グーグルアナリティクスのGA3(UAと表現する場合もありますが、ここではGA4と比較する意味でGA3で統一しています)が来年6月までしか使えないという発表があったことで、がぜんアクセス解析に関する関心が高まっている今日この頃ですね。GA3はクッキーを使っているので測定がかなり正確でした。GA3が使用しているクッキーは「サードパーティクッキー」になります。
このサードパーティクッキーが今後使えなくなっていくというのが、GA3が使えなくなる大きな理由です。GA3の後継はGA4なので当然使うのですが、GA4は機能がもの足りないところもあり、GA4以外でも併用して使えるアクセス解析がないか探していました。
これからサードパーティクッキーが使えなくなる
これから時代は「クッキーレス」の方向になっていきます。
閲覧しているサイトのドメインから発行したクッキーが「ファーストパーティクッキー」で、閲覧しているサイト以外から発行されるクッキーが「サードパーティクッキー」です。特に制限が強くなるのはサードパーティクッキーで、今後サードパーティクッキーは使えなくなっていくでしょう。
理由は世界的な個人情報保護の意識の高まりで、IT企業に個人情報を容易には渡さないという風潮が強くなっているからです。欧州(EU)ではすでにGDPR(個人情報保護委員会)が2018年5月25日からの個人情報の扱いの規制を強化しています。
その流れが世界に広まり、GAFAMも対応せざるを得なくなっています。GoogleはChromeでのクッキー取得を段階的に排除していくことを発表しています。
グーグルアナリティクスも現行のGA3の終了を発表しGA4の新バージョンに切り替えていくための猶予期間もあと1年ほどになりました。
futomi.cgiは今でも使えるアクセス解析か
サードパーティクッキーの規制が強化されていますが、ファーストパーティクッキーは利用者の利便性向上の利用価値が高いため、まだまだ当分使えそうです。そこで、サードパーティクッキーに頼らない、サイト内のアクセス解析になにかいいのがないかを調べてみました。
すると、今でも使えそうなのが「futomi.cgi」でした。もう20年ほど前のCGIですが、ちゃんとアップデートもされているみたいです。
今でもちゃんと使えるかどうか試用してみました。
高機能アクセス解析CGI Professional版
https://www.futomi.com/library/accp.html
正式に利用するなら商用利用で2200円(消費税込み)なので良心的な価格です。
設定はスムーズにできました。
ダウンロードしたファイル一式を解凍してFTPで所定のフォルダにアップロードするだけで設定開始できます。(詳細はfutomiのオンラインマニュアルをご覧ください)
アクセス解析したいページすべてに
<script type="text/javascript" src="http://www.example.jp/acc/acctag.js"></script>
というようなソースをヘッダ内に設定すればOKです。この設定方法なら、ワードプレスでも設定可能でした。(ちゃんと測定できました)
このとき注意しないといけないのが、上記ソースのドメイン部分です。自サイトのドメイン(http://www.example.jp)であれば、サードパーティクッキーとならないので有効ですが、自分が管理している他のドメイン名にしてしまうとサードパーティクッキーと判断されてしまい、測定がうまくいかない可能性があります。必ず、自サイトのドメイン名で設定しましょう。
▼CGI設定画面
基本的な設定はほとんどそのまま使えますが、一部好みで変更しました。
・ローテーション設定→週ごとにローテーション
・表示ランキング数→100位まで表示する
・アクセスページURLの扱い→?移行は無視する
とくにローテーション設定は、アクセス解析したい期間を意識して決めるといいと思います。アクセスが一日に1万を超えるようなら週単位にするとちょっとファイルが大きくなりすぎるかもしれません。当サイトは週単位にしましたが、週あたりのアクセス数(セッション数)が1万以内程度に収まるのでこれでいけるのではないかと思っています。(当面は様子見)
GA3のユーザーエクスプローラーに似た画面もあります
グーグルアナリティクスのGA3がよかったのは「ユーザーエクスプローラー」という機能でした。個別のユーザーの動線が記録として取得できました。
▼GA3のユーザーエクスプローラー
GA3のユーザーエクスプローラーは、ユーザーごとの行動履歴がわかるので、サイト改善にはとても有効な手法でした。
しかし、GA4にはこのような機能はありません。たぶん、個人情報保護強化の観点からすると、もう実装はできないと思います。残念です。
ということで、futom.cgiにはこのようなユーザーの動線を記録するような機能があるかどうかです。
▼futom.cgiの訪問者追跡の画面
どうやら使えそうな感じです。ユーザーごとのページ遷移した行動履歴はとりあえず取得できているようです。
しばらく試用してみます。