AI(人工知能/ディープラーニング)GAS:GoogleAppsScript

GASでGemini APIのモデル更新に対応した修正が必要です(APIのGeminiプレビュー版から正式版への移行に伴う変更)

この記事は約6分で読めます。

モデルの変更作業日頃より、GASを使ってGeminiのAIモデルを活用した業務の改善に取り組まれている担当者の皆様にお知らせです。Googleから提供されている「Gemini API(他のシステムと連携するための仕組み)」の重要な変更があります。
2026年5月25日をもちまして、現在試験的に提供されている「Gemini 3.1 Flash Lite プレビュー版」が終了し、正式なサービスである「一般提供版」へ移行します。ということなので、これまでプレビュー版を利用してシステムを構築していた場合、期限までに設定を変更しないと、システムが正常に動作しなくなるおそれがあります。
ここでは、Google Apps Script(GAS:Googleのサービスを自動化する仕組み)を使ってシステムを構築している場合の、具体的な修正方法について分かりやすく解説します。

GASで呼び出しているAIモデル名を変更しましょう

モデルの変更作業

変更のポイント

利用しているモデルの名前を、プレビュー版から正式版に変更するだけです。システムの複雑な仕組みを作り直す必要はありません。

AIのモデル名

詳細は以下の公式情報で確認してください。

モデル  |  Gemini API  |  Google AI for Developers
Google の最先端の AI モデルの詳細

モデル名ごとの性能比較

モデル 性能 速度 コスト 主な用途 今後の位置づけ
Gemini 3.1
Pro
最高 やや重い 高い 高度推論・コード生成・難しい分析 次世代最上位
Gemini 3.1
Flash
高い 速い 汎用チャット・業務自動化 主力候補
Gemini 3.1
Flash-Lite
中〜高 非常に速い 安い 大量処理・GAS・分類 超重要
Gemini 2.5
Pro
非常に高い やや重い 高め 長文解析・高度推論 現行安定版
Gemini 2.5
Flash
高い 速い 安め API全般 現行主力
Gemini 2.5
Flash-Lite
超高速 最安級 日常自動化・大量処理 実務最強候補
Gemini 1.5
Flash
旧世代 速い 非常に安い 互換維持 廃止方向

なおモデル名ですが、一般表示名とコードで利用する場合に少し違うので注意が必要です。

料金比較(1Mトークン単位)

以下は「有料API利用時」の概算です。(1Mトークン = 日本語約50〜100万文字くらい)

モデル 入力料金 出力料金 コスト感
Gemini 3.1 Pro $2.00 $12.00 非常に高価
Gemini 3.1 Flash $0.50 $3.00 中価格
Gemini 3.1 Flash-Lite $0.25 $1.50 安い
Gemini 2.5 Pro $1.25 $10.00 高い
Gemini 2.5 Flash $0.30 $2.50 バランス良
Gemini 2.5 Flash-Lite $0.10 $0.40 最安級
Gemini 1.5 Flash $0.075 $0.30 超安い(旧)

具体的な修正箇所

1. モデル名の更新

GASのコード内で、プレビュー版を指定している部分を正式版に書き換えます。

  • 変更前: gemini-3.1-flash-lite-preview

  • 変更後: gemini-3.1-flash-lite

(コード例)JavaScript

// 変更前
const modelsToTry = [ 
  { id: "gemini-3.1-flash-lite-preview", name: "Gemini 3.1 Flash-Lite" }, 
  { id: "gemini-3.1-flash", name: "Gemini 3.1 Flash" },
  { id: "gemini-1.5-flash", name: "Gemini 1.5 Flash" } 
];

// 変更後
const modelsToTry = [ 
  { id: "gemini-3.1-flash-lite", name: "Gemini 3.1 Flash-Lite" }, 
  { id: "gemini-3.1-flash", name: "Gemini 3.1 Flash" },
  { id: "gemini-1.5-flash", name: "Gemini 1.5 Flash" } 
];

2. 用途に合わせたモデルの優先順位の再設定

これを機に、システムの用途に合わせて、どのモデルを優先して使うかを見直すこともお勧めします。例えば、文章の品質を重視する場合と、費用を安く抑える場合とで、優先するモデルを変えることができます。

【ケースA】品質を最も重視する場合(ブログ記事の執筆など)

最も性能の高い「Pro」モデルを優先し、それが使えない場合の予備として「Flash」モデルを使う設定です。さらに、不安定なプレビュー版はなるべく避けるように点数(優先順位)を付けます。

(コード例)JavaScript

function getModelScore(modelName) {
  // ① 何よりもまず「Pro」モデルを最優先します。
  if (modelName.includes('gemini-3.1-pro')) return 300;        

  // ② プレビュー版は不安定な可能性があるため避けます。
  if (modelName.includes('preview')) return 10;

  // ③ 通常のモデルや軽量モデルを予備として使います。
  if (modelName.includes('gemini-3.1-flash') && !modelName.includes('lite')) return 200; 
  if (modelName.includes('gemini-3.1-flash-lite')) return 100; 

  // ④ 上記以外のモデルは通常は使われないようにします。
  return 50;
}

【ケースB】費用を安く抑えたい場合(記事の簡単な評価など)

利用料金の安い順に優先順位を設定します。最も軽い「Lite」を優先し、順に「Flash」、「Pro」へと切り替わるようにします。

(コード例)JavaScript

function evaluateContentWithGemini(text) {
  const apiKey = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty("GEMINI_API_KEY");
  
  // 費用の安い順(Lite → Flash → Pro)に予備のモデルを指定します。
  const modelsToTry = [ 
    { id: "gemini-3.1-flash-lite", name: "Gemini 3.1 Flash-Lite" }, 
    { id: "gemini-3.1-flash", name: "Gemini 3.1 Flash" },
    { id: "gemini-3.1-pro", name: "Gemini 3.1 Pro" } 
  ];
  // ・・・後略・・・
}

モデル名修正についてのまとめ

GASのシステムを安全に使い続けるために、2026年5月25日までにコードの確認とAIモデル名の修正をお願いします。設定を正しく更新することで、今後も安心してAIを活用した業務改善を進めることができます。

モデル名を変更

当方では今朝のうちに5つのGASで変更を実施しました。この機会にコード内容も見直してブラッシュアップしました。