遠田は複数のWEBサイトの検索順位チェックを行っている。ビジネスに関係するものや研究対象まで含め約14000個の検索キーワードを順位チェックしている。使用ツールはGRCで毎日1回深夜の午前0時01分からチェックを開始し、このチェックが終わるのはだいたい朝8時すぎなので、毎日8時間以上検索順位チェックをしていることになる。
毎月20日すぎには定番のアクセス解析と順位チェックを行うことにしているが、9月に入り変動が激しいことがわかった。とくに検索エンジンの順位変動が激しく、その影響を受けたWEBサイトはアクセス数が大きく変動している。このグラフは特徴的な2つを表したものである。
2016年9月のGoogle順位変動で大きく順位低下したキーワードの例
上記の事例は7位から45位に順位低下したキーワードの順位変動グラフである。このように急低下した例はそれほど多くはなかったが、とくにサイト内部にはコンテンツ変更もなかったのでGoogleのアルゴリズムが変わったのだろうということが推測できる。
じわじわと順位低下しているキーワードの例
9月に入り、じわじわと検索順位が低下しているという例は多かった。このような例のほとんどはWEBサイト自体のコンテンツ追加があまりなく、更新がほとんどされていないという状況だった。WEBサイトのインデックス数(Googleに登録されているページ数)が9月に入り激減している例が多かった。インデックス削除されたのは価値が薄いとされたページだろう。インデックス数減少により内部リンクの力が弱くなり、じわじわと順位低下したのではないだろうか。
急上昇したキーワードの例
順位上昇している事例が意外に多かった。それもじわじわではなく9月に入ってからの急上昇が多い。このよなWEBサイトは、普段からコンテンツ充実のための取り組みを続けているところが多かった。順位上昇したキーワードでランクインしているページがLP(ランディングページ)となるはずだが、そのLP自体を更新していなくてもこのような急上昇カーブになっている。
順位が上下に変動しているキーワードの例
上下に順位変動が激しくグーグルダンスのような動きをしているキーワードもそれなりにあった。特徴として、10位以内とそれ以下の変動が繰り返されている。
たまたまなのか上記の2つのグラフはいずれも通販サイトである。通販サイトの目的は商品販売であるが、最近のGoogleの傾向として「商品販売サイトの商品ページは検索順位上昇がしにくい」ことがあり、SEOに苦労しているネット担当者が増えている。「売らないコンテンツ」のほうが順位上昇させやすいが、そのページからだとなかなか売れない(コンバージョン率が下がる)。これはなかなか悩ましい問題である。
Googleは「ユーザーに役立つよりよいコンテンツ」を検索結果に上位表示させる
Googleの検索順位の変動はネットビジネスの担当者にとって大きな問題である。しかし、こまかな順位変動に一喜一憂していても問題は解決しない。やはりSEOは原則に立ち返ることが重要だ。
ユーザーにとって役立つ情報を提供すること。ここに注力することがアクセス増加につながり、持続的なビジネス発展に貢献するはずである。