アリナミンとキューピーコーワゴールドはどっちがよいか?アリナミンAとQPコーワゴールドAの成分比較をすると…

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アリナミンとキューピーコーワゴールドビタミン剤は夏バテと戦うビジネスマンにとって欠かせないアイテム。液体タイプのビタミン剤よりも錠剤タイプの方が携帯性やコストパフォーマンスに優れている。ところで錠剤タイプのビタミン剤はどれがよいだろうか?
錠剤タイプのビタミン剤はアリナミン製薬(元は武田薬品工業)のアリナミン興和のキューピーコーワゴールドの2ブランドが横綱格。180錠入りの価格比較ではアリナミンAが4,455円(税込み)、キューピーコーワゴールドAが3,850円(税込み)。実売価格ではキューピーコーワゴールドAのほうが割引が多いようでアリナミンAの半額程度になっている場合もある。
さてどっちを買うのがよいか?

アリナミンAとキューピーコーワゴールドAの違い

成分の違いを比較する

アリナミンAとキューピーコーワゴールドAの錠剤まずは成分比較をしてみた。
メーカーのサイトで成分を見るとアリナミンAは3錠あたりの成分を表示しているが、キューピーコーワゴールドは2錠あたりの成分を表示している。
このままでは比較しにくいので、それぞれ1錠あたりの成分を計算し比較表を作ってみた。

アリナミンAキューピーコーワゴールドAの1錠あたり成分比較

成分 キューピーコーワゴールドA アリナミンA
フルスルチアミン(ビタミンB1誘導体)として(塩酸フルスルチアミン) 36mg
硝酸チアミン 3mg
ビタミンB2(リボフラビン) 1mg 4mg
ビタミンB6(塩酸ピリドキシン) 3mg 6mg
ビタミンB12(シアノコバラミン) 20μg
パントテン酸カルシウム 5mg
コハク酸トコフェロールカルシウム 6mg
L-アスコルビン酸ナトリウム 37mg
ニコチン酸アミド 8mg
ビタミンA油 0.6mg

※この比較表はメーカーの成分データをもとに遠田が1錠あたりを計算したものです。キューピーコーワゴールドは「」より、アリナミンはアリナミン製薬よりデータを参考に抽出しました。正確を期すために詳細データを知りたい方はそれぞれのメーカーの最新データから成分表を確認ください。

アリナミンAのほうがキューピーコーワゴールドAより主要のビタミン有効成分が多い

数値で見る限り、主要のビタミン有効成分(ビタミンB2、B6、B12)はアリナミンAのほうが多くキューピーコーワゴールドAの倍以上ある。問題は、この量の多さが体内に吸収できるかどうかだろう。人はビタミンを一日に吸収できる量の上限があり、それ以上過剰に飲んでも体外に流れ出してしまうからだ。

そこに効果を発揮するのがアリナミンAに含有されているフルスルチアミン(ビタミンB誘導体)。フルスルチアミンがビタミンを効率よく体内に取り込む役目を果たす。このおかげでビタミンの含有量が多くともその有効成分を吸収できるという。

その意味で、1錠あたりのビタミンパワーはアリナミンAのほうがキューピーコーワゴールドAより上回っているといえるだろう。ひどい疲れのときなどはかなり有効かもしれない。

賢い消費者としての選択は?

ただし、ほぼ日常的に飲む場合は一日の摂取量がどれほど必要かという点も考える必要がある。現実的は、朝1錠、夜1錠という飲み方が一番多いのではないだろうか。

私がしばらく常用していたころも朝1錠、夜1錠で、一日に2錠づつ飲んでいた。この前提で比較検討してみたい。

180錠入りのキューピーコーワゴールドAが3,850円(税込み)、アリナミンAが4,455円(税込み)として計算してみた。
※この価格は2023年12月28日現在の価格に修正

1錠あたりの実売価格で比較してみる

1錠あたりの価格は
・キューピーコーワゴールドA 21.4円
・アリナミンA 24.8円
になる。

なお、ドラッグストアなで販売されている実売価格では、同じ180錠入りでキューピーコーワゴールドAがアリナミンAの半額程度なので、一錠あたりの単価も約半額ということになる。

実売価格は変動するので単純比較は難しいが、一例として価格ドットコムで表示されている代表的な通販サイトで、この2点の商品を販売しているコジマストアの価格で比較してみた。

180錠入りの価格は
・キューピーコーワゴールドA 2280
・アリナミンA 3600
になる。

1錠あたりの価格は
・キューピーコーワゴールドA 12.7
・アリナミンA 20.0
になる。

ビタミン剤の名称 180錠の価格 1錠あたりの価格
キューピーコーワゴールドA 2280円 12.7円
アリナミンA 3600円 20.0円

朝1錠、夜1錠という飲み方なら、一日あたり2錠飲むことになるので単純に1錠あたりの2倍になる。

ビタミン剤の名称 一日あたりのコスト
キューピーコーワゴールドA 25.4円
アリナミンA 40.0円

つまり、一日あたりのビタミン剤のコストは、キューピーコーワゴールドAで約25.4円、アリナミンAで約40円ということになる。

出典は以下のとおり

キューピーコーワゴールドAの価格比較
https://kakaku.com/item/K0000571813/

アリナミンAの価格比較
https://kakaku.com/medicine-item/K0000529977/

コストパフォーマンスならキューピーコーワゴールドA

ビタミンは必要量以上を摂取しても体内に蓄積できないため体から流れ出てしまう。だから一日に4錠以上飲んでも過剰なビタミンは体内に残らないため、効果を考えるなら一日2~3錠以内で十分ということになる。この量で効果を実感できるならコストの安いほうで十分という現実的な選択もある。

となると具体的な有効性とコストの関係から、キューピーコーワゴールドAのほうが一日あたりのコストが安いということになる。特別に激しい疲れがあるようなら別だが、日常的に飲用するならコストが安いキューピーコーワゴールドAで十分という判断である。

なお、上記の数値は単純に2つの錠剤ビタミン剤の単価を比較しただけだが、高い方のアリナミンAでも一日40円なので、液体タイプ(ドリンク剤)が1本200円前後することと比較するとはるかに安い。

これらのことから、日常的にビタミン剤を摂取するなら、錠剤タイプのキューピーコーワゴールドAがもっともコストパフォーマンスがよいと言えるかもしれない。

結局は、それぞれの体質や疲れの感じ方や好みの飲み方によって選択することになるので、この比較検討はあくまで参考ということにしてほしい。

メーカーからのデータでの比較

アリナミンA

アリナミンA 3錠(成人の1日最大服用量)中 (2008年7月26日)

成   分 含 量
フルスルチアミン(ビタミンB誘導体)として
(塩酸フルスルチアミン
100mg
109.16mg)
ビタミンB(塩酸ピリドキシン) 20mg
ビタミンB12(シアノコバラミン) 60μg
ビタミンB(リボフラビン) 12mg
パントテン酸カルシウム 15mg
添加物: 乳酸Ca、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロース、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、トウモロコシデンプン、エリスリトール、酸化チタン、アラビアゴム、炭酸Ca、タルク、白糖

※アリナミンAの製造販売元は2021年4月から、アリナミン製薬に変更されています。これは親会社の武田薬品工業がアリナミンAなどを製造販売するこの子会社を売却したためで、社名変更により社名には「武田」という文字がなくなりました。
※アリナミンAを製造販売する会社名は変わりましたが、アリナミンAの成分は変わっていません。(現在のアリナミンの成分データなど→https://alinamin.jp/lineup/alinamina.html)(2022年4月27日追記)

キューピーコーワゴールドA

キューピーコーワゴールドA 2錠あたり成分(2錠中) (2008年7月26日)

成分名 分量 働き
塩酸アルギニン 50.0mg アミノ酸の一種で、体に元気がない時、エネルギー源の合成・貯蔵を促進します。
ガンマ-オリザノール 10.0mg ビタミン様物質といわれ、体調が悪い時や疲れている時にすぐれた効きめがあらわれます。
オキソアミヂン末 50.0mg ニンニクから抽出された成分で、ニンニク特有のニオイがほとんどなく、体の調子が悪い時、すぐれた滋養強壮効果をあらわします。
硝酸チアミン(V.B1 ) 10.0mg 疲れた体に必要な7種のビタミンが補給され、栄養物のエネルギー化を促します。
リボフラビン(V.B2) 4.0mg
塩酸ピリドキシン(V.B6) 10.0mg
コハク酸トコフェロールカルシウム(V.E) 20.7mg
ビタミンA油(V.A) 2.0mg (2000ビタミンA単位)
L-アスコルビン酸ナトリウム(V.C) 112.6mg
ニコチン酸アミド 25.0mg
無水カフェイン 50.0mg
[添加物] セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、ステアリン酸Mg、ケイ酸Ca、硬化油、タルク、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、炭酸Ca、アラビアゴム、ゼラチン、白糖、酸化チタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、リン酸水素Na、カルナウバロウ、黄色五号

ビタミン剤とサプリメントの違い

アリナミンAやキューピーコーワゴールドはビタミン剤である。ビタミン剤は医薬品である。医薬品には大きく二種類あり、医師の診断が必要な処方箋医薬品と、薬局やコンビニなどで自由に購入できるOTC薬、がある。
薬事法(※)に基づき厚生労働書の厳しい検査に合格しており、必ず成分の含有量や一回の分量などが示されているのが特徴である。

一方、サブリメントは栄養補助食品や健康補助食品であり、食品の一種である。食品から抽出した天然成分のものもあれば、化学的に合成されているものもある。また含まれる栄養素の数によって「単一型」「複合型」「総合型」などと分類される。
業界団体(財団法人 日本健康・栄養食品協会) ではこれらのサプリメントに製品規格や表示広告基準など、いくつかの規格基準を設けており、この審査をクリアした製品に「JHFA」というマークがつけられている。

つまり、ビタミン剤は医薬品で、サプリメントは食品である

医薬品と食品は明確に区別

そして、医薬品と食品は明確に区別されている。

昭和46年6月1日付け厚生省薬務局長通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の中で、人が経口的に服用する物について「医薬品の範囲に関する基準」が定められており、製品が医薬品に該当するかどうか判断される。

医薬品と判定するための要素を大きく分けると以下の4つとなっている。

医薬品の4要素
1.成分本質(原材料):制定された医薬品リストに含まれた成分は健康食品に使用できない…など
2.効能効果:食品は医薬品と誤認されるような効果効能を表示できない…など
3.形状:アンプルなどは形状で医薬品として判断できるが錠剤などは食品と書かれていれば医薬品として判断できない…など
4.用法用量:医薬品は服用時期や用量が明確に決められているが、食品は明示することで医薬品の効果を期待させる可能性があるので明示してはいけない…など

この4つについては「医薬品と食品との区別について」の記事がわかりやすいので一部引用した。

※平成26年11月25日から、薬事法は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称:医薬品医療機器等法)」に名称が変わっている。

このようにビタミン剤とサプリメントは似ているようだが違うものなのである。

自分に適したビタミン剤やサプリメントを選びましょう

ビタミン剤やサプリメントは処方箋薬ではないので、結局はいろいろと試して、自分にあったものを選ぶのがよさそうですね。

コメント

  1. ビタミン剤のキューピーコーワゴールドは4種、キューピーコーワゴールド4種の違いはなにか?

    ビタミン剤でメジャーなキューピーコーワゴールドは「A、α、新、i」と4種ある。はたしてその違いはなにか?大型ドラッグストアで聞いてみた。回答は「成分の違いです」だった。(成分詳細は続きをご覧あれ)キューピーコーワゴールドAは180錠入りで1800円。キューピーコーワゴールドα(アルファ)は90錠入りで1800円。ちょうど倍である。その成分の違いは、どの程度の効果の差なのか?販売価格差ほどの格段の差…

  2. ビタミン剤は液体と錠剤のどちらがよいか、アリナミンAはアリナミンVより効くのだろうか?

    アリナミンは錠剤も液体のドリンク剤も両方販売しているビタミン剤の定番である。錠剤のビタミン剤はアリナミンA、液体のドリンク剤はアリナミンVが代表格だろう。この2つのアリナミンはどちらがよいのだろうか?コストパフォーマンスでは圧倒的に錠剤が安い。60錠入りのアリナミンAは1512円なので、1錠あたりは約25円。一方、ドリンク剤のアリナミンVは3本で882円なので、1本あたり294円。効果のほどはどう…

  3. アスタリールは美人薬剤師が勧めてくれたアスタキサンチン入り錠剤、どうやらビタミン剤を超えるサプリメントらしい

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