WordPressで作成してあるWEBサイトを英語版や中国語版としても活用しようという動きが増えている。石川県では昨年開業した北陸新幹線の効果で観光客がどっと押し寄せており、外国人の姿も金沢市内では激増している。とくに見るからに欧米人らしき外国人が急増。その影響もあり、外国人を意識したインバウンドマーケティングが注目されている。小売店や宿泊施設などは新たなビジネスチャンスである。
WEBサイトに関しては既存の日本語WEBサイトのままでは外国人が読めないので、英語や中国語に翻訳してあらたに作るか、WordPressのプラグインなどでそのまま翻訳できるサービスを付与するかなど対策がいくつか考えられる。しかし、今あるWEBサイトをそのまま翻訳するだけでは、外国人にとって見やすいWEBサイトにならない。まず「多言語コンテンツ三原則」を確認しよう。
多言語コンテンツ三原則
上記の「多言語コンテンツ三原則」は、2015年 失敗しない! WordPress多言語サイト制作で 絶対に知っておきたいことからの引用である。とてもよくできたスライドだ。150ページほどあるが、概要はさっとみるだけでもわかる秀逸な内容になっている。
多言語コンテンツ三原則とは、既存コンテンツの内容を3つに分類し、それぞれ別対応が必要であるということをいっている。
1.普遍的コンテンツ
製品のスペックや固有の情報など、外国語にそのまま翻訳すればよいような内容のこと
2.ローカライズコンテンツ
製品の価格はその国の通貨に変換しなければわからないし、輸送に関してもその国の国内法や環境によって翌日届くのか数日かかるのかも違うため、対象国にあわせた修正が必要であること
3.オリジナルコンテンツ
その国で展開する販売代理店やショールームの紹介や住所などは、日本国内の情報とはまったく違うので新規で作らなければならない内容のこと
この3つのコンテンツのうち、どの内容の比重が高いかによって、WordPressの構築方法も違ってくる。
WordPress構築は、これらをふまえたうえで以下の4つのどれにするかが重要となる。
1.言語別に別サーバ
2.マルチサイトで
3.プラグインを使う
4.1つのワードプレスサイトで運営
最初は、プラグインによる自動翻訳がいいのではないかという考えだったものが、よくよく意見交換していくとその必要がなかったことがわかってくる。
というのは、普遍的コンテンツであれば翻訳プラグイン活用は割と容易ではあるが、そもそもGoogleクロームなどの最新ブラウザでは自国語に自動翻訳するサービスがあり、その機能のほうが最新で優秀な翻訳をしてくれることのほうが多い。だとすれば、もともとのサイトをきちんとした日本語で書きなおしたほうがいいくらいである。
ページ数が少なければ、ローカライズコンテンツやオリジナルコンテンツに関しては新規でページを作成したほうが早い。だとすれば、新たに新規サイトを作るまでもなく、既存サイトに固定ページで数ページの外国語ページを追加するだけで十分である。
ということで、「4.1つのワードプレスサイトで運営」というのがもっともシンプルで最適だったりすることが多いように感じる。