CPIサーバーでPHPのバージョンを変えるには、公開ディレクトリにある「.htaccess」の1行(AddHandler x-httpd-php◯◯ .php)を書き換えます。さくらインターネットのように管理画面のボタンひとつで切り替える方式とは、考え方がかなり違います。
この記事はもともと2020年に、CPIでPHPを7.0から7.3へ上げたときの体験として書きました。2026年10月にPHPの重大な脆弱性が公表され、レンタルサーバー各社の対応の差がはっきり表に出たため、その内容を追記しています。
(2026年10月29日追記)2020年当時のPHPの最新版は7.4でしたが、2026年10月時点の最新は8.5系です。古いPHPを使い続けているサイトは、今回の脆弱性で大きなリスクを抱えることになりました。
結論:CPIのPHPバージョン変更・確認のポイント
- 変更方法:.htaccessの
AddHandler x-httpd-php73 .phpのような記述の数字を、使いたいバージョンに書き換える(例:php72 → php74) - php.ini:PHPの細かい設定を変えたいときだけ、php.iniを作ってアップロードする。バージョンの切り替えそのものは.htaccessで行う
- 確認方法:WordPressの「ツール → サイトヘルス → 情報 → サーバー」か、phpinfo()で確かめる
- 2026年10月の脆弱性:CPIはPHP 8.2/8.3/8.4に修正を適用済み。それより古いバージョンは、利用者自身での対応(緩和策の設定や、修正済みバージョンへの切り替え)が必要
以下、PHPのバージョンの基本から、CPIでの具体的な作業、2026年10月の各社の対応の違いまで順に説明します。
PHPのバージョンとサポート期限
PHPのバージョン管理ってどうしていますか?
ホームページやブログを運用している企業や個人は、なんらかのレンタルサーバを契約していると思います。そこで必ず使われているのがPHPです。
PHPとは、オープンソースのプログラム言語でWEBサーバで使われています。WEBページを動的生成(ダイナミック)で構築できるのが特徴で、主にWordPress(ワードプレス)を稼働させるために使うプログラムだと思えばいいでしょう。
このようにPHPは、なくてはならないくらい重要なのですが、エンジニアでもない一般ユーザーはバージョン管理にはあまり興味がないのが現実です。
2020年当時はサポート切れのPHP5.6が最多だった
PHPのバージョンは5.xの時代が長く続きました。とくに5.6は息の長いバージョンで、2020年になってもみかけることがよくありました。しかし、PHP5.6のサポート期限は終了しています。
▼2020年1月時点のPHPバージョンごとの利用率

このグラフはhttps://kinsta.com/jp/blog/php-versions/から引用(2020年1月現在)
なんと、2020年の段階でもPHP5.6が利用率トップなんですね。サポート期限はとっくに過ぎていますので、車検切れの自家用車に乗り続けていてもいいのですか?という不思議な違和感があります。
新しいワードプレスは古いPHPではエラーになって動きません。逆に、古いワードプレスはPHPの新しいバージョンではエラーになって動きません。PHP5.6が最多だった理由は、数年以上前の古いワードプレスがかなり動いていたということなのでしょうね。
PHPのバージョンとサポート期限の一覧
▼PHPのバージョンとサポート期限
| バージョン | 初回リリース日 | アクティブサポート | セキュリティサポート |
|---|---|---|---|
| 5.3 | 2009/06/30 | – | 2014/08/14 |
| 5.4 | 2012/03/01 | – | 2015/09/03 |
| 5.5 | 2013/06/20 | – | 2016/07/10 |
| 5.6 | 2014/08/28 | 2017/01/19 | 2018/12/31 |
| 7.0 | 2015/12/03 | 2017/12/03 | 2018/12/03 |
| 7.1 | 2016/12/01 | 2018/12/01 | 2019/12/01 |
| 7.2 | 2017/11/30 | 2019/11/30 | 2020/11/30 |
| 7.3 | 2018/12/06 | 2020/12/06 | 2021/12/06 |
| 7.4 | 2019/11/28 | 2021/11/28 | 2022/11/28 |
| 8.0 | 2020/11/26 | 2022/11/26 | 2023/11/26 |
| 8.1 | 2021/11/25 | 2023/11/25 | 2025/12/31 |
| 8.2 | 2022/12/08 | 2024/12/31 | 2026/12/31 |
| 8.3 | 2023/11/23 | 2025/12/31 | 2027/12/31 |
| 8.4 | 2024/11/21 | 2026/12/31 | 2028/12/31 |
| 8.5 | 2025/11/20 | 2027/12/31 | 2029/12/31 |
※7.4までの出典はhttps://qiita.com/Web_akira/items/c3e5dbd86ab82affe8fa。8.0以降は2026年10月の追記です。最新の期限はPHP公式のサポート状況ページで確認してください。【要確認:8.0〜8.5行の日付を公開前に公式ページと照合】
2026年10月時点でセキュリティサポートが続いているのは8.2〜8.5です。8.2も2026年12月31日で終わるため、これから切り替えるなら8.3以上を選ぶのが安心です。
新しいPHPほどワードプレスは速く動く
PHPのバージョンでワードプレスの動作速度がぜんぜん違います。PHPはバージョン7以降も7.0→7.1→7.2→7.3→7.4とバージョンが推移しました。バージョンが新しいほど動作速度は早くなっています。
▼ワードプレスの動作速度比較(2020年時点)

速さだけでなく、セキュリティの修正を受けられるかどうかという点でも、新しいバージョンを使う意味は大きいです。2026年10月の脆弱性では、この差がはっきり表れました(後半で説明します)。
レンタルサーバーによってPHPのバージョン管理の方法はかなり違う
PHPの管理の方法はレンタルサーバによってかなり違います。ここでは私が実際に触った、さくらインターネットとCPIを比べます。
さくらインターネット:ボタンひとつで切り替えできる
私(遠田幹雄)が管理している自社のレンタルサーバは「さくらインターネット」です。さくらインターネットはPHPのバージョン変更が簡単で、ボタンひとつ(ワンクリック)で切り替えできます。この記事を最初に書いた2020年6月に、PHPを7.3から7.4に切り替えました。心なしかホームページ表示がキビキビと早くなったような気がしました。
▼さくらインターネットのPHPバージョン選択画面(2020年当時)

さくらインターネットは、初心者でもわかるようなインターフェイスを心がけているようで、直感的にわかりやすいです。一方、老舗や大手企業が提供しているレンタルサーバは、専門的でわかりにくい表示が多いです。
CPI:php.iniと.htaccessの編集が必要だった
2020年にCPIサーバにふれる機会がありましたが、これがわかりにくかったです。
CPIサーバはKDDIグループが運営する法人向けのレンタルサーバで、2020年当時は年額約5万円程度からサービスを提供していました。【要確認:現在の料金】
CPIサーバ
https://www.cpi.ad.jp/shared/
使用しているワードプレスから「PHPバージョンが7.0と古いのでアップデートするように」と警告が出ていました。CPIサーバの管理画面にログインして調べてみると、使用できるPHPのバージョンは以下のとおりでした。

使える最新バージョンは7.4ではなく7.3でした。それはどちらでもよかったのですが、PHPバージョンの切り替えがたいへんでした。CPIのマニュアルには、次のように書かれていました。
CPIサーバでPHPの設定を変更する
弊社サーバーでは任意の設定内容で PHP を動作させることができます。独自の PHP の設定には、【php.ini】ファイルを使用します。
一例として、 PHP の項目「register_globals」の設定変更の方法をご紹介します。コントロールパネルの【お客様情報】から、【プログラムのパスとサーバの情報】をクリックし、使用する PHP と同じバージョンの php.ini 情報をテキストファイルにコピーします。
テキストファイルの下記の記述を修正します。
中略
~
変更前 register_globals = Off
変更後 register_globals = On
~
中略ファイル名を【php.ini】として保存し、任意のディレクトリにアップロードします。
実際にアクセスして動作検証を行います。 phpinfo を参照するとよいでしょう。
弊社サーバーでは .htaccess ファイルにて php_value および php_flag はご利用いただけません。
記述が .htaccess ファイルにある場合、 500 エラー(Internal Server Error)となってしまいますのでご注意ください。
ちょっと癖のあるサーバですね。上記の説明を読むと、php.iniの編集が必須なのかと思いました。
php.iniはコピペで編集できるので、新しいファイルをFTPでアップロードしました。しかし、それだけではPHPバージョンの変更になりませんでした。
調べてみると、「.htaccess」の最初の一行にPHPのバージョン指定が書いてありました。
AddHandler x-httpd-php70 .php
この「x-httpd-php70 .php」を「x-httpd-php73 .php」に書き換えました。
AddHandler x-httpd-php73 .php
これでPHPのバージョンが7.0から7.3に切り替わりました。
結局、php.iniと.htaccessの2つのファイルをテキストエディタで編集し、書き換えたうえでFTPしました。ひょっとしたら、php.iniの書き換えは不要だったかもしれません。
CPIでPHPバージョンを変更する手順(まとめ)
私の体験と、2026年10月のCPIの告知で案内されている書き方を合わせると、手順は次のとおりです。
- 使っているCMS(ワードプレス本体・テーマ・プラグイン)が、変更先のPHPバージョンに対応しているか確認する
- FTPなどで公開ディレクトリの「.htaccess」をダウンロードし、元のファイルを控えとして保存しておく
AddHandler x-httpd-php◯◯ .phpの数字を変更先のバージョンに書き換える(例:php72 → php74)- .htaccessをアップロードし、サイトの表示やお問い合わせフォームなどが正常に動くか確認する
- 不具合が出たら、控えておいた元の記述に戻す
使えるバージョンは契約しているプランや契約時期によって異なります。古いプランでは、新しいPHPがそもそも選べない場合もあります。
CPIで今のPHPバージョンを確認する方法
- ワードプレスの場合:管理画面の「ツール → サイトヘルス → 情報 → サーバー」にPHPのバージョンが表示されます
- phpinfo():CPIのマニュアルどおり、phpinfoを表示するファイルで確認できます(確認後は必ず削除してください)
- 注意:2026年10月のCPIの告知によると、修正を適用したあとも、コントロールパネルには更新前のバージョン番号が表示される場合があります。最後の番号(8.3.36など)まで確かめたいときは、上の2つの方法で見るのが確実です
【2026年10月追記】PHPの重大な脆弱性で見えたサーバー会社の対応の差
何が起きたのか
2026年10月21日、PHPに重大な脆弱性が2件(CVE-2026-109618/CVE-2026-109619、通称php2shell)公表されました。深刻度はCVSS v4で9.2です。条件がそろうと、ログインしていない外部の攻撃者がサーバー上でプログラムを実行できるおそれがあります。
日本時間の21日深夜に、修正版のPHP 8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35が公開されました。8.1以前には公式の修正版が出ていません。また、これはPHP本体の問題なので、ワードプレスやプラグインを最新にしても直りません。
IPA(情報処理推進機構)は21日に事前準備を呼びかけ、22日にはJPCERT/CCとともに注意喚起を出しました。共用のレンタルサーバーでは、PHP本体を更新するのはサーバー会社です。そのため、各社がどう動いたかで利用者の安心度が大きく分かれました。
- PHP公式発表:PHP: News Archive – 2026
- IPA:【事前準備のお願い】PHPのセキュリティ
主なレンタルサーバー各社の対応
各社の公開告知をもとに整理しました(2026年10月23日〜27日時点)。
| サーバー | サイトの表示 | 古いPHP(8.1以前)の扱い |
|---|---|---|
| さくらのレンタルサーバ | 緊急メンテナンスで対応 | 22日朝までに、管理画面で選べる全バージョン(サポート終了版を含む)の更新を完了。古いPHPの利用者にはPHP 8.3への切り替えを案内 |
| エックスサーバー | 管理画面を止め、サイトは稼働したまま対応 | 22日中に5.6〜8.5へ順次適用。5.5以下は独自の修正を作成・検証中 |
| ロリポップ! | 一部サーバーでサイトを一時停止 | 旧バージョンにも独自の修正を適用し、表示を再開 |
| ConoHa WING | 緊急メンテナンスで対応 | 提供中の全バージョンで修正完了 |
| mixhost | サイトは稼働したまま対応 | 5.2〜8.5に修正を適用(バージョン番号は変わらない) |
| CPI | 管理画面などを止め、サイトは稼働したまま対応 | 8.2〜8.4は適用済み。7.4・8.0は一部プランで順次提供。それ以外は利用者による緩和策の実施やバージョン変更が必要 |
サイトを止めて安全を優先した会社、サイトを動かしながら裏で修正した会社と、方針は分かれました。どちらが正しいというより、自分のサイトの性質(予約やECのように止まると困るか、会社案内中心か)に合っているかが大事です。状況は変わることがあるので、契約先の最新の告知も確認してください。
CPIの対応:新しいPHPは自動、古いPHPは利用者の作業が必要
CPIの公式告知によると、修正パッチが出たPHP 8.2・8.3・8.4は、10月22日に利用者のサーバーへの適用を終えています。これらを使っている人は作業が不要です。
一方、それ以外のバージョンは事情が違います。
- PHP 7.4/8.0:修正を当てたバージョンを順次提供(プランにより10月27日に適用済み、または10月29日予定)。別のバージョンから移る場合は、.htaccessの書き換えが必要
- 上記以外(4.x・5.x・7.0〜7.3・8.1など):今回のパッチの対象外。php.iniでアップロードやセッションに関する設定を絞る「緩和策」を、利用者自身で設定するよう案内されている(php.iniの設定についてはサポート対象外と明記)
- 古いプラン:選べるPHPが5.xや7.1までのプランもあり、その場合は修正済みのバージョンに切り替えること自体ができない
なお、CPIは告知の時点で、自社サービスで不正アクセスや攻撃は確認されていないとしています。念のため、公開フォルダに覚えのないファイルがないか、CMSに覚えのない管理者アカウントがないかを確認するよう呼びかけています。
「エンジニア向き」の意味がはっきりした
2020年にCPIを触ったとき、私は「エディタとFTPが使えないと設定ができない、エンジニア向きのサーバだ」と感じました。今回の脆弱性対応で、その意味がよりはっきりしました。
さくらインターネットやエックスサーバーは、古いPHPを選んでいる利用者の分まで、事業者側でできるだけ面倒を見ました。CPIは新しいバージョンには自動で修正を当てる一方、古いバージョンについては、php.iniでの緩和策や.htaccessでのバージョン変更を利用者に求めています。どちらも、2020年に私が手作業で行った作業そのものです。
これはCPIが悪いという話ではありません。法人向けで、専門の担当者や制作会社がサイトを管理している前提のサービスだと考えれば、筋の通った方針です。ただ、社内に詳しい人がいない中小企業が「大手の運営だから安心」と考えて古いPHPのまま使っていると、いざというときに自分たちで手を動かす必要が出てきます。
自社サイトで今すぐ確認したいこと
- PHPのバージョンを確かめる:8.2以上か。8.1以前なら最優先で切り替えを検討する(8.2も2026年12月31日でサポートが終わるため、できれば8.3以上へ)
- 最後の番号まで見る:「8.3」と表示されていても、8.3.35以前なら今回の修正前。ただし、事業者が独自に修正を当てている場合もあるので告知と合わせて判断する
- 契約先の告知の場所を知っておく:障害・メンテナンス情報のページと公式SNSをブックマークしておく
- 誰が手を動かすか決めておく:CPIのように利用者側の作業が必要なサーバーなら、.htaccessやphp.iniを扱える担当者や制作会社を決めておく
- サーバーの外にもバックアップを持つ:管理画面が止まっている間は、バックアップのダウンロードもできない
当ブログの関連記事はこちらです。


まとめ
CPIでのPHPバージョン変更は、.htaccessの AddHandler x-httpd-php◯◯ .php を書き換えるのが基本です。ボタンひとつで切り替えられるさくらインターネットとは、考え方がまったく違います。
2026年10月のPHPの重大な脆弱性では、この違いが「緊急時に誰が手を動かすのか」という差として表れました。レンタルサーバーを選ぶときは、料金や速さだけでなく、古いPHPをどう扱う会社なのか、自社で対応できる体制があるのかも合わせて考えておくと安心です。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
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