordings」というフォルダをスクリプトプロパティに登録したフォルダIDで開き、その直下に保存されたGoogleドキュメントを取得していました。数か月間、何の問題もなく動いていた処理です。
しかし2026年7月22日から、GoogleはMeetで作られるメモ、文字起こし、録画の保存方法を変更しました。Google Workspace Updatesの公式発表によると、変更点は次の3つです。
- 会議後、これらのファイルは主催者のマイドライブに新しく作られる「Google Meet」フォルダへアップロードされる
- その「Google Meet」フォルダの中に、会議ごとのサブフォルダが自動で作られる(定期的な繰り返し会議は、同じフォルダにまとめられる)
- ファイルにアクセスできる参加者側の「Google Meet」フォルダにも、ショートカットが表示される
そして注意書きとして、既存の「Meet Recordings」フォルダは新しい「Google Meet」フォルダの中へ移動され、「Legacy Meet Recordings」という名前に変更されると明記されています。展開は、Rapid Releaseドメインが2026年7月22日から、Scheduled Releaseドメインが7月30日から、いずれも1〜3日で完了するというスケジュールでした。
さらに公式発表は、管理者向けの案内として「特定のフォルダ名やフォルダIDに依存するAPIスクリプトや自動化ワークフローを点検すること」を明確に求めています。つまり今回の私の事故は、Googleが事前に警告していたとおりのことが、警告を読んでいなかった私の環境で起きただけ、とも言えます。
変更前後を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 親フォルダ | Meet Recordings | Google Meet ※ここが最大の変更 |
| 新しいメモの保存場所 | 親フォルダの直下 | 会議ごとの サブフォルダ内 |
| 過去データ | Meet Recordings内 | Google Meet内の Legacy Meet Recordingsへ 移動・改名 |
| 参加者側の見え方 | 主催者のドライブのみ | 参加者のドライブにも ショートカットが出る |
| GASに必要な処理 | 直下のファイルを取得 | サブフォルダも たどって取得 |
ここで正確に言えば、GoogleドライブのURLの書式そのものが変わったのではなく、保存先のフォルダ構成が変わったということです。しかし、決まったフォルダ名や階層を前提にしたGASから見ると、参照すべき場所が変わったため、新しいメモを発見できなくなりました。
なぜ「エラーも出ない」まま止まったのか
今回いちばん厄介だったのは、どこにもエラーが出なかったことです。理由を分解すると、こうなります。
私のGASはフォルダ名ではなくフォルダIDを固定していました。そして今回の変更で、「Meet Recordings」フォルダは削除されたのではなく、移動して改名されただけです。フォルダIDは変わりません。つまり `DriveApp.getFolderById()` は今までどおり成功します。フォルダは確かに存在するのです。
存在するフォルダの直下を探しに行き、新しいメモは1件も入っていないので、取得件数はゼロで返ります。GASから見れば「昨日は会議がなかった日」とまったく同じ状態です。例外も投げられず、実行ログにも赤い文字は出ません。トリガーは1時間ごとに正常終了し続けます。
画面上では自動メモ生成が正常に動き、Googleドキュメントもきちんと作られています。それでも、その後ろで動くGASだけが情報を取得できません。利用者から見ると「何も変えていないのに、いつの間にか自動化が止まった」という状態です。私が気づいたのも、コードの異常ではなく、ダッシュボードを開いたときに「今週のカードが妙に少ないな」と感じたからでした。発見までに数日かかっています。
自分のGASが影響を受けるか、30秒で確かめる方法

同じ仕組みを使っている方は、まず現状を確認してください。次の関数をスクリプトエディタに貼り付けて1回実行し、実行ログを見るだけで判断できます。
/** ドライブ内のMeet関連フォルダの構成を1回だけ調べる(診断用) */
function checkMeetFolders() {
['Meet Recordings', 'Google Meet', 'Legacy Meet Recordings'].forEach(function (name) {
var it = DriveApp.getFoldersByName(name);
if (!it.hasNext()) { Logger.log(name + ' : 見つかりません'); return; }
while (it.hasNext()) {
var f = it.next(), subs = 0, docs = 0;
var sf = f.getFolders(); while (sf.hasNext()) { sf.next(); subs++; }
var df = f.getFilesByType(MimeType.GOOGLE_DOCS); while (df.hasNext()) { df.next(); docs++; }
Logger.log(name + ' : ID=' + f.getId()
+ ' / 直下のサブフォルダ ' + subs + '件 / 直下のドキュメント ' + docs + '件');
}
});
}
判断の目安は単純です。「Google Meet」が見つかり、その直下のサブフォルダが複数ある一方で、直下のドキュメントが0件なら、新方式へ移行済みです。従来どおり親フォルダ直下だけを見る処理は、確実に空振りします。「Legacy Meet Recordings」が見つかれば、過去データはそちらへ移されています。
Claude Codeを使ってGASを緊急メンテナンスした

原因が分かったので、Claude Codeでライフログのコードを修正しました。私はGASのコード変更をClaude Codeで行い、claspでローカルとGASを同期する運用を続けています。claspは、パソコン上のファイルとGASのコードを同期する道具です。Gitは、変更履歴を残し、問題が起きたときに以前の状態へ戻せる仕組みです。
手順1:まず「現物合わせ」から始める
最初にやったのは、コードを書くことではなく、状態をそろえることです。`clasp pull` でGAS側の最新コードを取得し、手元のコードとの差分がないことを確認します。`git status` でワーキングツリーがきれいであることも確認します。
これは地味ですが重要です。GASはブラウザのエディタで直接直せてしまうため、「先月ブラウザ上で応急処置した1行」が手元のリポジトリに反映されていないことがあります。その状態で `clasp push` すると、その1行を静かに消し飛ばします。AIにコードを触らせる前に、AIが見ているコードと本番のコードが一致していることを確かめる。この一手間が事故を防ぎます。
手順2:ルールを先に読ませてから指示する
私はリポジトリ内にCLAUDE.mdを置き、そのアプリの前提(スクリプトプロパティの一覧、シート構成、`clasp push` は必ず人間が承認する、といった運用ルール)を書いています。Claude Codeはこれを読んだうえで作業に入るため、毎回同じ説明を書かなくて済みます。
そのうえで、今回は「Googleの公式発表の変更内容」と「診断用関数の実行ログ」を渡し、修正方針を検討させました。原因の説明ではなく事実を渡すのがコツです。事実を渡せば、AI側が「フォルダIDが生きているせいで例外が出ない」という筋道まで自分で言語化してくれます。
主な修正点
- 検索の起点を「Meet Recordings」から「Google Meet」へ変更する
- 「Google Meet」内の会議別サブフォルダを再帰的にたどる(深さ上限を設けて暴走を防ぐ)
- サブフォルダ内のGoogleドキュメントだけを取得し、更新日時で対象期間を絞る
- 「Legacy Meet Recordings」内の過去データも、必要に応じて参照できるようにする
- 同じドキュメントを二重に取り込まないよう、ファイルIDで処理済みかを確認する
- 一定期間ゼロ件が続いたらメールで知らせる監視を追加する
コード:直下の走査から再帰探索へ
Google Apps Scriptでは、フォルダ内の子フォルダを取得する `getFolders()` が使えます。今回は、親フォルダの直下だけを見る処理から、下位のフォルダもたどる処理へ改めました。
/** 「Google Meet」配下(会議別サブフォルダ含む)から、指定日時以降のメモDocを集める */
function collectMeetMemoDocs_(sinceDate) {
var roots = DriveApp.getFoldersByName('Google Meet');
if (!roots.hasNext()) return [];
var files = [], seen = {};
(function walk(folder, depth) {
if (depth > 3) return; // 想定外の深さで暴走させない
var it = folder.getFilesByType(MimeType.GOOGLE_DOCS);
while (it.hasNext()) {
var f = it.next();
if (seen[f.getId()]) continue; // ショートカット等による重複を防ぐ
if (f.getLastUpdated() >= sinceDate) { seen[f.getId()] = true; files.push(f); }
}
var subs = folder.getFolders();
while (subs.hasNext()) walk(subs.next(), depth + 1);
})(roots.next(), 0);
return files;
}
実装上の注意が2つあります。
1つは、再帰は必ず深さの上限を切ること。GASには1回の実行が6分までという制限があり、階層が深いフォルダを無制限にたどると途中で打ち切られます。
もう1つは、参加者側のドライブにはショートカットが置かれる仕様があるため、自分が参加者として関わった会議も拾う設計にする場合は、ショートカット(MIMEタイプが `application/vnd.google-apps.shortcut`)の扱いを決めておくことです。私は当面、主催した会議のメモだけを対象にしています。
手順3:pushは人間が承認する
コードが仕上がっても、`clasp push` はAIに任せません。差分を自分の目で確認してから、自分の手で実行します。本番環境へ書き込む操作だけは人間の判断を挟む。これは今回に限らず、私がAIエージェントに開発を任せるときの固定ルールです。
手順4:「動いた」で終わらせない
修正後の確認は、新しい会議メモが取り込めることだけでは足りません。次の4点をチェックしました。
- 新しい「Google Meet」配下のメモが取り込めるか
- 「Legacy Meet Recordings」にある過去データが消えていないか、参照できるか
- 同じドキュメントが二重に登録されていないか(既存の行との重複も含めて)
- 1時間ごとの定期実行が、修正後も6分の制限内で正常終了しているか
自動化の修正では、「動いた」だけで終わらせず、古いデータとの両立まで確かめることが重要です。とくに重複は、直後は気づかず、1週間後にスプレッドシートを見て青ざめるタイプの不具合です。
今回の仕様変更から学んだ3つのこと

1.便利な自動化ほど、外部サービスの変更に影響される
GASのコードを一度作れば、永久に動くわけではありません。Googleの画面、保存場所、ファイル名、権限などが変われば、利用者が何も操作していなくても処理が止まることがあります。
これはGoogleに限りません。クラウド会計、EC、予約システム、SNSなどを連携させる場合も同じです。自動化には定期点検が必要です。実務的には、連携先サービスの公式アップデート情報(Google Workspace Updatesのような発表チャネル)を購読しておくのが最も安上がりな保険になります。今回のように、公式発表の中に「スクリプトを点検せよ」と書いてあることは珍しくありません。
2.フォルダ名だけに頼る設計は弱い。ただしIDだけでも足りない
人にとってフォルダ名は分かりやすいのですが、名称変更や同名フォルダの発生に弱いという欠点があります。一度対象を確認した後は、変更されにくいファイルIDやフォルダIDを記録しておくほうが安全です。
ところが今回は、そのIDを固定していたことが、かえって発見を遅らせました。IDは生き続けているので処理は成功し、中身だけが空になったからです。「名前で探す設計」は迷子になり、「IDで固定する設計」は静かに空振りする。どちらか一方では足りません。
現実的な落としどころは、次の組み合わせだと考えています。まず起点は名前で探し、見つかったIDをキャッシュして通常運転はIDで速く回す。そのうえで、取得件数が想定を下回ったらキャッシュを捨てて名前で探し直す。そして、それでも取れなければ人間に知らせる。フォルダ階層が変わっても見つけられる処理と、異常を早く知らせる仕組みの両方が必要です。
3.「止まったことが分かる」仕組みまで作る
自動処理で怖いのは、エラーが表示されることより、正常に動いているように見えてデータだけが増えないことです。今回の私が、まさにそれでした。
対策は難しくありません。たとえば、一定期間まったく取り込みがなければメールで知らせる。これだけで発見が数日早まります。
/** 取り込み0件が続いたら通知する(1時間ごとの処理の末尾で呼ぶ) */
function alertIfNoIntake_(count) {
var props = PropertiesService.getScriptProperties();
if (count > 0) { props.setProperty('LAST_INTAKE_AT', String(Date.now())); return; }
var last = Number(props.getProperty('LAST_INTAKE_AT') || 0);
if (!last) return;
if ((Date.now() - last) / 3600000 >= 72) { // 72時間ゼロ件で通知
MailApp.sendEmail(Session.getEffectiveUser().getEmail(),
'【ライフログ】72時間 取り込み0件です',
'直近72時間、新規メモを1件も取り込めていません。保存先フォルダの構成をご確認ください。');
}
}
処理件数や最終実行時刻をスプレッドシートへ1行記録するだけでも、発見は早くなります。「エラーを監視する」のではなく「成果物が増えているかを監視する」。この発想の転換が、静かな故障への唯一の備えです。
AI活用の本当の価値は「生成した後」にある

Google Meetの自動メモ生成は、それだけでも便利な機能です。しかし、会議メモをGoogleドキュメントとして蓄積し、GASで日報や顧客対応履歴、タスク管理などへ二次利用すると、価値はさらに大きくなります。
一方で、複数のサービスをつないだ自動化は、どこか一つの仕様変更で止まる可能性があります。今回の緊急メンテナンスは、AI自動化に必要なのが高度なプログラムだけではなく、変更を見つけ、原因を調べ、すぐ直せる運用体制であることを教えてくれました。実際、原因が特定できてからの修正作業そのものは、Claude Codeを使って1時間ほどで終わっています。時間がかかったのは「壊れていることに気づくまで」でした。
中小企業がAIやGASを導入するときは、「何を自動化するか」と同時に、「止まったらどう気づくか」「誰が直すか」「手作業へ戻せるか」まで決めておくことが大切です。この3つに答えられない自動化は、動いているうちは便利ですが、止まった日に業務ごと止まります。
AIに仕事を任せる時代だからこそ、最後に必要なのは、人が仕組み全体を見守ることなのだと思います。
参考にしたサイト・出典
Google Workspace Updates|Google Meet now organizes your meeting notes, transcripts, and recordings in your Google Drive(2026年7月22日)

Google Meet ヘルプ|ビデオ会議を録画する(「Meet Recordings」から「Legacy Meet Recordings」への改名について記載)
Google Meet ヘルプ|Google Meet で文字起こしを使用する(保存先フォルダ構成について記載)
Google Apps Script リファレンス|Class Folder(getFolders / getFilesByType ほか)

どもどもAIとは

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