AI(人工知能/ディープラーニング)

ローカルAI用PCの選び方|自身の50万円の実機をGPC内蔵機と共有メモリ機を比較

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「ローカルAIを使いたいが、どのPCを買えばよいのか」。私も同じ疑問から、2026年3月に約50万円を投じてWindowsのデスクトップPCを購入しました。半年ほどLM Studioで使い、選ぶ際の基準がはっきりしてきました。

一方で、いまはWindowsにも大容量の「共有メモリ」を搭載した端末があります。以前のように「大きなAIモデルならMac一択」とは言えません。本記事では、私の実機とWindowsの共有メモリ機、Mac Studioを、できることと費用の両面から比べます。

ローカルAI用PCの選び方|自身の50万円の実機をGPC内蔵機と共有メモリ機を比較

まず結論:動かしたいAIモデルの大きさで選ぶ

  • 小型モデルを試すだけなら、高価なPCは不要です。すでにあるPCでLM Studioを試すところから始められます。
  • 日本語の要約や下書きを日常業務で快適に使うなら、GPU専用メモリ(VRAM)16GBのWindows PCが有力です。私のRTX 5070 Ti搭載機はこの型です。
  • 30B級以上の大きなモデルや長い資料を主目的にするなら、WindowsのRyzen AI Max搭載機で共有メモリ64GBまたは128GB、あるいは大容量に構成したMac Studioが候補になります。
  • 「大きなモデルが載る」と「返答が速い」は別の話です。容量、メモリの読み出し速度、使うソフトへの対応を分けて確認します。

ローカルAIとは、ネット上のサービスに文章を送る代わりに、手元のPCでAIモデルを動かす使い方です。ここでいう「モデル」は、AIの頭脳に当たるファイルです。業務データを扱う場合も、使うソフトの通信設定や遠隔接続の方法まで確認して運用します。

約50万円で買った私のPCを、実際にどう使っているか

ローカルAI用PCの選び方|自身の50万円の実機をGPC内蔵機と共有メモリ機を比較

私が2026年3月に購入したのは、ドスパラの「GALLERIA XPR7M-R57T-GD」です。購入額はカスタマイズを含め約50万円でした。現在の販売ページにある基本構成の価格とは異なります。

項目 私の実機
CPU AMD Ryzen 7 7700
GPU GeForce RTX 5070 Ti、
専用VRAM 16GB
メインメモリ 32GB
SSD 2TB
OS・ソフト Windows 11 Pro、
LM Studio

購入当初は複数の日本語モデルを比較しました。私のレポート作成や議事録整理では、NVIDIA Nemotron Nano 9B v2 Japaneseが日本語の質と速度のバランスに優れていました。約6.2GBのVRAM使用目安で会話の長さを16Kに設定できた一方、試したGPT-OSS 20B系は約12.1GBを使い、長い会話では余裕が小さくなりました。これは購入直後の実機検証での評価です。

ローカルLLM環境構築:新調したRTX 5070 Ti PCで最適な日本語モデルを検証しました
今回はローカルAIについての報告です。ローカルで大規模言語モデル(LLM)を快適に動かすための基盤作りとして、新しくPCを導入しました。そして、これまでノートPCで細々と動かしていた「LM Studio」を本格運用すべく、複数の最新モデルを...

その後、LM Studioで「Gemma 4 12B QAT」も使うようになりました。QATは、小さなメモリで動かせるよう工夫して学習した版です。食品小売店の事例を使った検証では、経営課題の整理や改善案のたたき台に手応えがありました。ただし、顧客にそのまま渡せる経営改善計画にはならず、数値や優先順位は人が確認します。私の12B QATの検証記事では、メモリ警告が出たときに会話の長さを8Kまたは16Kに抑える設定も紹介しています。

仕事での使い道は、議事録や社内文書の要約、経営課題の整理、メールやレポートの下書きです。さらにLM Studioと別の処理を組み合わせ、ブラウザからCSVを分析する仕組みも作りました。4万行のCSVを扱った記録があり、AI単体の計算に任せず、表の集計はプログラム側に任せています。事務所のPCをLM LinkでiPhoneから呼び出す運用も試しました。端末を持ち歩かなくても、事務所に置いたPCを外出先から利用できます。

約50万円の投資で得たのは「最大のモデルを載せる能力」ではありません。私にとっては、中型のモデルを応答を待ちすぎずに何度も試し、必要な場面で使える環境です。

PC選びで見る数字は3つ

ローカルAI用PCの選び方|自身の50万円の実機をGPC内蔵機と共有メモリ機を比較

1.モデルを入れる場所の大きさ

RTX 5070 Tiの「VRAM 16GB」は、GPUが専用に使う高速メモリです。モデル本体だけでなく、会話の履歴を保持する領域なども必要です。同じ「20B」でも圧縮方法や内部構造によって必要量は変わるため、「モデルの規模×一定の数字」だけで購入を決めるのは危険です。使いたいモデルのファイル容量と、LM Studioが表示する推定メモリ使用量を、希望する会話の長さで確認します。LM Studioには読み込み前に使用量を見積もる機能もあります。LM Studio公式説明

2.メモリからデータを読む速さ

GPUのメモリ帯域は、メモリからデータを取り出す道幅のようなものです。NVIDIAの公称値ではRTX 5060 Ti 16GBが448GB/秒、私のRTX 5070 Tiが896GB/秒です。後者の公称帯域は2倍ですが、実際の回答速度が必ず2倍になるという意味ではありません。モデル、入力の長さ、計算処理、ソフトの設定でも変わります。NVIDIAの仕様比較

3.PC全体のメモリと保存容量

私のような専用GPU搭載機では、VRAM 16GBとは別にメインメモリ32GBを搭載します。ブラウザや業務ソフトを同時に開くなら32GBを目安にし、複数のモデルを保存するならSSDは1TB以上、余裕があれば2TBが便利です。一方、後述する共有メモリ機の「64GB」「128GB」はPC全体の容量です。全部をAIのGPU側に割り当てられるわけではありません。

Windowsにも登場した「共有メモリ」型は何が違う?

ローカルAI用PCの選び方|自身の50万円の実機をGPC内蔵機と共有メモリ機を比較

AMD Ryzen AI Max+ 395を搭載したWindows機は、CPUと内蔵GPUが最大128GBのメモリを共有します。AMDは128GB構成で、設定により最大96GBをグラフィックス用途に割り当てられると説明しています。ただし、その分だけCPU側が使えるメモリは減ります。「128GB搭載=128GBのVRAM」ではありません。64GB構成での割り当て目安も最大48GBです。機種、ドライバー、設定、使うソフトにより実際の利用可能量は変わります。AMDの共有メモリと割り当ての説明

Ryzen AI Max+ 395の公称メモリ帯域は256GB/秒です。私のRTX 5070 Tiの896GB/秒とは設計が違い、この数字だけから回答速度を直接換算することはできません。ただ、大きなモデルをメモリに載せることを優先する構成であり、16GBの専用VRAMに収まる中型モデルを機敏に使う構成とは、狙いが違います。AMDの製品仕様

「Ryzen AI」と名前が付くだけで同じ性能になるわけでもありません。例えばRyzen AI 9 HX 370などの一般的なノート向け製品と、広いメモリ帯域を持つRyzen AI Maxシリーズを混同しないでください。70B級のモデルを考える場合は、CPU名だけでなく、搭載メモリが64GBか128GBか、GPU側への割り当て設定ができるかまで確認します。

専用GPUのWindows、共有メモリのWindows、Macを比較

選択肢 構成の例 得意なこと 購入前に確認すること
専用GPUのWindows RTX 5060 Ti 16GB、RTX 5070 Ti 16GBなど VRAM内に収まる小~中型モデルを速く使う。NVIDIA向けのAIソフトも選びやすい GPU名だけでなくVRAMが16GB版か、メインメモリとSSDが十分か
共有メモリのWindows Ryzen AI Max+ 395、メモリ64GBまたは128GB 専用GPUの16GBには載せにくい大型モデルを試す 64GBで70B級を使う場合はモデルや会話の長さによって余裕が小さい。メモリは後から増設できない製品が多い
Mac Studio M5 Max、購入時にメモリを選択 大容量のユニファイドメモリを選べる。Macを業務で使う人に自然 最安の36GB構成と、64GB・128GB構成を同じ価格として比較しない

2026年9月23日に確認できたメーカー公式ページの販売例を挙げます。価格は税込表示で、セール・構成・在庫により変わります。

  • G TUNE DG-A5G6T:RTX 5060 Ti 16GB、メインメモリ32GB、SSD 1TBの構成で359,800円から。
  • GMKtec EVO-X2:Ryzen AI Max+ 395、共有メモリ64GB、SSD 1TBの選択時で347,999円。128GBモデルも選択肢にありますが、この金額は64GB版の表示です。
  • GMKtec EVO-X3:同じRyzen AI Max+ 395、共有メモリ128GB、SSD 2TBの構成で607,999円。
  • Mac Studio(M5 Max):419,800円から。ただし最も安い構成はユニファイドメモリ36GBです。128GBは対応する上位チップの選択を含むカスタマイズが必要で、価格を別途確認します。

上の価格を見れば、同じ35万円前後でも「専用VRAM 16GBで中型モデルを軽快に使うPC」と「共有メモリ64GBで大型モデルを試すPC」の両方があると分かります。メーカーの宣伝にある「最大96GBをVRAM化」「70Bに対応」だけで判断せず、使いたいモデルの実測例とソフトの対応状況を確認してください。Mac Studioの新モデルは2026年9月22日に販売開始されています。

用途別の選び方:私ならこう考えます

ローカルAI用PCの選び方|自身の50万円の実機をGPC内蔵機と共有メモリ機を比較

社内文書の要約や経営相談の下書きが中心

まずは手持ちのPCで小型モデルを試します。導入後も使うと判断できたら、VRAM 16GBの専用GPUとメインメモリ32GBを基準に選びます。私の用途では、モデルを大きくすることより、気軽に何度も使える応答の速さが効きました。約50万円の私のPCは今でもこの用途に合っています。

70B級のモデルをWindowsで試したい

Ryzen AI Max+ 395の共有メモリ128GB構成が候補です。64GB機でも圧縮の強いモデルなら動く場合がありますが、モデル本体と長い会話を同時に収める余裕は限られます。128GB構成であっても、大型モデルの返答速度は実機レビューや自分の利用条件で確かめたいところです。メーカーの容量上限は、すべてのモデルが快適に動く保証ではありません。

Windowsの業務環境を維持したい

使い慣れたWindowsのまま、専用GPU型と共有メモリ型から選べます。ただし、GPUを使うソフトによってNVIDIAとAMDで対応状況が異なります。LM Studio以外にも使いたい画像生成・分析ソフトがある場合は、購入前に対応GPUを個別に確認します。NPUの「何TOPS」という広告値だけでは、LM Studioでの文章生成速度は判断できません。

会社で購入するときの税務上の注意

2026年4月1日以後に取得する減価償却資産について、中小企業者等の少額減価償却資産の特例は「40万円未満」へ拡充されました。青色申告などの条件を満たす場合、年間合計300万円を限度に取得価額の全額を損金算入できます。適用期限は2029年3月31日で、法人については常時使用する従業員数が400人を超える場合などは対象外です。国税庁の令和8年度改正資料、中小企業庁の案内をご参照ください。

私が約50万円で買ったPCは、購入時期が2026年3月で、金額も40万円以上です。この新しい「40万円未満」の枠の対象として説明してはいけません。また、販売例の359,800円でも、購入時の追加構成で40万円以上になれば判定が変わります。税込・税抜のどちらで取得価額を判定するかは自社の消費税の経理方式によるため、実際の処理は顧問税理士に確認してください。

よくある質問

VRAM 8GBのPCでは使えませんか?

使えます。小型モデルや短い会話なら試す価値があります。16GBは「ローカルAIを始める最低条件」ではなく、私が中型モデルを業務で繰り返し使う場合の推奨目安です。LM Studio自体のWindows向け推奨条件は専用VRAM 4GB以上、メインメモリ16GB以上です。LM Studio公式の動作条件

メインメモリ64GBのWindowsノートなら、70Bも快適ですか?

メモリ容量だけでは判断できません。普通のRyzen AIノートとRyzen AI Max機ではメモリ帯域が異なり、OSやほかのソフトもメモリを使います。特に「64GBの共有メモリ」を「64GBの専用VRAM」と同じものとして扱わないことが大切です。

クラウドAIはもう不要ですか?

私は併用しています。外部に出したくない資料の下処理や案出しにはローカルAIが役立ちます。一方、最新情報を調べて根拠を確認する作業などには、必要な範囲でクラウドのサービスを使います。ローカルAIでも、遠隔接続や追加機能を使うと通信が発生するので、用途に応じて設定を確認します。

まとめ:いまの私なら、速度と容量を別々に選ぶ

私の約50万円のRTX 5070 Ti機は、16GBの専用VRAMで中型モデルを日常的に使うための投資として、今も役立っています。WindowsのRyzen AI Max機が増えたことで、大型モデルを試したい人には共有メモリ64GB・128GBという別の道もできました。

端末を選ぶ順番は、まず「何の仕事に使うか」、次に「その仕事に必要なモデルと会話の長さ」、最後に「必要な容量・速度・ソフトの対応・総額」です。

私なら、議事録や経営資料の下書きが中心なら専用VRAM 16GB、大型モデルそのものの検証が目的なら共有メモリ128GBを軸に比較します。

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